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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第6章 目覚めたミルファ
41/199

第1話 人の欲望は……

更新です。

今日は1話だけになります。

これから1日1話のペースが維持できたらと思ってます。



※2014/03/01

闘技場、訓練場の説明を一部修正。

 人の欲望は果てしない……。

 ぼんやりとそんな事を考えながらシ-ナ、マユさん、セリカの言い合いを聞いていた。


「宝物庫よ! 不思議な宝箱は絶対にはずせないわ!」

「いえ、作るなら生産設備です。国どころかこの大陸でも最高の生産設備を作れるんです! 作らない手は無いです!」

「訓練施設や闘技場よ! あとギルドダンジョンなんかもいいよ! どんどん鍛えて強くなれるよ!」

「お宝!」

「もの作り!」

「レベルアップ!」


 こんな感じで自分の主張を押し通そうとしている。

 

「私は治療設備が欲しいです」

「レナさんまで……勘弁してくれ」

「冗談ですよ。ミルファの治療にはクロ様の魔法で十分ですから」


 何て冗談交じりの……本音も幾分あるような気がするが……レナさん。

 ギルド拠点のコアの周りに浮かぶ画面を指差しながら、口論を続ける3人を、彼女と一緒に眺めていた。

 参考に聞いてみただけなのに……状況が悪化したような気がする。

 俺は相談した事に後悔をはじめながらこうなった原因を思い出す。


 あれは……。





 朝食を食べた後、俺は部屋に戻ると、早速ギルド拠点の防衛設備を設定しようと動き出した。

 昨日はM&Mをギルド拠点に設定したあと殆ど何もやる気力が起きず、そのまま寝てしまったのだ。

 一分一秒を争うほどは急いでは無いが、早いに越した事は無いだろうと早速始めることにする。


 まずは、どんな防衛設備があるか確認しなければならない。

 『ギルド管理(M)』→ギルド拠点→設備設置→防衛設備っと。

 頭に浮かんだコマンドを選んで表示させてみたのだが……。

 グワーっとそれぞれの防衛設備のスペックデータが頭の中に流れ込んできた。

 うぐぅ、頭が痛い、ぎもちわるい。


「やめやめ、キャンセル! キャンセル!」


 慌ててコマンド操作をキャンセルする。

 うう、なんか終了させてもまだ頭がグラグラする気がする。

 

「『フル・ヒール』」


 一応、自分に回復魔法をかけておく。

 脳内出血とかあったらシャレにならないからな。

 無理やり大量の情報を頭に流し込んで脳が焼き切れるとか廃人になるなんて話は物語では良く聞くからな。

 まあ、今回のカタログ程度ならたぶん大丈夫だろう……とは思うけど……。

 今後、膨大な量の情報にアクセスしなければいけない場合も出てくるかもしれない。

 何か方法が無いか探さないと。

 ギルドの設備の中にそういった類は無いか探してみる。

 今度は慎重に……。

 情報をアクセスできるような画面……。

 ゲーム内の情報表示ウインドウみたいなものをイメージしてみる。

 さっきのみたいなことが起きないように、見やすく、表示するのは設備の名前の一覧で10件毎に改ページするイメージで……。

 お、出てきた出てきた。

 今度は大量の情報が一気に流れてくる事もなかった。

 どれどれ?

 4つ候補が出てきた。

 それぞれ細かく見てみる。



・コアに情報投影機能を追加

  設置コスト:1GP(00:05 10MP)

  消費MP:1(/日)

  必要容量:0

  ギルド拠点のコアに、操作ウインドウ投影機能を追加します。

  アクセス権限などの細かい設定も可能です。

  

・ギルド拠点内情報ネットワーク設置

  コスト:100000GP(50:00 5000MP) ※機能追加:50000GP(50:00 5000MP)

  消費MP:50(/日)

