第246話血判書が見つかる!
ホテルの社長から珍しく携帯が入り農業訓練の教室の前のホテルのレストランで5時に会います。
「どうしてるのですか?」
「いや、親父の会社の下請けのような仕事をしている。来週の損害賠償の訴訟に出るので先生から言われて事務所の整理をしていたら、なんと背広のポケットからこんなのが出てきた」
あの幻の血判書です!
「それは労働裁判で私の乗っ取りの証拠として会社から準備書面で何度も出ていますが、私も持っていないしまさか会社も持ってるはずがないと思っていたのです」
「こちらでも同じことで重要な証拠とされていたのだが、どこを探しても見つからなかった。これは専務が作ったのか?」
「いえ。社長は一番最初のサインでしたね?あの会議の時誰からこの紙が回ってきたか覚えていますか?」
「部長が持っていたな」
なのに彼は血判書のことを知らないと言っていました。
私も社長も作っていなければ相棒の部長しかありません。
やはり血判書には幹部の社員の指紋の他どんな文章も入っていません。
どうもこれは彼を通じて不動産部長の駆け引きに使われていたようです。
会社は完全に手元に手にするまでに裁判の道具に使ったのです。
「今から弁護士に渡してくる」
「こちらにも原本を貸してください」
「もちろんさ!」




