第5話 出発進行~
やっと出発します。
今度は馬車での旅です。
肝心の馬車は……。
そういえば、小説情報を見ていた時にふと、レビュー0件って少しさびしく思いました。
なので、レビュー書いてくれる方募集します。
よろしくお願いします。
シーナの情報収集を元に色々と話し合った次の日、朝食後にリーフさんがやってきた。
「クロさんちょっといい?」
「あ、リーフさんどうしたんだ?」
俺は立ち話もなんだと言う事で、砦の方で寝泊りに使ってる部屋に案内する。
「昨日話してたけど、出来るだけ早く移動始めたいみたいだったでしょ? だからM&Mの方からあの子達をこっちに連れてこようと思ってるの」
そうしてもらえると、M&Mをアイテム化して移動できるから嬉しいけど……。
「狐っ娘姉妹は、もう大丈夫なのか?」
「ポチちゃん、タマちゃんの二人や私なら、特に問題なくなったけど……マユさんとかと出会うと、まだ私にしがみついて震えるの」
まだダメか……まあそう簡単に心の傷が治る事はないよな……。
「それだと、こっちに来て一緒に暮らすのはきついんじゃないか?」
「だから、こっちに来ても落ち着くまでは別の家で暮らそうかと」
まあ、こっち来るならそっちの方がいいか……。
「それはかまわないけど、別の家ってどの建物使うんだ? リーフさん達が捕まってた所はティナが壊したから……今残ってるのは一般兵士とか雑用とかの寝泊りするような場所しかないぞ」
「あ、それは大丈夫。樹の家を作ろうと思うから」
木の家か~木材ならそれなりに大量にあるけど、リーフさんなら普通に森の木々から分けてもらってきそうだしな。
「で、場所をどこかもらえないかと思って……」
「そういうことか。特に建物壊したり、移動や防衛に不便にならない限り砦内ならどこでもいいぞ」
「ありがとう~」
「あ、それと家作り手伝った方がいいか?」
「大丈夫。あの子達と一緒にやるから。それに、下手に他の人が居るとね……」
ああ、逆に怖がるか。
「了解。狐っ娘姉妹のギルド加入は何時する?」
「今からM&Mに戻ったらすぐに勧誘の手続きするから、承認お願いね」
「解った。あと、しばらく砦の帰還魔法陣には誰も近づかないように言っておくよ」
「お願い~あの子達姉妹は他の人を怖がってるから」
と言う事で、狐っ娘達がギルドに加入し、砦へ移動してきた。
そのまま、リーフさんを含めた5人で木の家作りを始めると思ったら……。
一本の大きな木を呼び出して(?)その中の空洞を家にするらしかった。
木製の家ではなくて、樹木で出来た家だったのである。
森の住民であるリーフさん達にとっては最高の家らしい。
あとで、ティナに「ああいう家に住みたいとは思わないのか?」と聞いたら、「あっちは飽きたよ、こっちの方が面白い!」なんて返事が返ってきた。
それはともかく、それなりに目立つ大きさになってしまったので、コレも昨日作ったマジックアイテムで隠蔽を施す……外から見えなくなる程度だけど。
こうして、M&Mがアイテム化可能になったので、アイテムにして砦の隣に持ってくる。
もってきた理由は、GPで馬車を作りたいのだけど、砦(支配拠点)の方はタスクが詰まっていたからだ。
M&Mの方で、馬車を作って所属を支配拠点の方に切り替えるようにしたのだ。
そのまま、M&Mの方の所属にすると、M&Mをアイテム化した時一緒にアイテムになってしまって乗れないからだ。
あと、馬などの保管するギルド施設を新規に作るよりは、元からあった砦の厩舎を利用するってのもある。
砦(支配拠点)に厩舎の建物を登録すると、厩舎(ランク1)で最低ランクだったけど……。
ちなみに、馬型ゴーレムはすでに砦(支配拠点)の方の所属にしてある。
このM&Mをアイテム化した時にも、GPで買った乗り物に乗れるようになるってのは、支配拠点を破棄したくない理由だったりした。
もう一つ、砦(支配拠点)を待機場所にして、旅先にM&Mを展開すれば人員の移動が容易であるってのもだ。
簡単に言うと、砦(支配拠点)を手に入れたことによって旅の利便性が圧倒的にあがったのだ。
あと、防衛強化が進めば、シェルターにも使えるしな。
そんなこんなで、3日後旅の準備が整ったので、出発する事になる。
メンバーは、ティナ、セリカ、シーナ、俺だ。
セリカはともかくとして、ティナを連れて行くとトラブルに巻き込まれそうだと思うかもしれないが、留守番よりも旅先で珍しい物に目を輝かさせておいた方が被害は少なそうだったからだ。
肝心の馬車はといえば……。
・普通の馬
設置コスト:5,000GP (05:00 50MP)
消費MP:0 ※別途エサを与えるなどの世話が必要
必要容量:0