  必要容量:100

  ギルド拠点内何処でも権限を持った同盟員は情報アクセスが可能になります。

  ウインドウ表示機能は別途GPが必要です。※本人のみウインドウを見ることが出来ます。


・情報表示端末設置

  コスト:500GP(01:00 100MP)

  消費MP:1(/日)

  必要容量:5

  情報アクセス用の端末を設置します。

  アクセス権限などの細かい設定も可能です。


・携帯用端末作成

  コスト:50000GP/1個(01:00 500MP) ※メンバーリスト機能追加:10000GP(01:00 500MP)

  消費MP:1(/30分)※携帯用端末は個別にMPを持ち(30MP)チャージはギルドコアから行う。

  ギルド情報にアクセスするための携帯用端末を作成します。

  所有者設定も可能。

  権限は端末毎に固定。

  メンバーリストのアイテムに機能追加も可能です。

 


 色々あるな、安くつけるならコアに機能追加だな。

 携帯端末は表示内容によっては便利かも。

 お出かけ中に拠点の様子を見るとか出来るならそれはそれでありか。

 ネットワークはギルド戦で拠点内での情報確認には便利そうだ。

 まあ、表示内容によるけど。戦闘中にコアで見るのはきついだろうしな。

 あとは、端末かネットワークの下位だろうけど、コスト面で考えると……。

 とはいっても、コアのやつ以外はギルドポイント(GP)が結構掛かるな。

 

 う~ん、GPの獲得効率がいまいちわからないから一概にはいえないけど……。

 そうだな、試しに何かアイテムをGPに変換してみよう。

 アイテムボックスの……ドロップアイテムの……これでいいか。

 

 ボロボロの布。

 王冠や錫杖に服、元は豪華だったんだろうけどボロボロのそれらを装備したスケルトン型のモンスター、亡国の王からのドロップアイテムだ。

 使い道はボロボロの布を再生して上位の服の素材にしたり、ロイヤルコート(たぶん元の服)などの装備の素材になったりする。

 だけど、これも他の幾つかの素材が必要な上に、ドラゴンなんかの素材と比べて店売りするには適さないだろう(たぶん価値を理解できずにただ同然になる)。

 まあ、結構大量にあるからまずはこれを1つGPに変えてみよう。

 

 …………。

 ……。


 どうやってギルドに寄付するんだ?

 『ギルド管理(M)』管理スキルで探してみる。

 直ぐに見つかる。


 

・ギルド拠点のコアに寄付する。

・拠点の無いギルドは――――・・す・。

・経験値やお金の上納設定しておくと自動で寄付される。


 注意:間違って寄付したアイテムは一定期間内に特定設備にGPを払う事でしか取り戻せません。

    ギルドには維持コストが掛かります。メンバーは一律取得経験値の1%が徴収されます。別途GPで指定Pを払う事で免除もできます。

    ギルド拠点には維持コストは掛かりません。



 拠点の無いギルドの説明がなにか少しバグって居る気がするが何故だろう?

 確か、WMOでは【ギルドマスター】の転職場所にあった巨大なコアで寄付できたはずなんだが……。

 もしかして、この世界にはあのコアが無いのか?

 

 まあ、それはいいや見た覚えもないし、探してもあんまり意味も無いしな。

 ギルド拠点があるからコアにそのまま寄付すればいいんだな。

 よし、早速やってみよう。



 コアが在る部屋まで移動すると、直ぐに試す。

 ボロボロの布を1つ取り出すとコアに近づけてみる。

 すると、ボロボロの布が光の粒になってコアに吸い込まれた。


 現在のGPを確認すると50GP。

 どうやら1つ50GPだったようだ。

 これが多いか少ないかはいまいち解からないがまずはコアの機能追加だ。


 早速追加を試してみると……。


『設備設置に必要なMPが足りません』


 あ、そういえば……


 MP 0/ 12000


 全くチャージしてないな。

 MPを全部使い果たすのは少し怖いから、8割ほど投入する事にする。

 寄付と同じ感覚で、コアに手を当ててみる。


『MPをどれだけチャージしますか?』


 8割ほどとイメージする。

 一気に体から何かが抜けていく感じがする。


『MPチャージ 102/12000』


 100ほどチャージされていた。

 あれ?

