第358話痛風発作

「最近足の先が痺れて痛みが走るんです」

透析中に気になることを廻ってくる医院長に話します。

透析患者には色々な症状が出て来るようです。

「痛風発作かもしれませんね。尿酸値が少し高いですね」

血液や尿検査を定期的にしてそれをペラペラ繰りながら、

「尿酸はプリン体（核酸の成分）と言う物質が代謝されてできる老廃物です。体内のプリン体からの産生が多い、プリン体を多く含む食品（魚、肉類、ひもの、など）の取りすぎ、あるいは尿中の排泄が低下する、あるいはこれらが重なって、血中濃度が上昇します（高尿酸血症）。ビールも要注意ですよ。血液に溶けることのできる尿酸の量は非常に少なく、濃度が上がると結晶として、特に関節（足の親指の付け根が多い）に沈着し、我慢できないくらい痛むのが痛風発作です」

最近はビールは出来るだけ避けるようにして焼酎に変えています。

今日は透析後ＮＰＯの社員と合流して京都のＮＰＯに向かいます。

「久しぶりやなあ」

彼は銀行の役員まで登られてシニアＮＰＯの理事長をもう10年されているベテランです。

「半農半ｘの教室を同時に2教室始めたんだが、募集が好調でパソコン教室を徐々に切り替えていこうと考えている。京都には私のＮＰＯから広めたいのだが?」

「お願いします。ここまで出てくるのが精一杯ですから」

彼にはよく祇園に連れて来てもらいました。

「互いに持病で大変だけどなあ」