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第356話出発

「大丈夫?」

と女房が水筒にお茶を入れてリュクに詰めてくれます。

最近は血圧が77-165と高めで、降圧剤を増やされました。

今日はリュックを背負って葡萄園に編集長と出かけます。

河内長野の駅で合流、1時間半歩いて山の斜面にある葡萄園に着きます。

編集長と話をして彼の就農をこまめにシリーズにすることにしました。

彼女は歩くところからビデオを回します。

手作りの農園の看板を見つけて細い登り道に入ります。

「いやあ、お待ちしてましたよ」

作業服に長靴の彼が手を振っています。

「ここ3日で新しい苗を植えるところの準備をしました。指導員の方に手取り足取り・・・」

そう言えば年配のおじさんが棚の手入れをしています。

すでに編集長はいろいろ質問を始めています。

私は彼を手伝って苗木を穴の中に植えていきます。

3時間しっかり働いて20分ほど登った古民家で昼食です。

家の前には思ったより広い畑がありもう畝が出来ています。

「自給自足だなあ」

「昨日友達のミュウが来ました」

「ミュウって彼女みたいね?」

寄ってきた山羊の頭を編集長は撫でています。

「彼女です!」

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