 俺のMP消費量よりはるかに少ないな。

 1:1のレートでチャージできるのではないのか。

 もしかしたら、この辺の効率は後々上げるとかあるのかもしれない。


 まあ、これでMPもチャージしたしまずは機能追加だ。

 

『コアに情報投影機能を追加してもよろしいでしょうか?』


 OKっと。


『設置中 00:04:59』


 あとは5分待つだけか。

 


 ――5分後。

 

 おお、ゲームの時みたいにウィンドウで情報が見れる!

 個人のステータスとかの情報の方もこっちで見れるのか。

 これは便利だな。

 GPに余裕が出来たら携帯用も欲しくなってきたぞ。

 

 まあ、このままやってるとどんどん横道にそれていきそうだから、早速防衛設備の方を調べる。

 ウィンドウを操作すると……。

 ずらーと表示される防衛設備の数々。

 

 例えばゴーレム一つとっても、多種多様のゴーレムがある。

 防御力が高いやつ、近接攻撃に特化したやつ、遠距離射撃、魔法攻撃、回復用……などなど。

 沢山ありすぎてこまるな。

 ただ、上位のゴーレムになるとそう簡単には作れないようだった。

 莫大なGPはもとより、特定の設備が必要などの条件が設定されているのだ。

 もしかしたら、職業の転職条件みたいにツリー状に条件設定があるのかもしれないな。


 さて、防衛設備を一通り見たところでは……。



・ゴーレム

  自律行動で防衛を行うゴーレム。

  それぞれには役割があり一概に攻撃のみというわけではない。

  

・固定式攻撃装置

  カタパルトなどのギルドメンバーが動かす大規模な武器から、レーザーの様なものがが自動発射される装置まで色々。


・トラップ

  そのまま、ずばりトラップ。簡単な所でいえば落とし穴とか地雷とか。

  酷いのだと自爆装置なんてものもあったり……トラップの範疇なのか?


・城壁などの障害物

  生垣や有刺鉄線から城壁などまで色々作れる。

  大きな石とかもリストにあったが、う~ん設備なのか? ただ置けばいい気がするんだが……。

 

・防衛施設

  簡単なので言えば見張り台とかだろうか?

  あるだけでステータスに補正があるようなものまで各種あった。

  女神像でステータスがALL+1%とかゲーム内ではよくあるような設定だが、この世界ではどういう仕組みなんだろう?


・魔法装置

  色々な魔法装置があった。

  特に気になったのは結界系の装置だな。

  MP消費で進入を防ぐバリアみたいな物を展開するやつがあったので、設置の有力候補かもしれない。


 

 大まかに分けるとこの5つか。

 例えば壁状のゴーレム(動く壁)などといった二つ以上の特性をもったものの様に分類から外れる物も多々あったが、まあ今はいいだろう。

 

 う~ん、前にWMOの中で知り合いのギルドにギルド戦にまぜてもらった時はダメージがそれなりにうっとおしくはあったけど、そこまで脅威には思わなかった。

 それよりも怖い廃人連中が暴れていたから……。

 一撃でつぶすとまでは行かないけど、最上位ゴーレムだけなら中ボス感覚で倒せた覚えがある。

 ただ、転職が出来ないっぽいこの世界の縛りだと、最上位ゴーレム1体だけで倒すのは無理ゲーになる気はする。

 う~ん、どの辺りの戦力を配置するのが適当なんだろう?

