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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第6章 目覚めたミルファ
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第5話 エルフと外の世界

更新です。


エルフの少女は森の外の世界に興味津々です!

 エルフの少女が作ってくれた空き地に、早速ギルド拠点を展開する。

 設置完了まで1時間あるので、その間に、自己紹介などを始める。

 

 まずは俺達が「俺はクロ……」と言った感じで自己紹介をしていく。


「わたしは、セレスティナ。ティナって呼んでね!」


 セレスティナでティナさんかなんか神秘的でいい名前だな。


「あんたってエルフなの? なんかさっきのやつらと全然違うんだけど」

「さっきって? ふむ、ふむ、ああ、里の方に行って追い返されたんだね~。おじさんたちはエルフだけど、わたしはハイエルフなんだ」


 途中、見えない何かとでも話してるような動きをしていたのは気になるが、それよりもハイエルフだ!

 どおりで、さっきのエルフとは雰囲気が全然違うわけだ!


「ハイエルフって皆あんたみたいなのばっかりなの!?」

「わたしは、ハイエルフでも変わり者って言われてるからね~。普通はエルフとあんまりかわらないよ~」


 うん、WMOの設定でもハイエルフとエルフで性質的には変わりは特になく、排他的で森に引きこもってるような種族だったはずだ。


「木の成長を愛でて楽しむとか、あんなんやってられるか~。3日で飽きた~」


 ティナさんは飽きっぽいのか……。

 まあ、釣り糸を垂らしてのんびりと時間をすごすとか、縁側に一日座ってるとか絶対無理な気がする。

 う~ん、でも結構幼そうだし、まだ若いエルフだからなのか?


「ティナさんって何歳なんだ?」

「ティナ! ”さん”はいらないよ~。あと、歳を聞かれたら殺さないといけないんだ!」

「え!?」

「あれ? 人間の世界の決まりごとって聞いたよ? ちがうの?」


 ティナそれはなんか違う。


「間違っていると思う」

「でも、女性に歳を聞くのは失礼よね」

「そうですね」

「そうなんだ~」


 俺が歳を聞いたのに、シーナとマユさんが非難の視線を向けながらそんな風に付け加える。

 シーナ達だって気になってたはずだぞ。

 ティナはそんな情報にも目を輝かせて聞き入っている。


 そんな感じで、


「どこからきたの?」

「その服みせて!」

「その武器すごい!」

「王女さまだったんだ~」


 と俺達を質問攻めにしていった。

 そんなこんなで、1時間はあっという間に過ぎていった。




「うわ~こんなお家はじめてみた~。すごい~~」


 ティナが歓声をあげているが、いきなりM&Mが出現した事はスルーなのか?


「じゃ、じゃ、中に入ろうよ!」


 と入り口に入ろうとしたところを、プチゴーレムにさえぎられる。


「うわ~これってゴーレム!? すごいすごい!」


 あ、そういえばギルドメンバー以外中に入れないようにするんだったな。

 害もなさそうだしゲスト設定して少し中に入れてやろう。

 セレスティナをゲストに……。入れる場所は店舗部分とキッチンダイニングあたりでいいか……。


「まて、ティナ。ゴーレムに触ると攻撃されるぞ!」

「うぎゃ~」


 時すでに遅く、プチゴーレムに殴られたティナが飛ばされて木にぶつかる。

 うん、今ぶつかった時、なんか変だったぞ、木が衝撃を吸収したかのように動いたような。


「うわ~すごいすごい」


 うん、まるっきり無傷のようで楽しそうにはしゃいでいる。


「一応、入れるように設定したから中に入れるぞ。あと念のため『フル・ヒール』!」

「わ~い。やった~。ありがとう~」


 そんな感じで駆け込んで行った。

 う~ん、エルフ族、特にハイエルフは長寿といっても、ティナは俺より年下な気がするな。

 ま、見た目や雰囲気だけではわからず何気に千年以上生きてる可能性もあるのだけどな。


 M&Mのお店では……。


「うわ~なにこれ~」

「マジックアイテムのお店、M&Mです!」

「うわ~コレがお店か~始めてみたよ~すごいな~」


 商品棚などを興味深げに触っている。

 うん、売り切れ状態で商品は置いてないけど解かってるのか?