普通の馬、可もなく不可もなく……。
HP: 50
攻撃: 3
防御: 5
魔法防御: 3
引く力: 10 ※荷物込みの総重量がこれ以上だと移動に大幅なペナルティ。
速度: 15 最悪動かない。
・箱馬車(お忍び・耐物耐魔強化 仕様)
設置コスト:50,000GP (20:00 250MP)
消費MP:5(/月) ※防御機能を使うとその分内臓MPを消費する。
必要容量:1
見た目は普通の箱馬車、しかしその実態は……。
耐物耐魔の重装甲を備えた鉄壁の移動要塞。
ただし、火力はありません。
乗り心地に関しても無駄に廃スペックで箱の中は振動を感じる事は殆どありません。
HP: 1500
MP: 500 ※攻撃を受けるとMPを消費して防御する。
攻撃: 0 MP0の時は大幅に防御能力が落ちます。
防御: 500
魔法防御: 500
重量: 5
速度: 0 ※馬に引かれないと移動は出来ない。
こんな感じだ。
実際に購入後に見てみたが、外見上は普通の馬車でしかない。
シーナにもOKをもらった。
その時の彼女は色々と突っ込むのを諦めた表情をしてた気がするが……気にしたら負けだな。
「じゃあ、出発だ~~~~」
ティナが御者台に座って馬の手綱を取ろうとしたので、シーナにやってもらう事にする。
本当は職業的には【聖”騎士”】のセリカにやってもらうのが一番無難な気もするんだが、強そうなモンスターが出たら問答無用でそっちに突っ込みそうなきがしたんだよな。
あと、俺が手綱を取るのは問題外だった。
一応、騎乗系のスキルはあるんだが、練習無しじゃありゃ無理だ!
「ええええええ~~~私が動かしたい!」
シーナに手綱を取られたティナが文句を言っていたが、
「そんなにわがまま言ってると、リーフさんに説教してもらうぞ」
「ぅぐ。わかったよ……リーちゃん怒ると怖いから我慢するよ」
ちょっと脅すと諦める。リーフさんの名前を使うと効果は抜群だよな。
まあ、ティナがそこまで強烈に興味を引かれたって訳じゃなかったのもあるだろうけど……。
本当に興味を引かれたときは、後先考える事すらしないからな……こいつは……。
「そうだ、ティナこれ旅の間はつけておけ」
先日作ったネタ系の装備アイテムを渡す。
一緒に鏡も渡して効果を見せる。
「わ~~面白い! 別の人になったよ~」
装備すると見た目が変わる装備品だ。
ネタが示すとおり見た目だけ変わるので、手などの大きさが見た目と実際が違ったりして色々と混乱をきたす半ば不良品だ。
まあ、不良品だからこそ罰ゲームなんかのネタとして、全く体形の違う見た目になって、何か作業をさせて混乱した状況を笑うなんて使われ方もしたのだが。
ガゴン!
「痛~~~い」
早速、目測を誤ったな。
ティナが御者台から箱馬車の中に移動しようとして、足を踏み外したみたいだ。
まあ、色々と問題のあるネタ装備ではあるが、見た目からはエルフだとは見えなくなるのは確かだ。
そのままの見た目で旅をさせたりするとまた面倒を拾って来そうだしなティナの場合は……。
セリカは御者台のシーナの隣に座る。
馬の手綱は取らなくても、モンスターをいち早く見つけて殲滅する気なんだろう。
まあ、それ自体は問題が無いので好きにさせる。
「じゃあ、マユさん、レナさん、ミルファさんあとを頼む。リーフさんにも伝えておいて」
「解りました」
「気をつけてください」
「いってらっしゃ~い」
砦の門の前まで見送りに着ていた3人に、後の事を任せて出発する。
「じゃあ! 出発進行~~~~~」
ティナが箱馬車の窓から体を乗り出す。
その言葉と同時に、多分妖精さん達(森の植物達かもしれない)が働いてるんだろう砦の門の前に道が出来ていく。
なんか昔のアニメで見た事があるきがする……秘密基地からの出撃のシーンで森が割れて道になるってのは……。
今回の旅はトラブルとかなく無事に目的地に着けるといいな。
そんな想いが通じたのか、セリカが喜ぶモンスターの襲撃があるくらいで、平穏無事に目的地に着くことになるのだが……。
次の話は、途中手ごろな森を見つけて、M&Mに防衛結界発生装置を設置します。
そして、たどり着いた冒険者の街は……。
乞うご期待。
※樹の家
ハウスツリーや家の樹とか呼ばれる特殊な樹木をつかった家。
内部に空洞があり、そこに居住する事ができる。
それで、樹木の方にメリットがあるのかと言うと、樹の家を立てる場所は樹木にとっていい環境に立てる事になる(樹木が健康に育たないと家としてつかえないから)という事と、エルフが中にすむことで力を分けてもらったり、外敵から守ってもらえるなんてメリットがある。
何気に共生関係が成り立っていたりする。