 単純に結界装置で進入を防ぐだけでもいいのかもしれないな。

 上位の物になれば、この世界の軍隊でもそうそう簡単には突破できまい。

 あとは、前提条件の設備とか施設の条件次第か。


 他の設備は……。

 攻撃設備と一般設備か。

 

 攻撃の方はと……。

 …………。

 

 衛星兵器や大陸間弾道ミサイルじみた兵器があった……。

 機械文明の武器は世界観的にどうだとおもわなくもなかったが、WMOにはロボットが闊歩する昔の近未来感の世界もあったことを思い出す。

 ただ、魔法的な装置でも同様な恐ろしい物があった。


 うん、見なかったことにしよう。

 作ったら世界を滅亡させれる気がする。

 


 攻撃設備は封印として、一般の方を見よう。

 う、心引かれる設備や施設の数々が……。

 

 生産設備がプレイヤーメイドの最高級品と同じ物が設置できるじゃないか。

 品質は普通のやつになるみたいだから、生産を極めた品質最上級の物よりは幾分落ちるが、レシピ的には作れない物はなくなるぞ。

 その辺になると、品質や成功率の補正の違いだけだからな。

 それに、今あるものと……ゲーム内で俺が使ってた物と比べてもはるかに性能がいい。


 他にもいろいろあるな。

 うう、どれも欲しい。



・生産設備

  各種生産設備、ランクアップも可能(総消費GPが幾分増える)。

  上位の物にはGPとは別途アイテムが必要か……。


・飛行機能追加

  空飛ぶ拠点。飛行要塞。

  莫大なGPと特殊アイテムが必要。

  アイテムがきつすぎて諦めざる終えないな。

  いつか……いつか……。


・異次元に拠点を設置

  異次元に拠点を設置できる。

  敵の攻撃も受けなくなる。

  一見凄くよさそうに思えたが、入り口のゲートを全て壊されると次元の迷子になって強制的に敗北するの一文が怖すぎた。


・拠点移転

  拠点の場所を移動できる。

  持ち運びは拠点をアイテム化して移動する。質量保存の法則は? とか言うツッコミはこの世界では今さらだ。少し酷い気はするが。

  1回の使い捨て機能と無限回数できる設備設置があった。

  両方とも時空石が必要。一応両方とも個数は足りてる。使い道が比較的多い素材だけど、必要になったら出来なくは無いな。


・ギルド倉庫

  その名の通りギルド用のアイテム倉庫。

  これを設置したら、ゲーム世界のアイテム倉庫にアクセスできるのか?

  出来るのなら真っ先に作りたいのだが……。

  そうでなくても、貴重品を入れておけるのは何気にいいか。


・宝物庫

  宝物庫。

  ギルド倉庫とほぼ同じ機能だが、こっちの方が必要GPが高く保管数が少ない。

  ただし、宝物庫に応じたランクの不思議の宝箱というものが設置されるらしい。

  一定期間毎に中身が生成される宝箱のようだ。

  WMOだとゴミでも、この世界だと相当な貴重品になるものも多い。

  余裕が出来たら作っておきたいかもしれない。


・ギルドダンジョン

  ギルドダンジョンは結構な難易度だと聞いたから、今の時点では危険すぎるだろう。


・訓練場

  訓練場は決闘の結界水晶を使った時と同じく命の危険は無い。

  必要素材も決闘の結界水晶があればいいからGPがあれば作れなくは無い。

  戦う相手も一度会ったモンスターならどれでも呼べるみたいだ(コピーだが)。

  ドロップなしの経験値1/10だが、命の危険が無いことを考えれば悪くない。

  俺のWMO方の図鑑のデータから敵が呼び出せたら結構いいかもしれない。

  

