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錬金鍛冶師の冒険のその後 ー冒険を辞めた男が冒険者達の旅団を立ち上げ仲間の為に身を砕いて働くお話ー  作者: 荒野ヒロ
第三章 秩序と断罪

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不正者の旅団



 ユナ達を「深緑の大地」に送ってから俺は、管理局から届いた食料を、地下の食料庫に運び込む作業に一人で没頭した。人数も増えた為かなりの量だ。

 皆は冒険や木の伐採へ向かってしまった為に、たった一人で行っているのだ。


 地下室から戻って庭に積み重なる木箱を見ると、その上に白い猫が日向ひなたぼっこしていた。俺の顔を見ると「にゃぁ──」と鳴き声を上げて煮干しを求めたが、今は食料を運び込む事にした。──その帰りに牛乳と、煮干しを手にして庭に出ると、猫は木箱から飛び降りて、建物近くにある猫用の食事場(簡易寝床付き)まで、駆け寄って来た。


「現金な奴だな」

 そんな事もありつつ。荷物を食料庫へだいたい運び終わると、外へ昼食を食べに行く事にした。今回は少し用事もある。


 若い冒険者見習い達が集まるような料理屋に来た。おすすめ料理を注文し、給仕に若手から搾取するような旅団があるらしいが、聞いた事はあるかと尋ねてみた。

 五十近い女は「ああ……」と小声になると、色々と偽名を使って勧誘しているみたいだから、なかなか尻尾を掴ませないけれど、時間の問題でしょうと言った。


 どうやら昨日来た管理局の連中が、犯罪の一部を突き止めたらしい。

 旅団の登録申請をして食料を不正に(他の旅団に入った団員と同一人物を登録して)多く、受け取っていた事が発覚したのだ。

 それでその旅団の拠点に踏み込んだが、()()()の殻だったと言う。


 少なくとも、その旅団に食料が奪われる事は無くなったが、その為にそいつらは、別の強行手段に打って出るかもしれない、そんな不安を給仕は口にした。

 確かにそうだ。管理局の手から逃れたが、食料を手に入れる為に、そいつらは、良からぬ事を企てるかもしれない。


 もし管理局が、そいつらの情報を先に手に入れていれば、問題の解決はすぐそこだろうが、まだ足跡も見つけていなかったら、今回の問題で被害が広がってしまう可能性もある。

 自分勝手で愚かな不正者共を一網打尽にするには、そいつらの本当の拠点を割り出す事だが……


 料理屋で食べた昼食は割と美味しかった。なんだか懐かしい味のする、トマトを使った麺料理パスタなどを食べて宿舎に戻ると、まだ猫が居た。エウラが用意した、木の板と布で作った簡易寝床を気に入ったらしい。


 俺は残りの食料を地下へと運び込んで、庭にある椅子とテーブルで紅茶を飲む事にした。一休みすると、錬成台を開け放した倉庫の中に置いて、冒険に使う道具の補充をしておいた。

 結構長い間集中して作業に没頭していたらしい、仲間達が帰って来てしまった。ユナ達の樹木伐採に向かったパーティだ。


「オーディスワイアさんの言う通りにしたら、魔法の効果が下がるような事も無く、簡単に伐る事が出来ました。やっぱり木の精霊とも話さないといけないんですね、木には申し訳ないですけど」

「そうだな、だから大切に使わないといけないな」


 エアとレンが荷物を持って近づいて来た。彼らは妖樹アゥドモクスの枝や、豹の毛皮を手に入れたと報告する。

「豹は怖かったです……僕も盾を持った戦い方を学ぶ必要があると思いました……」

 とレンが言えば。

「そうね、獣には槍の方が安心かも、突然突進されても、両手で持った槍は穂先で突いて押し返せるし。剣じゃ振りかぶる余裕なんて無いでしょ」

 エアはそう言って、後方から素早く援護に回った自分の動きを、得意げに見せてくる。

「二人とも、よくやったようだな。上出来だ」


 リーファは食料を地下まで運んだ事に礼を言い、この前の分の食材を使って、腕を振るいましょうと告げて調理場へ向かう。

 俺は少し気分を変えようと調理場へ向かい。木苺を使った焼き菓子(クッキー)を作って(少し機嫌の悪かった)、メイを喜ばせようと考えた。俺は料理だけでなく、意外に思われるかもしれないが、菓子作りにも一家言いっかげんある男なのだ。

いくつかの文を修正しました、足らない箇所は付け足しました。


一家言……結構長い間「いっかごん」と思い込んでいたので、ルビ振っときました(笑)。

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