表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第四章 新たなる旅立ち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

130/585

奥神殿へ

300を越えるブックマーク、本当に有り難いです。


オーディスワイアの過去──彼が転位した理由が語られるエピソードです。

 風呂から出ると、二人に増えた少女の神官達に連れられて庭に出る。

 小さな清流が流れてくる小川があり、そこに入って、足と手を洗うのだと神官の少女が言って、持っていた布を手に俺の両脇に立つ。


 靴下も脱いで小川に入ると、ひんやりとした水に足を入れたまま、少女達にうながされるまま、川辺の大きな石に腰掛けて足や手を洗ってもらう。

 小川の水で洗うだけの儀式らしい。おそらくこの清流は、聖域として民間の人間は誰も立ち入る事が許されない、湖から流れてくるものだろう。その湖にはアリエイラの顕現体けんげんたいである竜が存在し、無限の源泉として留まり続けているのだ。


 俺の左足を洗っていた少女が、片脚が義足の時はどうしたらいいのかといった表情で、手を洗っている少女を見る。

「儀式なんだし、一応洗っておいたら?」俺は提案した。

 手を洗っていた少女も頷いて、そうしなさいと声を掛ける。


 清流で俗世のけがれを落とすと、乾いた布で丁寧に足と手を拭ってもらう。儀式とはいえ、普段は自分でやっている事を他人にやってもらうというのは気恥ずかしいものだ。

「はい、ご苦労さん」


 俺は少女達から解放されて部屋に手荷物を置いて行く事になった。水の神の為に持って来た、宝石入りの硝子ガラス小鉢を持って部屋を出る。

 この懐かしく感じる部屋を出て、奥神殿へと続く石畳いしだたみの敷かれた通路を通り、神殿の横を通って裏手にある木々の間を通る通路を抜けて、青い色を含んだ石で建てられた、白い神殿──思ったよりも小さな物──の前までやって来た。


 二人の少女は扉の前まで俺を案内すると「中でアリエイラ様がお待ちです」と言い、背を向けて去って行った。


 奥神殿は本殿の半分ほどの大きさの建物で、二階建ての少し大きな民家というくらいの物だった。

 硝子戸や玄関の銀で縁取ふちどられた立派な木製の扉など、ぜいらして造られた建物に違いないが、青い色がまばらに入り込んだ白い石の壁は、どうやら蒼い輝石を含んだ石を切り出して組み合わせた物らしい。


 涼しげな蒼い色は、建物を囲む木々の間から差し込む木漏れ日を受けると、きらきらと光を反射して幻想的な雰囲気ふんいきに包まれる。


 ──美しい。そう素直に思う。

 なんとも言いがたい神秘的な場所と建物であった。


 重厚な装飾が施された扉を叩くが返事が無い。もう一度叩いても反応が無いので、扉の金で造られたノブに手を掛けて回すと扉は開いていく。


 玄関に足を踏み入れると、そこで靴を脱ぐ様式であるらしい。一足の室内履き(スリッパ)が用意されていた。

 俺は靴を脱いで室内履きに足を通すと、そろそろと、恐る恐る建物の中に足を踏み入れる。


「オーディスワイア、おしにより参上しました」

 そう声を掛けたが、やはり反応は無い。


 玄関先にある、ちょっとした広さの部屋には二階へ続く階段や、各部屋へと続く通路とドアがある。

 壁際に置かれた木製の椅子に腰掛ける事にする。この室内石壁にも白の中に蒼い輝きが入っていて、神秘的な気に満たされていると感じる。


「なんか落ち着くな……」

 周囲を見回していると奥にあるドアがゆっくりと開いた。俺は水の神がこちらにやって来ると思い、立ち上がってドアの奥から現れる人影を待つ事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