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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第11章 やっと冒険者の街に到着!
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第1話 働き者のリーフさん

アルファポリス様のランキング登録をしました。

よろしくお願いします。

と言ってもランキングバナーが表示されると自動でカウントらしいので『小説家になろう 勝手にランキング』のようにクリックの必要はなさそうですが……。

 帰還魔法陣(支配拠点)の建築開始してから、翌日は一日中防衛設備の事を色々考えながらすごした。

 そして、今日の朝そろそろ完成してるだろうと拠点コアを調べてみると、ちゃんと完成していた……昨日の夜に……。

 どうやら城壁の修復が終わって、施設整備用ゴーレムが作業に加勢したみたいだ。

 う~ん、こんな事なら昨日の夜見ておけばよかったな。


 そんな事を考えながら、拠点コアの部屋から出ると丁度そこで眠そうなシーナと出会った。


「おはよ~」

「ふぁぁぁぁ~おはよ~」


 大あくびしながら彼女が挨拶を返す。


「なんか凄く眠そうだけど、まさか徹夜で探索とかしてたんじゃないだろうな?」


 お宝探索のためとはいえ、急ぐ必要が無い今、そんな馬鹿な事をやってるようならちょっと注意が必要と思ったのだが……。


「そんなわけ無いでしょ。無意味に徹夜で探索なんてしないわよ。それに探索は昨日の夕方ぐらいまでには終わってたしね」

「それじゃあ、なんでそんなに眠そうなんだ?」

「手に入れたお宝を細かく調べてたのよ。そしたら……いつの間にか朝だったのよ」


 この砦の探索を一人でほぼ終わらせたのか、それも一日ちょっとで……。

 流石シーナと言うか……利益に直結してると仕事が早いというか……まあ、いいや。


「トラップとかは何か残ってたか?」

「多少はね……」


 多少はあるのか、これはシーナにもうひと働きしてもらってトラップの完全把握のために動いてもらわないとな。

 GPを使って作成してないと、登録しない限り拠点コアでは、把握とか制御が出来ないのが面倒ではあるんだよな。

 だがまあ、シーナには他にも一つ頼みたいことがあるし、暫くは余計な所をかまわないように言っておくか。

 特にちびっ子達。その中でも特にティナに!


「今度暇ができたら徹底的にトラップの確認をしてもらうとして、その前に一つやってほしいことがある」

「え? 今は忙しいからダメよ! お宝を売りに行ったりしないといけないから」


 まあ、シーナの事だからお宝の入手先が勘ぐられるようなヘマはしないだろうし、その辺は心配は無用だろうな。

 それよりも、売りにという事は街とかに行きたいって事だろうな、丁度いい。


「街とかに行く気なのか?」

「そうよ? ダメとか言うんじゃないでしょうね?」

「いや、丁度良かった。近くの街なんかでちょっと情報収集を頼もうと思ってたんだ」

「情報収集ってなにを……もしかして、ここの奴らが逃げ出した理由?」


 うん、なかなか察しが良いな。

 逃げ出さないといけないほどの危機が迫っているなら把握しておきたいんだよな。

 ただまあ、家のメンバーなら力ずくで対処出来そうな気もしないでもないんだけど……。


「そ、急いで逃げ出す出来事ってのをちゃんと確かめておきたいんだよ」

「わかったわ。私も気になるからね。ついでに調べておくわ」

「行きは徒歩になるだろうけど、帰りは帰還の指輪を使えるから」

「あ、完成したんだ」

 

 シーナがうれしそうにする。

 多分、これで楽ができるぞとか思ってるんだろうな。


「うん、だから今からM&Mに集合して話をした後に、なると思うけど……街に行くのは」

「その後昼まで寝かせて……流石に眠いわ」


 あくびが止まらないという事はないが、目をこすりながら眠気を我慢してるな。


「ま、寝不足で無茶するような事でもないか……じゃあ昼過ぎごろに出発で頼む」

「了解」


 

 さて、M&Mに行くとして、他のみんなは何処に居るんだ?


