第3話 エルフの少女
少し遅れましたが、更新です。
大分風邪はよくなってきたと思います。
ティナの友達の話です。
クロ以上に苦労人(?)です。
※少し修正
修正前:その日の夕方ごろ
修正後:その日の夕方ごろ……には少し早いかな?……
私の名前はリーフ。
命名の儀式の時、私のおでこにちょこんと葉っぱが落ちてきたから、どこかの言葉で”葉っぱ”を意味するリーフと名づけられたんだ。
葉っぱと言う名前にならなかっただけましなの? それともそんないい加減な決め方に怒るべきなの?
その時の儀式に参加してる皆に聞いてみたら、何かの啓示か神託かそういうものに思えたとか……。
まあ、リーフって名前は嫌いじゃないからいいけどね~。
そんな風に名づけられた名前なんだけど、葉っぱの効果なのかどうなのか、森の動植物、特に植物に好かれやすくなったみたい。
村のみんなの話では、ティナに対する妖精と同じぐらい好かれているんだって。
私も植物は大好きだからいいんだけど、同年代でティナを抑えられるのが私くらいという理由で彼女の面倒見るように言われるのはどうなんだろう?
ティナは悪い子じゃない。
悪意を持って何かをするようなことも無い。
悪意が無いから問題が無いかといえば全く別問題なんだけどね。
本当にあの子元気で……ま、元気ないあの子を想像できないんだけど……やってるかしら。
問題なく……問題起してないあの子を想像できないんだけど……やってるのかしら。
な~んて、現実逃避してる場合じゃないよね。
私は今現在、豪華な部屋の中に同居人(人?)4人(匹?)と、5人(?)で暮らしてます。
と言えば、聞こえはいいんだけど。
力を封印され、出入り口に鍵をかけられ部屋から出られないようにされているって言えばわかるかな?
うん、今現在私達は閉じ込められているのです!
同居人は……。
まずは、犬さんと猫さんの獣人の二人。
犬耳と猫耳が可愛い二人のちびっ子だよ!
名前を聞いてみたら、名前が無いって言うんだよ。だから私がつけてあげたんだ~。
人間の世界で常識になってる犬と猫の名前。
タマとポチ。
二人(匹)ともとても喜んでくれたよ~。
次は巫女さん。
確か、教会の神父とかと、同じような種族だったよね?
白と赤の服を着て、ずっと無口に座ってる。
名前は、ミコって言うんだって。
巫女のミコさん。なんかへんだよね。
最後は、マホウショウジョ?
なんかそんな種族の女の子。
杖が無いと変身できないとか。変わった種族だよね。
名前はサラちゃん、お皿みたいで可愛いよね~。
この部屋に4人で住む(閉じ込められる)事になったのは、あれは2週間ぐらい前のことかな?
2週間ちょっと前のある日。
私はいつものように森の巡回をしていた。
変なモンスターが住み着くようになってないかとか、外敵が入り込んでこないかとかそういうための見回りじゃない。
まあ、その辺も一応見て回るんだけどね。
メインの目的は、ティナが何かやらかしてないかを見回るのだ。
あの子は、宝物だ~とか言ってどこかに埋めたり隠したり、妖精に何か頼んでたりして、そのことをすっかり忘れてる事があるのだ。
というか、他に面白い事を見つけるとやりかけで放り出すのだ。
そういう訳で、綺麗な石を隠したとかいって、モンスターの種を埋めて大変な事になったり。土の妖精のノームなんかに作業頼んだまま、とんでもない穴が出来ていたり。
ティナに聞いても忘れているんだからそういう話が出てくることは無い。
必然的に定期的に見回るって事になった。というか、押し付けられた!
そういえば、フォレンストさんの所の試練を受けて森を飛び出した時も、1週間後ぐらいに追いかけてきた村のエルフに泣き付かれたりしたしな。
「私ではティナの面倒を見るのは無理です! どうか戻ってきてください」
とか……。
う~ん、私がそれなりにこなしちゃってるから逆に押し付けられるのかもしれない。
ティナは私にとって妹のような感じだしね。ほっとけないんだよね。
たとえ、ハイエルフで私より年上だったとしても……妹分なんだよ!
あ、話がそれていってたね。
そんな訳で、森の巡回をしてたのさ!
すると!
