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第197話自己破産

血尿は薄くなりましたが、尿漏れパンツを履いて職業訓練です。

授業中に何度かホテルの社長からメールが入ります。

どうもあの女性弁護士の事務所にいるようです。

帰りに家まで送るので話を聞いてほしいということです。

教室のビルの前に車が止まっています。

「ベンツは売ったのですか?」

「もうそんな金はない。中古車を借りている。女房が社長だからね」

「弁護士事務所に?」

「自己破産の相談に言ったんだ。本社から10億の弁済を求められている。そんな金はない。親父さんとも昨日話したが、反対されている」

「それはどうして?」

「こちらが悪かったいうと付け込んでくるから待てと言うんだ」

「先生は?」

「先生はこの貸付自身疑わしいと思っている」

「それは私も同じです。国税に呼ばれたときも同じ話だったのです。こちらはホテルの管理をして運営をしているが、設備や修繕をすべて管理会社に貸付している。それなのに自社の固定資産として減価償却している。これはおかしい」

「その辺が分からない。借りたのだから返さないとダメだと思うんだ」

ホテルの社長は税務にはめっきり弱い。

「取られるものはもうないからじっくり見た方がいいと思いますよ」

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