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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第三章 秩序と断罪

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エウラに「破砕撃」を習得させる

《外伝》や登場人物の設定を読める物を投稿してあります。そちらも読んでもらえると嬉しいです。

少し新たに書き足した部分と新たな登場人物を表記しました。

 朝になると冒険へ向かう仲間達を送り出しながら、エウラと共に市外訓練場へ向かう。昨日のうちに義足を調整して、何とか軸足を滑らないようにした──つもりだ。

 しかし、脚を失ったばかりの頃にも、何とか様々な体重移動に耐えられる義足を作ろうと工夫したが、結局足首部分に掛かる負荷と、脚の裏が地面に平行に着く機能が両立しなかったのだ。


 それに素材も無い。いわば人体の腱に当たる動きをする、丈夫で伸縮する素材で、これといった物が手に入らなかったのだ。一応現在は皮の束を重ねた物で補っているが、思う通りの足運びを可能にする様な義足は、ついに完成しなかった。


 まあその後は錬金鍛冶師として、冒険者達の支援に回ろうと考えたので。それ以来、新しい義足の作製はほとんどしなかったが、今の技術ならもしかすると、冒険や戦闘に耐えうる物を作り出す事は可能かもしれないな。

 そんな風に思いながら今日は義足を身に着けた。


「どうかしましたか?」市外へ向かう道の途中でエウラが声を掛けて俺の思考を中断した。いつもよりも大股で歩いて、足の接地面などを確認していた俺は、彼女の方を向こうとして足が滑り、その場で膝を突きそうになる。


「──あっ⁉ 膝がぁ!」

「ぇえっ‼ だ、大丈夫ですか……!」

 心配して肩を貸しましょうかと声を掛けてくるエウラ。

「大丈夫、ちょっとした()()()()だ」

 俺がそう言いながら立ち上がると「そんな持ちネタは止めて下さい」と、エウラは若干キレ気味だ。


 こんなやり取りをしつつ市外へ出て、訓練場へ向かう。──今日は人が居ない、まだ早い時間だというのもあるだろう。

 今回は岩がある場所へ向かった。これを破壊する事で、エウラに習得したいという気持ちを起こさせようと思う。


「ちょっと待ってくれ」

 そう言って大きな石を足下に置き、地面に踏みつけて埋めておく。足を踏み込んだ時にそれ以上広がらない様にする為だ。


「よし、それではそこの岩に『破砕撃』を撃ち込もう。よく見ておけ──気の流れを」

 ぐっと足に力を入れ、大剣を構える。気は腹部から胸を通り腕を通ると、その勢いのまま、手にする大剣の剣先まで覆う。刃に気が集中すると俺は、一歩踏み込んで剣を振り下ろし、岩に剣が当たらぬギリギリの距離から攻撃して、岩を打ち砕いた。

 気の刃が岩を斬り裂き、爆裂する気の放射で岩を砕くと、周辺に砕いた岩の欠片かけらをバラバラと撒き散らす


「ぁあ、この程度しか出来ないか。以前なら岩を完全に砕いていたが」

 そう言って足を元に戻そうとする、しかし義足だと思うようにいかないのだ。体重の釣り合い(バランス)を取りながら引き足を軸に、前に出した右脚を戻す。たったこれだけの作業に意識を集中しないと、右脚を引きずる羽目になる。


「凄い威力だと思いますが……」

 エウラは岩を打ち砕いた事に感心している様子である。もし全盛期の俺が本気で撃てば、地面はえぐれ、新たに溜め池となる窪地くぼちが出来ていたかもしれない。そのくらいの威力を発揮はっきする事も可能なのだ。


「さあ、そんな事より、エウラが気を剣にまとわせる事ができるかどうか、やってみようじゃないか」

 適当な岩の前に立たせると気を(扱えない戦士も居るが、彼女は使える)腹部から胸に、腕にと伝わせて剣先へ溜め込むよう集中する。──しかし剣には行かずに、手に溜まってしまう。

「それだと強力な攻撃は放てるが、気による破壊は起こせないぞ。──腹から腕まで一気に伝える感じでやってみろ」


 俺は彼女の魔剣の刃を掴んで気の流入を計ったが、これも駄目だった。

 剣を肉体の一部と考えさせても無理、なら……


「剣を持つのは止めよう。俺の腕に気を通す感じで握ってみろ」

 そう言って手を差し出して彼女の手を握る。しかし彼女の気は、こちらまで流れて来ない。俺の方からは彼女の腕に伝わって行くが(気が体内に入っても違和感は無いが、その状態から気を操作して相手を転ばせたり、衝撃を与える事は可能)、体内でのみ活性化する気を、外へ発散するのは慣れが必要なのだろうか。


「あれだ、てのひらから放って岩を割ろう」

「そ、そんな事もできるんですか?」

「まあ、いきなり割るのは無理でも外へ放出する方法を会得えとくすれば、剣の刃に気を集中するコツも掴めるだろう」


 俺は小さな岩の前に屈み込み、岩に手を当てると掌に溜めた気を一気に打ち出して、岩を真っ二つにする。

「さ、やってみろ」


 この後めちゃくちゃ特訓した。

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