第5話 影響……
昨日は風邪でダウンしてました。
今日はなんとか更新できそうです。
みなさんも、急に気温がさがったので体調には気をつけてください。
昨日と同じく激怒したミルファさんだが、今日はティナが蔦で動きを封じている。
ダメ元で、ミルファさんに『パラライズショック(M)』を放って気絶させる。
『隷属』スキルの効き方が不安定なので、出来れば再度かけなおしたかったんだが……。
システムメッセージも無いし、やっぱり出来ないか。
中途半端な『隷属』でどんな不具合が出るか解らないので不安だったのだが……。
俺に対する敵意がむき出しなのはこれにも原因があるような気もした。
まあ、かけなおせないなら考えてもしょうがないか。
後で一応『命令』スキルでためしてみるか。
その後、気絶したミルファさんはティナがそのまま彼女の部屋まで運んでくれた。
レナさんは俺に頭をさげると、ティナの後についていった。
「ミルファが色々ご迷惑かけて申し訳ありません」
レナさんがそう言って深々と頭を下げている。
う~ん、行き過ぎのきらいはあるけど、ミルファさんの行動もわからないではないんだよな……。
どうしたもんかな……。
俺達は、ミルファさんを彼女のベッドに運んだ後、ダイニングに集まっていた。
そのまま、ティナにミルファさんの様子を見ておいてもらおうかと思ったんだが、悪意はなくとも彼女の行動に今一信用が出来なかったので、セリカにまかせた。
まあ、セリカでも不安があるが、他のメンバーは色々相談したかったのだ。
レナさんが気にすることではないと、頭を下げ続けていたのをやめさせて、現状を色々説明する。
俺の部屋で夜になにがあったかはボカしたが、その時のシーナとマユさんの視線が痛かった。
「レナさん、ミルファさんって前からあんな感じだったのか?」
「わたくしの身に危険が及んだ時以外は、剣を抜いたりもせず、仲の良い唯一の友達でした。ただ、彼女の治療後目覚めてからは、友というより主従と言った感じの距離感を感じます」
身に危険が……か……。
レナさんの純潔が奪われるってのも危険にはいりそうではあるな……。
その辺もまた、妙な常識とかありそうだしな……。
かといってそれをこの場で聞くのは……ダメだハードルが高すぎる。
「つまり、治療後は友達のような感じではなくなった?」
「はい、わたくしの事をレナと呼ばずに、姫様と呼ぶようになりました」
レナさんが暗い顔でうつむく。
「他には?」
「私が一緒に居ないと不安になるようで、何処でも一緒についてきます。前は此処までずっと一緒ということはなかったのですが……」
う~ん、ミルファさんの行動になにか強迫観念じみたものを感じるな……。
守れなかった事へのトラウマ?
失う事への恐怖?
「たぶん、ミルファちゃんの心に最後まで残ってたのが、レナちゃんを守りたいとかそういう思いだったんだよ!」
ティナがそんな風に口をはさむ。
「最後まで残った? どういう事だ?」
「うん、前のミルファちゃんの状態が生きてるのが奇跡って言ったよね? たぶん最後に残った心に、その想いだけを集めて耐えたんだよ。もしくは、呪いをかけた人がそんな感じに操作したかだね」
強い思いを凝縮して耐えたか……。
それよりも、操作されたと考える方がありそうだな。
ボロボロの心を洗脳なんて普通にやりそうだからなあいつらは……。
「クロ様の薬では治療できなかったのですか?」
「ああ、あの薬は心の器の方を治すだけで、中身を治すものじゃないよ。そもそも、それは治すじゃなくて操作になるからね」
レナの問いにティナが答える。
心の器か……。
チップみたいな記憶媒体のことだろうか?
中身が記憶されてるデータという感じで。
データが消えて復旧するにしても、復旧する側が正しいと思うデータを書き込むことになるからな……。
たとえそれがバックアップデータでも、タイムラグでオリジナルと完全なる同一データとはいえないからな。
でも、まてよ?
それじゃあ、殆ど感情を欠落してもおかしくは無いんじゃないか?
「ティナ、それじゃあミルファさんは、なぜ曲がりなりにも感情を持っているんだ? レナさんを守る以外の感情がなくなっててもおかしくないんじゃないか?」
「記憶までなくしてしまってるわけじゃないからね~。記憶の方から感情を思い出してるんだよ、たぶん」
心と記憶か、言ってる事はなんとなくわかるけど……。
これは、治療薬よりも、カウンセラーとかそういった人間が必要なのかもしれないぞ。
この世界にいるのか?
