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第2話 目的地は……あっち!?

風邪でダウンして2日ほど更新止まりました。

まだ完全に直ってないのでこれから少しの間更新が不安定になるかもしれません。


でも、風邪で寝ていると何気に物語の続きを考えて、続きが書きたくなる罠。


更新の日付が間違っていました。

慌てて更新です。


12/08ほんの少し修正しました。

 ティナが囚われたエルフの友達の居場所を見つけたと言う事で、ダイニングに皆で集合する。

 まだ夜明け前ということもあって、皆眠そうだった。


「ふぁぁ……やっとみつかったの?」

「ミルファ起きるのです……おきない……と……」

「ダメです……もう…………」


 シーナはあくびをかみ殺そうとしてるし、レナさんとミルファさんは頭がふらふらと揺れて今にも眠りそうだ。

 

「皆さんハーブティを用意しましたこれで少しは目が覚めると思います」


 マユさんは朝の仕込とかで早起きもよくしてるようで眠そうではあるが、動くのに支障はなさそうで早速、ハーブティを入れてきてくれた。


「やっと出発だよ!」 


 セリカは元気一杯に……って全く眠そうでないのはなんでだ!?



 まあ、皆でハーブティを飲んである程度目を覚ましたところで、話を始める。


「リーちゃん見つけたよ! あっちだよ!」


 ティナは開口一番そういってある一方を指差す。


「「「「あっち!?」」」」


 俺、シーナ、マユさん、レナさんの声が重なる。

 ちなみに他の二人は、


「あっちか~」


 とそっちの方向を向くセリカ。


「…………」


 多分、留守番だから関係ないと思ってるのだろう、あんまり気にしてない様子でスルーしてるミルファさんだったりする。

 いや、もしかしたらこの二人は……普通に目的地に行く時に方角だけで突き進むのかもしれない……。

 

 まあそれは置いておいて、俺たちの反応に何か間違ったのかとティナは慌てて言い直す。


「向こうの方向にずっと、ず~~と行くと大きなお家があってそこにいるよ!」


 うん、全然直ってなかったが。


「「「「…………」」」」


 ふと数時間前の俺の判断をほめてやりたくなった。

 ずっと真っ直ぐ直進ですとか言われて旅をする時、徒歩や普通の馬で行ったら酷い目にあう。

 走破性の高い馬型ゴーレムを選んでよかった。

 出来たら、空を飛べる乗り物が良かったんだが……安全性を犠牲にするわけにはいかないしな……。

 いや、もしかしたらこうやって無理やりフォローしていくとどんどんティナの暴走が酷くなっていくのか!?

 う~む……だが、今回は時間が無いししょうがないか。

 今後もなんだかんだ言ってしょうがないで済ませてしまう気がしないでもないが……。


「ちょっとまって、道順とかは?」


 あ、シーナが我慢できなくなって聞いたようだ。


「? 道??」


 ちょっとまて……ティナ道もわからないのか!?


「森の中の方が歩きやすいよ?」


 あ……そういえば、こいつはハイエルフだ。森の民だ。

 確かにそう考えるとわざわざ街道なんかを使わずに森を突っ切る方が移動しやすいのか!?


「そういえば、あなた……エルフだったわね」

「ハイエルフだよ! ちょっと違うんだよ!」


 ティナはハイエルフだと訂正してるが……。

 う~ん、こいつの様子を見てるとどこら辺が違うか今度、他のエルフに聞いてみたいかもしれない。


「それで……どうするんですか? このまま森だろうと山だろうと谷だろうと突っ切るのですか?」


 マユさんが俺の方に尋ねてくる。

 本来これってティナ主導の救出作戦な気がするんだが……まあ、あいつに任せたら何処にたどり着くかいまいち不安だしな。

 いや、ちゃんとたどり着いて救出できても過程を想像したくないような事になるかもと言った方が正確なのか?


