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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第四章 新たなる旅立ち

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蜂蜜と蜜蝋

総合評価700越え、ありがとうございます!

PV数も今年中に二十万に届きそうな勢いです。

これからもまったり、時にシリアスを交えて頑張ります。応援よろしくお願いします。

 翌日、レーチェの実家から食料が届けられた。管理局に届ける物の、ほんの一部だが、それでも旅団の規模からすれば、なかなかの量をもらえた事になる。

 何台もの荷車が旅団宿舎の前を通って行き、その度に荷物の一部を置いて行く。


 今日は俺とレン、ウリスが宿舎に残っていた為に、食料庫に運び入れるのは何とかなった。

「あ、すごい。牛乳に牛酪バター乾酪チーズ葡萄酒ワイン、それに酢までありますよ。野菜や果物、木の実もこんなに……。レーチェさんの実家は豊かな土地なんですね」

 ウリスは興奮気味に言う。


 確かに、これだけ色々な物が収穫できる肥沃ひよくな土地であるのは、管理している領主や領民の、日頃から行っている作業の賜物たまものだろう。

 ほったらかしの土地では、こうは行くまい。研究に研究を重ね、さらに錬金術などの技術も、十二分に活用しているからこそだ。


 瓶詰めになった蜂蜜が三つ、蜂蜜酒ミードが五本も。さらには箱に入れられた蜜蝋みつろうもあった。まだ蜜を取り出していない新鮮な状態の蜜蝋だ、朝方に取り出してきたばかりの物だろう。

「メイが喜ぶだろうな」

 蜜蝋は、そのまま食べる事も出来るが──、少し手を加えても面白いだろう。


「あれ、これは──葡萄ぶどうの焼き菓子でしょうか? 籠に入っていましたよ」

 つるで作った手提げ籠(バスケット)の中には、皿状に焼いた小さなパイ生地の上に、卵を基礎ベースにした中身を入れて、葡萄や木の実を乗せて焼いた菓子が沢山入っていた。──タルトだろうか。甘く香ばしい匂いがする。




 午前中は食料を運び込む作業に追われた。黙々と作業している途中でレンのお腹が鳴ったので、昼食を取る事にする。

 昼食は簡単調理で済む物にした。生野菜料理サラダにパンに乾酪を乗せて焼いたものと、焼いた腸詰めを少し。


 せっかくなので、採れたての蜜蝋を切って食後に食べてみた。──甘い蜜の中にかすかに花の香りを感じる。強烈な甘さかと思って口にしたが、柔らかい甘みで、鼻に抜ける芳醇ほうじゅんな香りが癖になる。

 切り分けてから蜜蝋の入った箱をしまっておいて良かった。目の前にあったら、もう一口──もう一口と、止まらなくなっていたかもしれない。特にメイに食べさせる時は注意しよう……


 *****


 午後はウリスとレンが宿舎内の掃除をし、二階の掃除を終えたウリスが庭にある倉庫にやって来て、錬成している俺に尋ねてきた。


「新しい弓を作ろうと思うのですが。風精一角獣フェスアートルの角を二本使って作りたいのですが、風精一角獣って、都市シャルファーの転移門にしか出現しないって本当ですか?」

「一角獣……ああ、あのひん曲がった角を持った犬か。確かに、シャルファーの中級難度くらいの転移門先に出たような……弓はちょっと前に新調してなかったか?」


 弓を造る職人はまさに専門家だ。俺には作れない物の一つが弓だ。形を真似る事は出来るが、性能は段違いの(性能の悪い)物になるだろう。


「あの弓も最初の物よりは良いですし、団長にも錬成強化で強くしてもらえましたが……、あれでは駄目なんです。これからもっと難易度の高い転移門に挑むには、あれでは駄目なんです」

 珍しく彼女が熱く語った。俺は「よし」と頷くと、シャルファーに遠征えんせいに行く事にしようと彼女に言い、冒険から仲間達が帰って来たら早速、計画を立てる相談をしようと決めた──


 そんな時にウリスが玄関を叩く音がしたと言って、庭を駆けて宿舎入り口の扉を開けに行く。──さすが狩りで耳を鍛えた猟師でもある狩人だ。

 倉庫の中に居た俺には、来客の音は聞こえなかった。通りに面した玄関にも、呼び鈴を付けるべきかもしれない。


 錬成作業を終えて素材をしまい、客を見に行こうとすると、ウリスがすっ飛んで来た。大慌ての彼女を見たのは、これが初めてだ。


「なんだなんだ、素っ裸の強盗でもやって来たのか。わざわざ扉を叩くとは、親切な強盗だな」

 言いながら素っ裸の強盗の姿を想像すると、()()()()()だった。

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