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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第四章 新たなる旅立ち

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仲間の成長と来客

 翌日は休日となった。明日にはシャルファーへ遠征に行くのだから、準備をしておくに越した事はない。……なのに、俺は何故か、朝っぱらからレンに剣と盾を手にしての訓練に付き合わされていた。

 しばらく手合わせしない間に一段と強くなっている、正直驚いてしまった。技の切れ味もそうだが、精神的にもかなり成長しているのが分かる。

 以前は警戒して守りに入るこちらの攻撃に対しても、前に出て攻撃を受け止め、反撃する体勢になるような足運びをしているのだ。


「ぉわぁっ!」

 びゅうんと頭を狙った攻撃が空を切る。木剣とはいえ寸止すんどめを期待できないと知ると、俺の中の闘志にも火が付く。

 少年には少し()()()()()()を教え込む必要がありそうだ。


 俺は盾を体の前に構えると突進する。いきなりの単純な突撃に慌てたレンは、横に回り込もうと動き出すが──、それは予想通りの動きだ。

 回り込もうとする動きに合わせて、盾を移動させて視界をふさぐと、盾の陰から木剣を突き出して相手の胴に鋭い突きを打ち込む。


 レンは二、三歩後ろに下がると、ぐっと踏ん張って攻撃にえた。

「剣と盾は、どちらも攻撃にも守りにも使える事を意識しろ。剣だけで攻撃、盾で守るという考えを捨てろ」

 そう言うと今度は盾を左側に構えて間合いを詰める。レンも盾を構えながら剣を振り被ってきた。その攻撃を盾で弾き、受け流すや、相手の剣を振り抜いた腕に向かって、盾でぶつかる形で突進すると、少年は肘を押されて転倒してしまう。


「攻撃後に押されると転がってしまうのは、重心が前足に掛かり過ぎているからだ。攻撃が弾かれたり受け流された時点で、後ろに引くか横に動く事も考えておけ」

 こんな感じで一旦休憩に入る。




「団長って盾も使えるんですね」

 カムイがリトキスに話し掛けている。

「オーディスワイアさんは、初めの頃は剣と盾を使っていたらしいよ。僕が一緒に冒険に行くようになった頃には、大剣で戦うところしか見た事が無いけれど」

 その後も剣と盾を持って、カムイやカーリアとも闘ったりした。


 カーリアの進化は、攻撃する時に物怖じしなくなった点だろうか。一撃の重さはそれなりにあるが、相手を惑わす動き(フェイント)などに欠ける。


 カムイは、エウラやリトキスから吸収したと思われる戦い方を身に付けていた。攻撃も重さを増し、構えからも以前より戦士らしい力強さを感じる。




 こうして昼食までは訓練をして、午後から明日の遠征の準備をする仲間達。──俺は倉庫内に置いた錬成台で回復薬や煙幕、閃光爆弾に燃焼爆弾も作っておく。

 すると後方から猫の鳴き声が聞こえた。振り返ると倉庫の前に猫が座り鳴き声を上げている。なにやらいつに無く必死な様子で、「ニャァ──、ニャァ──」と何度も呼び掛けてくる。


「なんじゃ、なんじゃい。餌が欲しいのか、待て待て」

 猫の方へ近づき抱き上げようと考えていると、猫は急に走り出した。玄関の方に向かって行く。

「あれ? 誰か来ているのか?」

 玄関の扉を叩く音がする。


 猫は扉の前に来ると、こちらを振り向いて「ニャァ──ォ」と鳴き声を上げた。

「おぅおぅ、客が来ている事を知らせてくれたのか、悪い悪い」

 俺が扉へ向かうと、猫は宿舎側にある簡易寝床の方へ歩いて行く──賢い猫だ。この大地の精霊の影響か? ()()()()()()()()の猫は、お世辞にも賢いとは言いがたい連中ばかりだった。


 扉を開けるとそこには、青や水色の法服ローブを着た神殿付きの神官が二人立っていた。肩の紋章には水の神の紋章が描かれている──

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