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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第13章 M&M冒険者の街前店オープン!
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第2話 M&Mついにオープン!

やっと、冒険者の街でM&Mがオープンしました。

さて、どうなる事やら……。

 今日は朝から皆でM&Mの前に集まっている。

 俺、シーナ、マユさん、セリカ、レナさん、ミルファさん、ティナそれにリーフさんだ。

 残念ながら、ちびっ娘4人は砦の樹の家でお留守番だ。まだまだ狐っ娘姉妹が外に出てくるほど良くなっていないのだ。

 ただ、樹の家の中でなら、リーフさんと一緒では無くても、怖がって震えるというような事がなくなったと言う事だったので、少しは前進しているようだ。

 まあ、心の傷は回復は急いでもろくな事にならないので、ゆっくりと着実にだ。


 さて、何故俺たちが皆でM&Mの前に集まっているかと――。

 何て考えていたのを遮る様に、


「おう、じょうちゃん達、今日は皆で揃ってどうしたんだ?」


 親方が門の所からやってきた……と言ってもやってきたと言うほど距離は無いのだが……。

 親方以外にも、ロイ少年や作業を始めようと門の所に集まってきていたおっちゃんたちも、つられてやってくる。


「あ~親方~おっはよ~~」


 何てティナが、なれなれしく挨拶をする。

 そういえば、最初ティナが「親方ちゃん」とか呼ぼうとしてさすがに親方が断固止めていたのを思い出す。

 うん、何気に着々と変な人脈が出来てるような……。


「おう、おはよーだ」


 それに遅れて「おはようございます」「おはよう~」と皆口々に挨拶をする。



「で? じょうちゃん達はどうしたんだ?」

 

 挨拶のあと、おっちゃん達にティナが餌付け交じりでおもちゃにされた後、親方が改めて聞いてきた。


「M&Mがオープンなんだよ! 回転なんだよ!」


 ティナが楽しそうに答えているが……開店だからな? ”回転”と言う言葉を口にしながらクルクル回ってるのは気のせいだよな?


「おう、やっと開店か? 店の方はできたのか?」

「うん、ずっ――(うぎゃ)」


 俺は慌ててティナの頭をどついて止めさせる。

 う~ん、今度ハリセンでも作ろうか? 何気にスタン辺りの効果を付与すれば対ティナ用に便利かもしれない。

 あ、リーフさんも動こうとしてたみたいだし、出来たらリーフさんにも1個おすそ分けしよう。


『クロ:余計な事をべらべらしゃべるな』

「うう~~いたいよ~~」


 ティナは、俺が叩いた場所をさすりながら少し涙目になっている。


「今日から、M&M開店なんです! よかったらお店を見に来てくださいね。直ぐ近くですし」


 マユさんが、笑顔で商売を始めている。あれは、営業スマイルじゃなくて、お店が始められてうれしくて心から笑っているな。


「そうか、休憩時間にでもよらせてもらうぜ」

「おれもいくぜ~~面白そうだし」

「僕もよらせてもらいます」

「今から行くか?」

「おお、いいな」

「いってみるか?」

「おめえら、今から仕事だろ!」


 集まってきたおっちゃん達が、仕事をほっぽり出してM&Mに来ようとして親方にカミナリを落とされている。

 まあ、親方は仕事には厳しいからな~。


「で? その土の壁はそのままなのか?」

「今から外すんだよ~~」

「お、それは面白そうだな、少し見せてもらうか?」


 仕事には厳しいのだが……仕事の足しになりそうな事には首を突っ込んでくる。

 う~ん、依頼された作業ではなく、仕事に厳しいんだな。


「ティナ、そっちで油売ってないでそろそろ始めるわよ!」


 シーナの呼ぶ声に答えてティナが慌てて作業に戻る。



「いっくよ~~~リーちゃん」


 ティナが拳を突き上げ声を上げる。その動作に意味はあるのか?

 実体化したノーム君達も一緒に上げてるけど……。


「ティナ、ちゃんと作業に集中するのよ!」 


 リーフさんはティナの方を少し不安げに見ながら土の壁に、張り巡らせた植物の根に、お願いを始める。

 あ、そういえば、彼女朝から目深に帽子をかぶっているな、エルフの耳を隠すためなのか?

 うん、ティナと違って色々考えてそうだ。


「オ~~~プン!だよ~~~」


 ティナの上げる声にしたがって、土壁が徐々に地面に消えていく。

 除幕式ならぬ、除壁式か?

 少しずつ姿を現すM&Mの姿にみんなで拍手をする。

 ウチのメンバーは、だが……。


「な!?」

「あれを1週間やそこらで!?」

「2週間はたってないだろう!?」

「おいおいおい、まじかよ!」

「…………」


 周りのおっちゃん達が口々に驚きの声を上げる。

 そして、親方怖いよ……厳しい顔つきで何もしゃべらないとか……。


 まあ、その後、シーナが色々フォローに回って居た。


「あれは、マジックアイテムで…………」


 親方達の事はシーナに任せて置けば大丈夫だろう。

 他のメンバーは、M&Mの仕事だ!