「まあ、馬型のゴーレムを作っていて、後3時間ほどで完成だからな。そいつならある程度の無茶は出来ると思う」

「そうです……」

「馬型ゴーレム!? 何それ! 見たい、見たい!」


 ティナが興味をそそられたようで、テーブルに乗り上げて顔を近づけてくる。


「移動はゴーレムに乗って行くつもりだから、そのときに見ればいい。それよりも、今はお前の友達の救出をどうするかだろ?」

「あ、そうだった。リーちゃんを助けないと!」


 本当にこんなんで大丈夫だろうか……心配だ。


「う~ん、でも居場所は何となくわかったけど、中は調べれないんだよね。妖精とかそういうのを避ける結界があるみたい」


 まあ、それはある意味当然か。

 そういった類のものがなければ直ぐに妖精達を通じて救難信号みたいなものを送れるからな。

 うん? そういえば奴隷商の豪邸にはなかったのか?


「ティナ、奴隷商の豪邸には無かったのか?」

「奴隷商??? なにそれ?」

「昨日、お前が襲撃したところだ!」

「ああ、あそこなら一番最初にぶっ壊したよ!」


 あったのかあそこにも。

 まあ、それが当然か……そうじゃなければ普通に見つかるはずだからな。

 念のためどんな結界か知りたくはあるけど……今からじゃ遅いか。


「ちょっとまって。真っ直ぐ突っ切るのか街道を調べて行くのかはともかく、その方角って街とか無いはずだから、”大きな家”とやらがポツンとたっているの?」

「うん、森の中にドドーンとあるよ!」


 といって両手を挙げてドドーンを表現するティナ。

 うん、何の意味があるんだその行動?

 それはともかくとして、

 

「シーナ、ポツンと家が一つあったりすると問題なのか?」

「問題に決まってるでしょ! 森の中とかなら普通にモンスターとか出るのよ! そんな中で大きな家を建てるなら城壁なんかの、モンスターを避ける仕組みが無いととてもじゃないけど暮らせないわ」


 ああ、言われてみればそうだな。

 とは言っても、シーナの元のボロ家やM&Mの立ってたあたりは普通にそんな感じだったようなきもしないでもないが……。

 まあ、シーナは近寄ってきたら普通に始末してたんだろうな。マユさんは自動迎撃(『魔力暴走』)は対人専用か、まあ普通に魔法が強かったし問題なかったんだろうな。


「そんなにモンスター避けの結界とかは手間なのか?」

「手間に決まってるでしょ! そのために街なんか高い壁作って兵士が巡回してるのよ!」


 まあ、確かにそうだな。

 安上がりにモンスター避けの結界が出来たらその辺要らないからな。

 まあ、対人ってのも考えようにはあるかもしれないが……。

 あれ? でも……。


「うん? 何時も拠点出す時普通にモンスター避けの結界張ってるぞ。ま、永続するような結界だとそれ相応の触媒という結界の礎が必要だけどな。普通に数日毎に更新ならできなくもないぞ」

「あんた……どこかの街で結界張る仕事をやったら一生遊んでくらせるんじゃない?」


 まあ、一生結界張り続ける仕事とかやりたくは無いけどな。


「まあ、結界なんかでモンスターを避けるのにはそれ相応のコストが掛かるのか……でも出来ないわけじゃないんだろう?」

「そのコストが問題なのよ! 街の防衛予算にどれくらいつぎ込まれてると思うの? 家一軒とはいえ生半可な金額では維持できないわよ。維持費がいらないものだったとしたらそれこそ、いくらになるか分かったものじゃないし」


 う~ん、そこまでのものが用意できるほど金があるってことか……。

 もしくは、それを防衛できる戦力があるか、か……

 まあ、エルフを買うことが出来るんだから相当だとは思っていたが……なんにしろ相当な資産があるのは確か見たいだな。

 王族の隠れ家とかじゃないだろうな……ありえそうで怖いな。


「まあ、相手がどれだけの資産を持っているかはともかくとして、助けに行かないと言う選択は無いんだから……」

「当然だよ! 絶対に助けるよ!」

「せいぜい気をつける事ね」


 うん? シーナなんか他人事だけど……お前もついてきてもらうぞ今回は。

 拠点を出したままじゃないとゴーレムを使えないから拠点に残るメンバーと二手に分かれる事になるけど……。

 救出に行くメンバーは……。


「目的地もわかったし、救出に向かうメンバーと居残り組みに別れて準備を始めるか」

「急いだ方がいいのは確かね」


 シーナもウンウンとうなずいている。

 