・闘技場

  闘技場はランクさえ選べば戦えそうだ。

  あと、定期的に収入があるのも見逃せないな。

  訓練所と同様に命の保護があるみたいだしな。

  同じく、作成に決闘の結界水晶が必要のだけど。


・治療設備

  高度な治癒魔法の魔法陣。

  コアからMPを消費してHP&状態異常を全回復させる。


・回復速度UP系統

  豪華なベッドから、果ては温泉まで。

  それぞれの設備に応じて回復速度が上昇する。

  温泉など一部バフ効果のある設備も。


・転送装置

  マーキングした場所に転移できる装置。


・畑などの資源生産(採掘)の設備

  鉱山の入り口(何処に繋がっているのだろう?)や畑(ランクに応じて成長速度がUPする)など資源を獲得できる。

  ただ、色々条件や必要アイテムなどの面で畑以外は設置が絶望的。


・食堂・商店

  料理人や商人を誘致すると、商業施設が開店できる。

  食堂は食材を補充(畑などの生産で自動供給も出来る)しないと料理を作ってもらえない。

  でも商店を誘致したらマユさんに殺されるような気がする。

  

・ギルドメンバー枠拡張設備

  ギルドメンバーの上限を増やす設備。

  幾つか種類やランクがあるが、今は必要ないだろう。


・魔力タンク系

  ギルドコアの上限MPを増やすための外付け魔力タンク(タンクではなく、魔石とかだけど)。

  ギルド戦で破壊されると貯めてあったMPが消失する欠点もあるみたいだ。


・生産ライン、建築用ゴーレム

  建築用ゴーレムは設備設置の必要時間の短縮などの効果があるらしい。

  生産ラインは……自動量産でもするのか?


 

 うん、軽く見ただけで、気になるのが結構あったな。

 これは、俺だけで考えず、みんなの意見も聞いた方がいいかもしれない。


 

 なんて思ってしまったのが間違いだったんだな……。

 皆を呼び出して5~8割程度のMPをチャージさせてから相談を始めたわけだけど……。

 目の前の口論に繋がってしまったわけだ。

 はぁ……。


「それにしても、メンバーリストもそうですが、あのギルドのコアというものも王者の石に似ていますね」

「ああ、そういえばメンバーリストの事も何か言ってたな、昨日。なんだっけ?」

「継承の石版に王者の石です。両方とも王位継承権にかかわる儀式で使います」

「儀式?」

「はい、継承の石版には王の名前と継承順位毎の王族の名前が記されているんです」

「継承順位?」

「はい。それで、儀式を行って継承の石版の内容の変更をするんです」

「儀式をすると、メンバーリストの様に光って更新されるのか?」

「いえ、儀式後1週間ほどたつと更新されます」


 1週間か……。

 うん? 何か聞き覚えがあるような期間だな。

 なんだっけ?

 う~ん。

 『ギルド管理』でちょっと調べてみる。

 ああ、あった。

 ギルドマスターなどの権限者が不在の時の特殊操作だ。

 メンバーリスト、ギルド拠点のコア、転職場所のコアでメンバー全体の過半数の賛成があり、1週間異議(マスターによる)がなければ行使なんだ。

 基本ギルドマスターがログインしなくなった時に変更する方法のはずだが……。


「あの、どうしました?」

「その儀式ってどんな事をするんだ?」

「はい、継承の石版に触れながら変更の内容を宣言して、形式的な賛同をその場の皆で行うのです」

 

 いや、それはたぶん形式的じゃなくて、必須なんだと思う。

 となると、セントリナ王国というかこの世界の国も勢力戦の仕組みの中で戦っているのかもしれない。

 いや、昔はそうだったが、今では忘れ去られて儀式だけになっているとかかもしれないな。


「もしかしたら、このコアとかと同じ類のものかもしれないな。使う素材によって材質は変化するし」

「え、それじゃあ……クロ様は国を作ったと言う事ですか?」


 あ、その辺どうなんだろう?

 これも調べてみよう。

 う~ん、拠点をどんどん広げていくと領地みたいな物ができて、そのまま広げていくと国レベルまでいけるみたいだ。

 領地は規模や発展度合いなどに応じて定期的にGPを得られるのか。

 ………………うん?

 もしかして、セントリナ王国のコアを壊せば戦争報酬で莫大なGPがGETできるんじゃないか?