「シーナ、他のみんなは何処にいるか知らないか?」

「多分部屋じゃない? あ、でもティナは昨日の夜から見てないわね……」


「………………」

 

 リーフさんが居るからきっと大丈夫だろう。

 と言う事で、それぞれの部屋を回る、と言ってもリーフさん達3人が寝てる部屋とティナが使ってる執務室だけなのだが……。



 獣人のちびっ子2人はベッドでスヤスヤ寝ていたので、しばらく起さない事にした。

 リーフさんが居なかったので今起すと面倒かと思ったのだ。

 そして、肝心のティナは……部屋に居なかった。

 まあ、まずはリーフさんを探さないとな。

 こういうときは『索敵(M)』なんかのスキルでメンバーの位置確認すれば早いんだろうけど……。

 日常的に使うのはプライバシーとかでなんかあれなので、緊急時以外は足で探すようにしている。

 ギルドチャットとかPTチャットとかのチャット機能がちゃんと起動するようになれば、そういう事が無くて結構楽なんだけどな。


 今のところ、俺以外のメンバーだと、シーナがPTチャットで返信が限定的(距離などの制限がある)に使えるが、他は受信しか出来ないのだ。

 シーナがPTチャットは訓練で使えるようになったとは言っていたが……そのシーナでもギルドチャットは使えない。

 訓練しようにも方法すら分からないんだよな。

 その手の操作は、全て【ビギナー】のマスタースキルでやってる気もするからな、転職の方法が無い原状だとマスターさせることも出来ないんだよな。



 う~ん、さて何処を探すかと砦の中央の建物を出たところで、一人見つかった。


「みんな薄情だよ! 助けてよ!」


「え!? リーちゃんが怖いって!? た、確かに……」


「うう~~~リーちゃん許してよ~~~」


 何か独り言のようにも聞こえるが、多分妖精達と話してるのだろう。

 それはともかくとして……。


「こんなところに、こんな木生えてたっけ?」


 シーナが入り口近くに生えている木を見上げる。結構の高さがある。

 太い枝にティナを2mぐらいの位置でつるせるんだから、木の高さは10m前後か?

 昨日の昼ごろ見た時はなかったはずだ。

 まあ、やった相手は想像がつくが……。


「ティナそこでなにしてるんだ?」

「あ、クロちゃんにシーナちゃん! 助けてよ~~」


 ティナを助けるかどうかは話を聞いた後だな。


「で? なにをやった?」

「………………」


 ティナが目をそらす。


「そうか、それじゃあ暫くそのままでいるといい」

「あ~~まって、まって~~~言うから~~」


 ティナが慌てて答える。


「動かしてみたかったんだよ!」


 ティナがお仕置きされている理由はどうやら、昨日馬型ゴーレムで遊びに行ったからと言う事らしい。

 ちびっ子2人も連れて行ったが、主犯と言う事でお仕置きされてるらしい。

 うん、俺も勝手にかまうなと言っておいたはずだよな。

 ティナのお仕置きは暫く続行にする。



「じゃあ、ティナ。リーフさんが許すまで反省な!」

「クロちゃんも酷いよ~~~~」


 シーナは俺たちのやり取りにバカらしくなったのか、「集まったら起こして」と途中で部屋へ寝に行ってしまった。



 その後、城壁の内側を一周してる途中で見張りをしていたリーフさんを見つけた。

 本当、働き者で頼りになるよな、どこかのトラブルメイカーとは大違いだ。









 砦の前に全員集合……一人木につるされたままだが……したので先ずは俺がM&Mの方に飛んでみる事にした。

 テストというのもあるが、昨日のうちにマユさんに頼んでおいた帰還の指輪を取りに行く意味もある。


 帰還の指輪をいつものように使ってみると、いつもとは違うメッセージが出た。



『==========================================


 帰還場所を選択してください。


 ・ギルド拠点

 ・第13砦


 ===========================================』


 おお、ちゃんと選択できるようになっている。

 まずは試しに、この場所(第13砦)に飛んでみる。


 この拠点に設置した帰還魔法陣の場所に即座に転送された。

 うん、問題ないようだな。


 今度はギルド拠点の方に飛ぶ。

 とんだ先で待っていたマユさんから帰還の指輪を3つ受け取るとすぐに、第13砦の方に帰還する。

 

 

 まずは、リーフさん達3人に、ギルドへ加入してもらう事にする。

 帰還の指輪はギルドメンバーしか使えないしな。

 加入要請を3人に送る。


「了解です」

「ワン!」

「ニャン!」


 3人が同盟に無事入った所で、役職の設定をする。

 ギルドマスターとサブマスターについては色々特殊なので別として、他の役職については好きに設定できるのだ。

 まあ、個別に権限設定するのが面倒だから役職としてまとめると言う意味合いが強い。

 他の用途は、役職名をネタの一部にする事はあるくらいか。

 リーフさんを一般メンバー(無印)に、ちびっ子2人を『見習い』に設定する。

 ついでにティナも『特別メンバー』に設定。

 『見習い』と『特別メンバー』は、設定できる権限すべてを使えなくした役職だ。


「リーフさん、ポチちゃん、タマちゃん。これはめてくれ」


 帰還の指輪を3人に渡してはめてもらおうとしたのだが、犬の方にポチ、猫の方にタマと呼んでしまってへそを曲げられてしまった。

 うん、前々から突っ込もうと思って、色々忙しかったので流れていたのだが……。

 めちゃくちゃ紛らわしいだろ!

