第278話証人尋問
またトイレが薄赤く染まりました。
内視鏡で血尿が始まりました。
じ~と滲みる懐かしい排尿痛です。
1時15分からホテルの社長の証人尋問で大阪地裁に出廷です。
2時間前に弁護士事務所で予習をしていきます。
今日は原告の相手側の弁護士が2名、被告のこちら側は女性弁護士の1名です。
「ホテルの幹部支配人からの証言にも出ていますが、ホテルの社長とは出向前からの知り合いだと?」
あの社長のナンバー2がどうやら相手側になびいたようです。
「証拠として提出しているスケジュール表のどこにもホテルの社長と合った記録はありません」
「それはあなた個人の記録です」
「いえ。この記録は刑事事件や他の民事事件でも証拠採用されています」
女性弁護士の言葉で裁判官が軽く頷いたようです。
「原告から社長とあなたのコンビで売り上げが下がったと言われていますが?」
「乙号証にも出している売上表では私が行く前の売り上げが解雇直近で1.3倍になっています」
「血判書で会社乗っ取りの動きがあったと証言がありますが?」
「血判書はすでに証拠として提出されていますが、これはあくまでも力を合わせて頑張ろうとのものです」
血判書には氏名と押印以外は何も書かれていません。
「はいここまでとします」
私は退廷して次の証人尋問が始まります。
私は思わず小走りでトイレに飛び込みました。