 それにしてもティナって、知識はともかくとして、実物を見たことがない感じはするな。

 ティナでも閉鎖的なエルフの一人という事なんだろうか?

 彼女なら、簡単に森をとびだしそうなものだが……。




 その後ずっと店舗部分を色々興味深げに見て回るティナを、レナさんとミルファさんに任せる事にして、俺達はそろそろ探索に出よう。


「レナさん、ミルファさん留守番頼む。ティナはレナさんの言う事聞くならここに居てもいいから。じゃあ、シーナ、セリカ、マユさん、探索に行こう」

「って、違うでしょ! あんたちょっと色ボケしてるんじゃないの?」


 シーナが止めてくる。何だ? 妙にトゲが在る気がするが……。


「本当ですね」

「ですね」


 うん? マユさんとレナさんの視線も痛い……。


「まずは、ティナに草の事聞くのが先でしょう!」

「ああ、確かに!」

「なるほど!」


 うん、セリカと同じレベルになってたと言う事は……エルフに出会えたことで相当頭興奮してたのかもしれないな。

 少し落ち着こう。


「草?」

「そうよ、ここまで触れない草を探しに来たのよ」

「エルフの里に遊びに来たんじゃないの!?」

「そんな暇じゃないわよ!」

「そっか~」

「で、知ってる?」

「触れない草? どんなのなの?」


 俺達はティナに触れない草の特徴を色々説明していく。


「う~ん、どっかでみたような気がする。どこでだったっけ?」

「お願いします。思い出してください。そうじゃないとミルファが!」

「ミルファちゃんがどうかしたの? あああ、心が食べられてボロボロになってる! そんなんでなんで生きていられるの!?」


 ティナにはミルファさんの状態はある程度わかるらしい。

 でも、生きてるのが不思議だって? 今でも相当危ないのか!?


「ミルファの治療の為に触れない草が必要なんです!」

「心の治療? ああああ、思い出した。ソウルハーブだ! でもあれって、そこまで酷いのは治らないよ?」


 ソウルハーブか、やっと実在の確認は出来たな。


「いや、治せる薬に心当たりがあるんだ。あとの材料はソウルハーブだけなんだよ」

「これを治せるの!? すごい! 見てみたいよ!」

 

 これは協力を頼めるのんじゃないか?

 思ったより楽にいきそうだぞ。


「でもな~あれって聖地に生えてるから外の人に渡したら怒られて”ついほー”とかされちゃうからな~」


 聖地にあったのか?

 となると持ち出しはきついのか?

 それどころか、無理やり取りに行けば全面対決になりかねないのか……。

 そんなものだったなんてコレは困ったぞ。


「ソウルハーブを分けてもらうことは無理なのか?」

「う~ん。むずかしいな~」


 ティナはうんうんうなりながら考え込んでいる。


「お願いです! ミルファを救うためにどうしても必要なんです!」

「う~ん、持って来てあげたいのはやまやまなんだけど~う~ん」


 そのまま、ティナは考え込んで静かになってしまった。


「う~ん、まずったわね。聖地に生える草だったなんて」

「そうだな」

「全力で守ろうとしますよね」

「私は、戦ってもいいよ?」

「うん、セリカは少し黙っていよう」


 これは、ティナに他の方法の心当たりが無いか聞いてみた方がいいのか?

 でも、生きてるのが不思議というティナの言葉からさっするに相当まずい状況にあるっぽいからな。

 今から他の手段を手に入れるまでの時間は残っていないんじゃないか?

 エルフの聖地に強襲かけるしかミルファを助ける道はないのか?