 何十年いやそれ以上の単位の期間ため続けた物だ。

 一定割合といっても恐ろしいGPになりそうだ。

 攻めるか? あの国を……。


「あの? クロ様?」

「ああ、悪い悪い、たぶん領地を広げていけば出来ると思う」

「そ、そうですか」

「ま、戦争とかはしたくないからする気は無いけどな」


 うん、落ち着け俺。

 そんな事をしたら戦争になるじゃないか。

 欲に目がくらんじゃダメだ。


「そうですか、安心しました」 



 そんな事を話し合っていても、まだ3人は終わってない。


「まだまだ、時間が掛かりそうなので、私はミルファの看病に戻りますね。部屋の映像の表示もMP消費するみたいですし」


 レナさんは、ミルファさんの部屋の映像を表示していた画面を閉じると部屋を出て行く。

 機能の一つとして、ギルド拠点内のすべての映像を表示させる事が出来たのだ。

 ただ、「お風呂とか覗きたいなら覗いてもいいわよ」とシーナの言った一言で、皆から使用中は見るのを禁止された(そういえば、俺だけ禁止?)。

 

「さて、この議論何時まで続くのだろう?」


 3人の様子を横目に、一番弱いゴーレムを10体ほど作っておく。

 消費GPも凄く安いから、まあ作っておいても問題ないだろう。



・プチゴーレム

  設置コスト:10GP (00:10 5MP)

  消費MP:1(/月)

  必要容量:1

  一番弱いゴーレム。

  HP回復させる事が出来ない使い捨て。

  

  HP:  100

  攻撃:  10

  防御:  10

  魔法防御:10

  速度:   5



 まあ、見るからに安物だな。

 ボロボロの布を2つ寄付して。

 設置指示を出す。

 設置場所を聞かれたので、店の入り口に2体、入り口に2体、裏口に2体、隣の空き地に4体と言う考えで、まずお店の入り口の右側に設置を指示。


 もう一度設置指示を出そうとしてエラーメッセージが出る。


『これ以上同時に設置を行えません。 残り時間 00:09:27』


 う、まさか同時に設備を作ることが出来ないのか?

 もしくは、何か設備を作ることで増えるのか?

 どっちにしろ、同時進行できないとなると、時間があるときに色々作っておく必要があるか……。

 う~ん、これは早く方針を決めないとだな。



「今まで加工できなかった素材を加工できれば売り上げアップですよ。それに寄付するにしても加工してからの方が効率いいのではないですか?」

「宝箱からいいものが出るかもしれないじゃない!」

「レベルが上がれば上位のダンジョンとかにいけるよ!」


 まだやってるな、あの3人。

 ただ問題は、俺もどれも作りたいとは思ってることなんだよな。

 現状はGP不足で全部というか、一つ出来ればいいってのがネックなんだよな。

 う~ん。

 アイテムボックスの中身の鉱石類の加工をするのが一番なのか?

 ってまてよ、当初の目的の通り、全部防衛に回せば十分なんじゃないか?

 さっきも感じたけど、何か人の欲望は怖いな……。

 どんどん流されていく気がする。

 3人を見てると特に、そんな気がする。



 先ほどミルファの部屋に看病に戻ったレナさんが慌てて飛び込んでくる。

 ただ、その顔は真っ青に血の気が引いている。


「クロ様、今すぐきてください。ミルファが目を覚ましました。覚ましましたけど……」

「え? おめでとう?」


 目を覚ましたと言う事だが、そうは言っても何か様子がおかしい。

 待ち望んだ事のはずなのに笑顔どころか酷い顔色だ。

 一体何があった?


「とにかく今すぐきてください!」


 俺はレナさんに引きずられるように部屋に向かう。

 3人も彼女の様子にただ事ではない物を感じて議論をやめて一緒についてきた。



 ミルファさんにいったい何があったんだ?

次回 ミルファさんに何があったのか明らかに!

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