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第317話証人が信じられない

「昨日ホテルの社長の裁判の証人に出られたんですね?」

「なぜ?」

相棒の部長からの電話です。

「あの会社にはまだまだ不動産部長の息のかかった社員がいるんですわ。あの法定の後専務が社長に総務部長の失敗を大げさに告げ口したんですよ」

「総務部長は元々のよいしょマンで裁判など無理だよ」

「そうですね。あまりにも簡単に嘘をつくのですから」

労働裁判ももう2年も続いています。

彼が私に懲戒解雇の宣告をした時から、彼の作った解雇理由は180度変わってしまっているのです。

あの頃はホテルの社長と売り上げを抜いていて・・・と言うとんでもない作り話だったのです。

そのうちに刑事訴訟が起こり民事裁判の証人にもなってほぼ9割の事実が確認されています。

総務部長は裁判関係の責任者なのに調書も読んでいないのです。

今の弁護士も顧問弁護士が裁判を受けなかった後何の初期の事情も知らずにここまでこねくり回してきたのです。

「それで専務が裁判を継ぐのですか?」

「それが引き受ける代わりに弁護士の交代と和解もありを社長に突きつけたと言うんですわ」

「えらい強気だなあ」

「最後までへばり付くようですよ」

「専務も幾つになった?」

「68歳ですかねえ。そうそう経理課長が不動産部長とまたこそこそ話をしていますわ」


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