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第156話書類の偽造

「今メールで流しましたが見て貰えませんか?」

刑事事件担当の弁護士から携帯が入りました。

シニアNPOの職業訓練は今日は遅刻の連絡を入れてパソコンを開きます。

3枚のビラのコピーです。

どうもホテルの取引先に本社名で告発文を流したようです。

「見てもらえましたか?」

「はい」

「一つ目はホテルの社長の解任理由です。会社の金を使い込みをしたとか、乗っ取りを企てたとか証拠の明示のないものですが、二つ目はホテル会社実印を押した貸付の依頼書です。10憶の借入金はホテルの社長が頭を下げて頼んできたもので、リフォームや修繕で使うとあったが資金使途が不明なものが多いとあり、三つ目のしばらく支払いを猶予すると言う一方通行的なものです」

「私が聞いてる情報では月2億まで行った売り上げが今は1億3千万まで落ちているという話ですから、現実的に支払いができない状況だと思います。他の事業も2割ほど売り上げが落ちていると聞いています。ちょっと待ってください」

私は貸付依頼書に見覚えがあります。

慌ててノートパソコンを開いてUSBの下書きを調べてみます。

「この貸付依頼書は5月下旬に本社社長が珍しく直接携帯を入れてきて文章の内容を指示してきて私が作りました。日付は1年前の11月とこれも指定されました」

「これも11月ですね」

「でもこの文章の後半は後で書き足されています。USBでは作成日は5月です。ちょうどこの時国税の調査が入り依頼があったと思います。でも6月5日に印鑑を返していますからこちらでは発行していません。本社がホテルの印鑑を手元にして遡って作った書類の一つだと思います」

「この件も証言に加えてもらえますか?」

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