第240話夢を持つ
「透析クリニックはどうだったの?」
「家から歩いて15分のところに決めようと思うんだ。今度病院に行ったら相談してみる」
「こちらは人事が雇用保険についてパートでもかけられるのか?聞いたことがないですと参ったわ」
女房は不規則なスケジュールを確認しながら先に出かけます。
私は少しづつベランダのプランターや鉢を掃除してベランダ菜園を再開しようと心に決めました。
今日は農業訓練の同窓生の一番若い女性から相談を持ちかけられています。
この教室には7名の女性がおられ、30代から70代と思い思いは様々です。
「この教室に入る前は農業法人みたいのがいいかなと思っていたのですが、だいぶんふらついてきたんです」
「この前に自己紹介していた時に確か半分の人が農業に従事するという結果でしたね。それが講師の人とも話しましたが、卒業時は1割に減るということです」
「やはりそうなんですね。農業で生活するのは難しいと思いました」
「助成金から言うと40歳までが限界ですね」
「元々キッシュなどを趣味で作っていたので今は古民家レストランを勉強を始めています。半農半xのお話をされていたのが」
「私は専業は到底無理だと思っているので、xを探す時間です」
「私は古民家レストランがxになれたら」
歳の違いがありますが、互いにxを求めているようです。
残念ながら彼女の古民家レストランはみんなから夢だと思われています。




