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第289話身から出た錆

今日は透析後3度目の障害年金の再申請です。

今度はまた違った女性の担当者です。

「前回、事後重症ということを言われ診察書の訂正を貰ってきました」

「そのようですね」

また一から書類の点検をします。

今回も1時間待たされていますがまた中に入って30分出てきません。

今度は更に年配の職員が眼鏡を上げて説明します。

「この前の健康診断は残っていますか?」

また新しいことを指摘し始めた。

「いえ、それまでは自営業で10年程健康診断を受けていません」

「取りあえずこれで行くしかないですな」

「どれほどかかるものですか?」

「東京の方で3か月ほどかかりますね。ただ等級の方はそこで決まります。等級に不服がある場合は不服申し立てを行って貰います」

取り敢えず後は待つだけです。

部長からの留守電が入っています。

「工事課長が逮捕されたのです。それで不動産部長が専務に証人にと言ってきてるんです?」

「確かに彼は会社の指示でボイラーの破損をしたのは分かっていますが、私は証人になる気は全くないですよ。あれは身から出た錆です」

彼女に対する罪も背負ってください。


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