 ちなみに、リーフさんは仕事が終わったので、砦のちびっ娘の所に戻る。 


「今日からオープンだよ~~M&Mだよ~~色々売ってるよ~~~」


 ティナが分担どおりに屋根の上に登って客寄せの掛け声を上げている。

 うん、邪魔にならない所に追い出したわけじゃないよ……多分……。




 そんな感じで、始まったM&M冒険者の街前店は……。


「あの土壁は何だと思ったら、店を建ててたのか?」

「お、結構色々うってるな、襲撃があってからこっち、品不足で困ってたんだよ」

「消耗品が補充できるのはうれしいぜ。節約に次ぐ節約で結構危ない橋を渡ってたからな」

「うぉ。こんなに早く店が立ったのか!?」


 なんて言いながら、狩に向かおうとする冒険者達が覗きに来る。

 うん、初日にしてはいい客足だと思う。

 マユさんなんか、ニコニコが止まらない。浮かれすぎて計算とか間違えないといいけど……。


「このポーションいくらだ?」

「500Gになります」

「今の相場から考えると結構やすいな。20個ほどもらえるか?」

「10,000Gになります」


 うん、冒険者ギルドに売ったよりは高めの値段設定だけど、飛ぶように売れていくな。

 確か、最初マユさんの店に来たときは、50Gで売ってたような気がするが……まあ品切れだししょうがないのか?


「鉄の剣か……そろそろ俺の剣も寿命が近そうだし、一本買っておくか……これいくらだ?」

「1,000Gになります」

「おう、結構安いなお願いするぜ」


 鉄製の装備品はシーナに確認した所1,000~2,000Gの間ぐらいが相場だそうだ。

 まあ、どうせ捨てるのがもったいないぐらいで出してるんだしな相場より少し安めでいいだろう。

 ちなみに、鉄のナイフ800G、鉄の大剣1,350G、鉄の槍1,200G、鉄の盾900G、鉄の兜1,000G、鉄の鎧1,500G、フルプレートで1,800G……てな感じの値段にした。



「毒消し10個頼む」

「ありがとうございます。お釣り――Gです」


 マユさんは、流石に慣れているか、そつなく接客をこなす。


「薬草5個とこれ頼む!」

「やくそう、いくらだったかしら?」

「レナ、ゴニョゴニョゴニョ」

「あ、――Gです」


 レナさんとミルファさんはコンビで、ミルファさんがレナさんのフォローをしている感じだ。

 レナさんもティナと一緒に客の呼び込み枠にした方が今日の接客に関しては良かったかもしれない。

 まあ、今後の事を考えると、慣れておくに越した事はないか……。


「鉄の斧を……」

「それは、――Gよ! まいど~」


 シーナは、いつも通りの態度で接客。

 接客態度としてどうなのかと思わなくもないが、相手が不快に思ってる様子もないしいいのかもしれない。

 まあ、相手が冒険者メインだからな。


「ポーション100個……頼んでもいいのか?」

「大丈夫です、在庫はあります!」

「お願いするぜ」

「では――――」


 俺は、普通に出来ていると思う……大丈夫だよな?


「ちょうどいい、一式買い換えるか。鉄の剣に盾、兜、鎧、靴。試着しても良いか?」

「それは……シーナ案内頼める?」

「わかったわ、こっちよ」


 俺が装備品を売る事を急遽決めた為、店の一角には急造の試着室がある。

 適当な板で覆って、鏡を置いただけなんだが……。

 今後、装備品も売るならチャントした物も作っておいた方がいいかもな。


「修理とか頼めるのか?」

「すみません、今はそういうのは受け付けていないんです」


 ああ、修理か~。

 できなくはないけど……。

 預かるとか、保管とか色々面倒そうなんだよな。

 後で要相談か……。

 その場で修理なら、俺のいる時だけは、やってもいい気はするが……。


 

 初日から結構な盛況ぶりだった。

 最初は、お店はマユさんだけでも十分かと思っていたのだが……。

 俺やシーナ、レナさんとミルファさんも結構忙しかった。

 まさかあそこまでお客が来るとは……。

 マユさんと出会った頃のM&Mの様子を知ってるだけに結構びっくりした。

 立地のよさって結構バカにならない影響があるんんだな……。


 あと、約束どおり、親方やおっちゃん達、ロイ少年などの門番の皆さんも来てくれた。

 昼休みあたりには、親方や門で作業してるおっちゃん達が、いくつか、鉱石系や鉄のハンマーなどの作業で使いそうなものを、夕方、交代したロイ少年やその同僚が、鉄の剣を買ってくれた。

 


 ちなみに、ティナだが……。

 お昼の休憩の時以外ずっと屋根の上で呼び込みをしていた。

 店が終わってティナが降りてくると、なぜかその腕の中には、ちょっとしたお菓子や、安物の鉱石、何かの鱗など……色々な物が山積みだった。

 俺が、「それどうしたんだ?」と聞くと、みんなが「がんばってるね~」とか「えらいね~」とか言ってくれたんだそうだ。

 仕事をがんばる子供にお駄賃をくれている感覚なのかもしれないな……。

 まあ、一応全部『アイテム鑑定(M)』で調べてみて問題になりそうな物もなかったのでそのまま好きにさせた。

 ティナは、「宝物が増えた~~」と上機嫌そうだし、まあいいか……。



 夜、売り上げを集計していたマユさんが、


「おおおおお~~凄いです~~~すごい売りあげです~~~」


 なんて踊っていたのは……見なかった事にしてあげよう。



 こうして、初日の出足としては大成功に終わる。





 

 そして、次の日も、朝から順調に客足が伸びていたのだが……。


「鉄の武器に、鉄の防具、あるだけ全部買う!」


 今思うと、そんな客が現れたあたりから、何か様子が変わってきていた……。

次の話は、順調な滑り出しを見せたかと、思われたM&M冒険者の街前店だが……。

そんなお店に、魔の手が忍び寄ってきていたのだった。




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