第51話腎不全検査値
前回の入院もそうですが、会社員にとって入院期間は命とりです。
今回で有給休暇はもう使えません。
昼ごはん後に女医が退院の基準となる検査値のリストの説明に来てくれます。
同席したいという女房にその話を伝えています。
だから今日は昼前に着替えと頼んでいた本を持ってきてくれています。
女医が忙しそうに部屋に入ってきます。
「先日言っていた検査値の正常範囲の数値をまず頭に入れて話を聞いてください」
と言って検査値の並んだコピーを広げてくれます。
「まず腎不全はクレアチニンの数値です。正常値は0.59~1.21ですがここに戻ることはありません。ただ入院2か月前の4.59に戻り維持できるかです。昨日は4台に回復しています。明日の検査にも同様の結果が出るかですね」
女房がメモを取っています。
「次にHb(ヘモグロビン濃度)ですが、正常値は13.5~17.5で入院時には4.61にまで貧血状態になっています。これも造血剤注射で10.4まで回復しています。H b A 1 c(ヘモグロビンA1c)は6.2から正常値範囲の5.4までに回復しています。問題は血糖値です。これは時間をかけて今後下げていく必要があります。入院時は300もありました。これはどこまで下げれるかはわかりません」
正常値は70~110で異常に高いです。現在でも196の高さです。
「とくにこれからはカリウムの数値に注目する必要があります。現在も6と高止まりしています。正常値は3.5~5.3で6を超えると死亡する危険が出ます。取敢えず食事療法とゼリー状の薬を飲んで毎日抑える努力がいります。
BUN(尿素窒素)もよく見ていてほしいのです」
「退院は?」
これだけが気になる私です。
「明日の検査結果次第です」