全く妖精が寄り付かない一角を見つけたの。
ティナが良くやるんだよね。
「大事な事をするからちょっと入ってこないでね」と妖精に命令したまま解除するのを忘れたり。
結果、妖精の入れない一角が出来上がると……。
前なんか、妖精を入らないようにした一角に宝物とか言ってモンスターの卵を埋めて、監視&天敵の妖精から逃れて大繁殖とかあったしね。
ああいう一角を見つけたら、中を調査した後にティナを呼んで来て解除させるのが一番多い仕事だったりするんだよね。
その日もティナの仕業だろうとその中に入っていったのがまずかった。
なにやら魔法の罠で強制転移させられたのだ。
何時もティナに「もうちょっと考えてから行動しなさい」って言ってるけど、彼女に言えないね。
強制転移させられた先では、奴隷の呪いをかけられた狐の姉妹がいたんだ。
彼女達が私に奴隷の首輪をつけてきたけど、彼女達に文句は言えなかったよ。
二人とも、必死に抵抗しようとして、互いの呪いが発動してたしね。
悪いのはあいつよ! 奴隷商のあいつ!
もし呪いが解けたら、真っ先に殺してやるんだから! まあ、望み薄だけどね……。
その後しばらくは狐ちゃん達と一緒に閉じ込められてたんだけど、ある日やってきた黒い服のシツジっていう男に馬車に乗せられて、あれやこれやで、ここの部屋まで連れてこられたんだよね。
で、そのまま閉じ込められると……。狐ちゃん達、元気にしてるかな?
ただ、今朝? ちがう、お昼前ごろかな? なんか様子がおかしかった。
何時もご飯を持ってくる男の人が、飲み水用の水が出るマジックアイテムと保存用の食料を急いでこの部屋に運び込んでいた。
う~ん、今夜から自分達で勝手にご飯を食べろってことかしら?
何かに追われる用に急いでいたから何か事件が起きたのかもしれないわね。
もしそうなら、逃げ出すチャンスはあるかもしれない。
私は奴隷の呪いがかけられた首輪で逃げ出すのはダメだろうけど……。
運動能力が落とされたポチ、タマ、魔法が封印されたミコさんにサラちゃんなら逃げられるかもしれない。
私の呪いだけ強力なのはたぶんエルフという種族をそれだけ危険視してるんだろうな。
この部屋も妖精避けの結界で全く妖精が近寄れないし。
呪いで逃げ出したり、敵対できないようにされてるしね。
まあ、呪いでオーダーつまり命令するようなタイプは色々穴があるからこの子達を助けるぐらいはできそうだしね。
服についてた植物の種もあったりするし、エルフの味方が妖精だけしか居ないと思ったら大間違いだよ。
そして、その日の夕方ごろ……には少し早いかな?……、物凄い音がした。
窓から見ると、巨大な馬のモンスターが壁を吹き飛ばしたようだった。
何!? あの大きさ。壁をまたげそうじゃない!?
あ、やばい。こっちに気づいた!?
馬のモンスターは炎を生み出すと今度はこっちの建物の方に魔法を打ち出そうとしている!
慌てて、手にしていた種子を媒体に助けを求める。
その願いに答えて、木々の根が床を突き破って伸びてきて私たちを覆い守る。
その一瞬後、物凄い爆発音が近くで響くが、なんとかすすけただけで私たちは無事だった。
でも、直ぐに次の攻撃が来るから逃げ出さないと、と思ったところでなんか聞き覚えがある声が聞こえてくる。
「リーちゃん、助けに来たよ~~~どこ~~~~?」
うん、何故だろう?
助けに来てくれて喜ぶべきはずの所なのに……。
この沸々とした思いはなんだろう?
心の奥底にたぎるどす黒い思いは……。
「ティーーーナーーーー!」
何でだろう?
感謝の言葉を言うべき時はずなのに……。
抑えきれない感情が物凄く低い声になって響いてるのは……。
何でだろう、一瞬前までシリアスな死ぬか生きるかって状況だったのに……。
いつものように、逃げ回るティナを追い掛け回すような気分になってるのは……。
まあ、まずはティナにお仕置きしてから考えましょう。
「ありがとうティナ」というお礼の言葉はその後ですね。
次は、クロ達が大きなお家を襲撃する話です。
ティナ……ちゃんと救出作戦って意味わかっているのか?