「で、今回救出に向かうメンバーはティナ、俺、シーナで行こうと思う。残りはこの拠点で残っていてもらう」

「えええええええええ~~~~留守番ですか~師匠~~~~」

「何でよ~~~なんで私がそっちなのよ」


 セリカとシーナの全く正反対の声が上がるがこれを変える気は無い。

 まず、居残り組みだがレナさんとミルファさんは前と同じく他国の王族がこの件に関わってると判ると問題だから真っ先に決定。

 マユさんは魔法職(?)としてはティナの妖精達や俺の魔法があるから火力としては心もとないのと、狐姉妹や残るメンバーの料理係として必要だろう事から残ってもらう。

 あと、レナさん、マユさんには狐姉妹の面倒を任せたい事もある。

 最後はシーナとセリカだが、両方救出組みに参加するとやや居残り組みの戦力が心もとないのでどっちかを残したかった。

 そして、セリカを救出組みに組み込むと、トラブルを燃え上がらせそうなティナとトラブルの炎に燃料をガンガン投入しそうなセリカで恐ろしい事になる予感がしたからだ。

 シーナの場合ならトラブルの炎を小さくするように動いてくれると思う。


「いいの私で? ドサクサに紛れで……ね」

「それはないな、今回下手に動くとぶちきれモードのティナを敵にまわすからな」

「ま……まあね……」


 シーナが一瞬体を震わせたかと思うと慌てて肯定する。


「決まった~? じゃあ早速出発だ~~~」

「まて、準備とゴーレムの完成を待ってからだ」

「はぁ……大丈夫かしら……」


「あ、マユさん出来たら馬車なんかに乗るときの酔い止め作ってもらえませんか?」

「クロさんなら治癒魔法でどうにかなるんじゃないですか?」

ゴーレムに酔った時にちゃんと魔法を使えるかが不安ですから……」

「確かに、魔封じの状態異常を治療魔法が使える人が受けると使えませんしね。解りました出発までに作ってきます」

「ありがとうございます」


 そんな感じで俺たちは馬型ゴーレムが完成するまでの時間を準備に当てるのだった……。




 そして、日が昇り明るくなったころ。

 完成した馬型ゴーレムが拠点の前に腹ばいになっていた。

 普通の馬の足では曲がらない方向に足が曲がって折りたたまれているが、まあゴーレムだしな。

 

「それにしても、思ったより大きいな……」


 馬の頭まで、今でも10mに届きそうな気がする。

 立ち上がったらどれぐらいの高さになるのか……。

 う~ん、新たな巨大馬型モンスターの伝説とか生まれないといいけど……。


「結構凄いわね……」

「凄いゴーレムです……分解して仕組みを調べたいです……」

「なんか大きくて強そうだよ! 一度戦ってみたいよ!」

「ゴーレムってこんなに大きなものなのですね……」

「私もはじめてみました」


 まあ、みんなの感想も想像の範囲内か……。

 今度本気で訓練用のゴーレム作ってセリカに渡した方がいいのかもしれないな。

 それとも……訓練施設や闘技場の完成を急ぐべきなのか?

 