 逆にしてくれ!

 もちろんちびっ子2人には断固として拒否されてしまった。

 う~ん、一度名づけられた名前を紛らわしいから変えてくれってのはやっぱり無理があるか……まあそりゃそうか……。

 これは何か混乱しないあだ名とか何か考えよう。そっちで呼べば問題ないよな。

 その後二人には誠心誠意あやまった。

 結局、美味しいご飯で手を打つ事に……。



 全員が帰還の指輪を身に着けたところで、一応使い方の説明をして、みんなでM&Mに飛ぶ。

 一応、ティナの妖精達と、リーフさんの森の仲間達に、砦の周囲の警戒は続けてもらう。

 皆が居なくても、最悪拠点に何かあればシステムメッセージが送られてくるし全員で空けても問題ないだろう。

 リーフさんはともかくとして、他の面々は一人残すのが微妙に不安だったのもある。

 ついでに、ティナもお仕置きは一旦終了と言う事で開放されて、一緒に移動した。




 M&Mに着いた俺たちは、まず最初にマユさんがリーフさんを狐っ娘姉妹の所まで連れて行った。

 マユさん達M&Mに残っていた全員に怯えて……というよりは人間ヒューマンかもしれないが……全く意思の疎通が出来ていなかったらしい。

 昨日の時点で連絡した時にリーフさんが狐っ娘達と知り合いかもしれないと伝えていたからな。

 まずは彼女たちの事を、という事になったのだ。



 コンコンコン


「入ります」


 マユさんが狐っ娘姉妹の部屋にノックをして暫くしてから扉を開けて入っていく。

 ノックの音と共に、ガタガタガタと慌てて動く音が聞こえてきたので衰弱とかはしてないっぽいな。


 開いた扉を覗くと、狐っ娘達がこっちの方を見てガタガタと震えていた。

 うん、想像以上に怯えられてるな。


 しかし、リーフさんが、「狐ちゃん達~元気だった?」と声をかけながら入っていくと態度が一変する。

 一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐにリーフさんの元に駆け寄ってしがみついたのだ。


「どうやら何とかなりそうだな」

「よかったです。ただここまで態度が違うと少し傷つきます」


 マユさんは、喜びながらも少し複雑な感じだった。

 まあ、ガタガタと震えて怯えられていたのが、リーフさん相手だとしがみついて泣いてるからな……。


「狐さんがいるの~?」


 そんなところにティナが入ってくる。


「!?」

「?!」


 狐っ娘達はとたんに恐怖に引きつった表情になり、リーフさんにより一層強くしがみつき、ガタガタガタとさっき以上に震えだす。

 あ、そういえばティナと会った時、ぶち切れた彼女に殺されかけたよな……。


「ティナ、ちょっと後で話がありますが……まずはすぐに出て行きなさい!」

「わ、わかったよ!」


 リーフさんの剣幕にすぐにティナが部屋を飛び出していく。

 うん、リーフさんに2人を任せて俺たちも出て行ったほうがいいな。


「リーフさん後は任せますよろしくお願いします」

「うん、任せて。その代わりティナのことよろしく」


 彼女は狐っ娘達を抱きしめて頭を優しくなでながら返事を返してくる。

 じゃあ、俺たちは他の部屋で……。


「ワン!」

「ニャ!」


 何故かポチちゃん、タマちゃん……逆か……タマちゃん、ポチちゃんがリーフさんの方に走りよってしがみつく。


「…………」

「…………」

「わん!」

「にゃ~」


 何故か狐っ娘達とちびっ子2人の間で火花が散っているような……。

 う~ん。

 まあ……。


「リーフさん、任せる」

「うん……任せて……」



 まあ、怯えて意思疎通が怪しい状態よりも、ちびっ子同士で喧嘩してる方がよっぽど健全だよな。

 リーフさんも居るし任せてしまっていいだろう。


 リーフさん達にギルドについての細かい説明とかする予定だったのだが、狐っ娘達にもしないとだめだし今度まとめてする事にしよう。


 

 さて、残りの俺たちは今後の相談や拠点の防衛方法について話し合おう。

 昨日一日で色々考えたからな、みんなの意見を聞こう。

次の話は今後の予定の相談と防衛設備の設置計画です!

この世界の国では落とせないような拠点に……。

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