 しかし……。


 俺達が八方塞で悩み続けていた所で、突然ティナが声を上げる。


「いい事思いついた!」


 ティナには笑顔が戻っている。


「何か方法があるのか?」

「ミルファを助ける方法があるのですか?」


 特に、レナさんはすがるような目でティナを見る。


「ソウルハーブは聖地から持ち出し禁止ってわけじゃないからね~エルフの領域内なら動かしても文句は言われないんだよ。自分の家の近くにお友達の草花を連れてくるなんてよくあるし」

「植え替えてどうするのよ? まさか私達がそれを盗むの? 盗みやすい場所に動かしてくれたら、聖地にいくよりはましだけど……」

「そんな事をしたら、わたしが共犯だっていわれるよ~。もっと別の場所に移すよ~」

「何かいい場所があるのか?」

「そこで、お願いなんだけど、私の試練に協力してくれない?」


 試練? 

 なんか妙な話になってきたぞ。


「なによ試練に協力って? それに何の試練よ?」

「試練でも何でも協力しますから! お願いします」


 って、レナさん内容聞かずにOKしないで。


「試練ってのはね~」

 

 ティナの言う試練とは、エルフが大森林を出るための資格を得る為のモノらしい。

 あらゆる力をもって試練を突破した者だけが森を出られるとか。

 ちなみに彼女は、ずっと試練に失敗し続けてるって話だ。

 どおりで森を飛び出して行ってない訳だ。


「で、試練をクリアするとどうしてソウルハーブが手に入るのよ?」

「エルフの領域で唯一試練の地には外の人間が入ってもいいんだ。試練って人間に力を借りたりするのも自由だし」

「ああ、その入り口にソウルハーブを移動させるって事?」

「違うよ~それだと共犯って怒られるのには変わりないから、最後の試練の場所に移すんだよ」

「それって、私達を試練に協力させるための保険って事?」

「ちがうよ~。試練って知恵・勇気・力なんかを全て使って突破する物だから、ソウルハーブをエサにして協力させたって言えば強く罰する事はできないんだ。最悪でも、お説教1週間ってところだね」


 う~ん、エルフと敵対関係にならずにソウルハーブを手に入れるには悪くは無い手段ではありそうだな。

 問題は試練の内容だけど……。


「試練! 強い敵がでそうだよ!」

「受けます! ミルファを助けられるなら何でも!」

「う~ん、一度試すのも悪くは無いわね。ティナがぴんぴんしてる所を見ると、失敗しても死ぬようなものじゃなさそうだし。」

「力になれるか解かりませんが……」

「…………」


 うん、反対意見も特になさそうだし、試してみるのはいいかもしれない、エルフの試練とやらを……。


「そうだな、一度やってみるか?」

「わ~。やった~~~。これで森をでられる!!!」


 少し、ティナに乗せられたかもしれないと思うものの、無邪気に喜ぶティナを見ると気にならなくなる。

 やっぱり、ハイエルフは良い!


「それじゃあ、準備するね~まっててね~」


 ティナは準備に出かけていくのだった。





 そうして、準備が終わったティナが戻ってくると、早速試練に向かう。

 レナさんミルファさんは留守番だ。

 ミルファさんにこれ以上無理をさせない方がいいと判断したからだ。

 

「よろしくお願いします」


 レナさんは俺達に深々と頭を下げていた。



 試練の場所は大きな木の虚にあったゲートの先だった。

 異空間なのかもしれない。

 まあ、そんな試練の場所だが、最終試練まではなんども来ているティナのおかげで全く苦労もせずに突破できた。

 こんなに簡単にいくなら悩まなくてもよかったな。

 そんな事を考えたくらいあっさり進めたのだ。


 しかし、最終試練の場所に入った瞬間。

 楽観ムードは木っ端微塵に砕け散った。

 そこにいたのは……。



 フォレストドラゴン。

 森の守護者たる強力なドラゴンだった。

次の話は対決フォレストドラゴン!?



ソウルハーブ

 モンスターによる心へのダメージを治療する薬になる薬草。

 ただし、そこまで強い効果は無い。

 HPに対するやくそうぐらいの効果。

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