「うわ~~~~すご~~~い、おおきい~~~~おうまさんだ~~~~~」


 うん、ティナは目をキラキラさせて馬型ゴーレムを見てる。

 救出作戦はいいのかティナ。


「まあ、時間もないし早速乗り込むぞ!」

「わかったわよ……はぁ」

「おおお~~~~」


 そういって、俺は馬型ゴーレムの胴体部分にあるパネルを操作する。

 四角い溝が縦にできていき、梯子状の足場が出来る。


「うわ~いちばんのりだ~~~」


 ティナがそのまま上っていく。

 うん、胴体部分の入り口の開け方教えてないけど……まあいいか直ぐに俺も追いつく。


「あ、クロさん。酔い止めです。1本で一回分です。多分数は足りると思いますが……」

「ありがとう、マユさん。足りなくなったら何か考えるよ」


 そう言って、袋を受け取る。

 ポーション用の小瓶に入った薬が10数本入っている。

 まあ、これだけあれば多分足りると思う。

 アイテムボックスにしまって馬型ゴーレムの梯子を上っていく。


「はぁ……気が重いわ……」


 なんていいながらシーナも上ってくる。

 さて、胴体の入り口のハッチはと……。


「あったあった」


 背中に隠されていたボタンを押すと潜水艦なんかである丸型のハンドル。

 グルグルまわしてパカリと開くと中に明かりが灯った空間がある。

 梯子を降りていくと、そこには10畳ぐらいの大きさの部屋があった。

 座席が2席とベッドが2つあとは荷物を置くスペースって感じか。

 小さいながらトイレと洗面台もあって、ある程度快適に過ごせそうだ。

 

「へ~思ったよりよさそうね。今度から旅はこれでしない?」

「妙な討伐依頼が発生しそうで怖いけどな」

「確かにそうね~」


 なんていいながら座席に着く。俺とシーナ。

 あれ?

 ティナはどこに行った?

 先に上ったはずじゃ?

 俺はゴーレムに火を入れてモニタをチェックする。


「何よこれ……すごすぎない?」


 シーナのあきれ半分のつぶやきがもれる。

 う~んと、馬の目の部分にあるカメラ(のようなもの)から相当遠距離と各種レイダーみたいなものが発生と。

 周囲の映像は目視範囲ぐらいか……全く見えないよりはましか。


「さて、ティナは何処にいる?」


 と周囲を探ってみると……。


「何であんな所にいるんだ!?」


 そう、ティナがいたのは馬型ゴーレムの頭の上。

 なんかそこに立って楽しそうに笑ってる。

 今から動くのに危ないじゃないかと思うが、その周りにうっすらと光の幕のようなものが見える。

 拡大してみると、ティナの周りにはぼんやりと緑や赤、黄色などの光が見える。

 ああ、ティナのフォローに妖精達が結界でも張ってくれてるのか……。

 妖精さんたちも大変だなと思うと同時に、今までも妖精達にフォローされてきたから無茶な行動が通ってしまったのかもとティナ行動の原因の一端にに触れたような気がした。


「まあ、飽きたらこっちに来るように言っておくか」


 操作盤を操作して外に声が伝わるようにして、ティナや残ってるメンバーに話しかける。


「じゃあ、そろそろ出発する。マユさん、レナさん狐姉妹のことよろしく頼む。ミルファさんレナさん達を頼む。あと、セリカ襲撃とかあるかもしれないから警戒を頼むぞ」

「了解~師匠~」

「わかりました」

「がんばります」

「まかせてください!」


「さて、いくか」


 横に座ってるシーナに声をかける。


「……そうね……」


 彼女の顔はもう、何かあきれるのに疲れて開き直ったような感じが……。


「ティナ~出発するぞ~落ちるなよ~」


「いくよ~~~出発だ~~~~~」


 と、馬型ゴーレムの上で飛び跳ねて喜んでいる。

 せめて……座ってくれ危ないからと思わないでもないが、妖精さん達を信じよう……というか任せる。


「出発!」


 馬型ゴーレムがゆっくりと立ち上がり、一歩づつ進み始める。


 う~ん、果たして目的地まで何も考えずに一直線の最短距離を進むって可能なのか?

 ティナがゴーレムの頭から落っこちないか?

 色々不安はあるが俺たちは、ティナの友達のエルフ救出に出発した。

 

「わ~すご~い。すごい~~~~」


 ティナ……ちゃんと目的忘れてないよな?

 ないよな?


 もしかして、ぶち切れたままの方がましだったのでは……一瞬頭をよぎったのはしょうがないだろう。

次回! 果たしてティナは無事に馬型ゴーレムの頭から落っこちずに目的地に着けるのか?

ちゃんと目的を忘れていないのか?

クロとシーナだけでティナの暴走を止められるのか!?


 つづく

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