そういう専門の医者が……。
「ティナ様、ミルファの治療方法はないのですか? 魔法とか、何かありませんか?」
「う~ん。ミルファちゃんを治す魔法だとしたら、ダメージ受ける前まで時間を戻すぐらいしかないと思うよ」
時間を巻き戻すか……。
確かにそれをすれば完全に治りはするだろど、ゲームのリセットボタンと同じだよな。
現実では、やっちゃいけない類の事だと思うぞ。
「心に傷をうけてからのミルファはどうなりますか?」
「それはもちろん消えちゃうね」
「それはダメです。彼女の想いまで消えてしまいます」
レナさんの言うとおりだと思う。
それに、そもそも……。
「ティナ時間を巻き戻すとかって実際には出来るのか?」
「それなりの代償があればできない事は無いって聞いたことがあるよ」
代償か……何かやばい感じがするなやっぱり。
「で、どうするのよ? あの子はそのままにするの? (まあその方が奴隷から解放されそうな気はするけど)」
そうだよな、結局はそこに戻るよな?
彼女の感情を作り変えるような手は取らないんだから、気長にカウンセリングとかで治療なのか?
それを治療と言っていいのかわからないが……。
「やっぱり、ミルファをこのまま見守っていくしかないのでしょうか……クロ様、皆様、今後もミルファが迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします」
「いいわよ、私はあんまりきにしないし、ここにいないセリカも気にするような頭はないでしょ」
シーナ何気に酷い事言ってないか?
「私も出来る限りお手伝いします。何でも言ってくださいねレナ様」
「ま、出来る限りは手を貸す、途中で放りだすのもあれだしな」
それにしてもミルファさんの病状に一番詳しそうなのがティナって所に一抹の不安を感じるな。
そういえば、ティナはどうしたのかと見てみると、なんかうなり続けていた。
「う~~~~ん。う~~ん。う~~~~~~~~~ん。う~~~~~~あ!」
う、なんかまたろくでもない事を思いついたような気がする。
「いい事思いついたよ!」
やっぱり。
「ティナ様なにか良い方法が!?」
「ふふふ~~~~耳貸して~(ゴニョゴニョゴニョ……)」
ティナはレナさんになにやら耳打ちをしている。
う~ん、凄く不安だ。
「という訳でいくよ~」
話が終わると直ぐにティナはレナさんを連れてどこかに言ってしまった。
MAPを見るとどうやらミルファさんの部屋みたいだし危ない事はなさそうだしいいか……。
そして、その日は一日中、ミルファさん、レナさん、ティナは部屋にこもり続けた。
なにやら秘密の作業をしているらしく、朝食や昼食を運んだマユさんも中に入れてもらえなかったらしい。
夕食の時に俺が運んだら扉の前にいたティナが夕飯を受け取って、部屋の中は覗く事も出来なかった。「乙女の秘密」らしい。
ギルドコアの監視機能で見ることは出来るけど、流石にプライバシーがあると思いやめておいた。
まあ、隠れて魔法の研究してるような感じでもないし、問題ないだろう……たぶん問題ない……問題ないといいな……。
――そして、深夜。
俺の部屋には3人のお客が来ていた。
レナさんとミルファさんとティナだ。
3人ともおそろいのスケスケのネグリジェをつけている。
「で? どういう事だこれは?」
真っ赤になったレナさんとミルファさんではなく、首謀者と思しきティナに詰問する。
「仲間はずれだから心配になるんだよ! だから、皆で仲間になればいいんだよ!」
おい、一体何があった?
ミルファさんから俺に対する敵意が消えて、モジモジしながら赤くなっているぞ!?
「いいのか? こんな事をいってるけど」
「……はい、お願いします」
「…………おねがぢします」
ミルファさん噛んでるし……。
「と言う事で、皆で楽しい事はじめるよ~予習はばっちりだよ!」
予習?
そう疑問を思う間もなく、3人がベッドの上に乗り込んできた。
今日は、ミルファからなのか、ティナとレナさんで彼女を蕩かせる。
「あっ……あっ……あっ……ああああああー!」
その後の夜は本当に長かった……。
朝目が覚めると、満足そうな笑顔を浮かべたレナさんが右に。
安心しきった笑顔を浮かべたミルファさんが隣に。
そして、俺の上に乗って抱きついて眠るティナさんが居た。
「ミルファさんの初めてまで奪ってしまった」
昨日は、あの後、ミルファさんの初めてを奪って、そのままレナさん、ティナと抱いた。
2周目までしてようやく寝たのは、少し明るくなっていた気がするな。
本当にこれでよかったのか?
その後、ギルド内の女子(俺以外)で薄い本がはやり始めた。
彼女たちが読んでいるところに出くわすと慌てて隠して、俺は見れてない。
『命令』とか使えばみれるだろうけど、なんか見てはだめな気がする。
もし、腐ったものだったら、立ち直れない。
お互いの為に、見てみぬ振りをする事に決めた。
自作とか始めないといいな……。
次回は忘れ去られていたエルフの試練に行きます。
章題詐欺じゃないぞ!
薄い本
知る人はよく知ってるあの本。
○○指定がつくお子様禁止なやつ。
実は腐った方面のものではなかったりする。
この世界の物では無いと思う……ティナがとある場所でGETしたものが……。




