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第6話 ギルド結成

今日はまだまだ更新するよ!

「ギルドを作るぞ!」


 ミルファさんが眠り続けている部屋に皆を集めてそう宣言した。


「ギルドってなによ?」

「ギルド?」

「それはなんですか? 師匠」

「ギルドですか?」


 うん、ギルドの説明が面倒だから、はしょれないかなとか思ったりはしてないよ。うん、本当に……。


「ああ、ギルドってのはな……」


 俺はギルドやギルド拠点について説明していった。

 M&Mをギルド拠点にしてもいいかとマユさんに確認もした。

 マユさん答えは、


「クロさんが買ったお店ですし、私に何か言う権利はないです。ただ出来ればお店を続けたいです」


 という感じだったのでお店も続けれると伝えてOKをもらった。

 ギルド拠点は他の人間も入ってこられるエリアの設定とかお店の設定とかも出来たはずなのでたぶん大丈夫……なはずだ。



 説明を一通り終えたあと最終確認をする。


「それで、ギルドを作ろうと思うんだがいいか?」


 皆はそれに、


「まあ、いいんじゃない?」

「賛成です。これで少しぐらいなら採取にいけるかもしれません」

「防衛用のゴーレムってのと戦ってみたいな!」

「ミルファがより安全になるなら、反対する理由はありません」


 と賛同……一部おかしな意見があるきはするが……。OKってことでいいのだろう……たぶん。


「それじゃあ」


 と、オリハルコンを取り出し『メンバーリスト作成(M)』を使おうとした時にまったと声が掛かる。


「その金属なによ? 凄く高そうな気がするわ!」

「まってください、其れは何ですか? シーナの指輪の時の金属と同じ気がしますが、あの時以上の大きさですよ!」


 シーナとマユさんがオリハルコンに注目した。


「オリハルコンだよ」

「オリハルコンって言えば伝説の金属じゃないですか!」


 マユさんがその答えに鋭く反応する。


「伝説の金属!? とんでもない値打ちがありそうね」


 キランと目を光らせたシーナには『パラライズショック(M)』を打ち込む。


「うぎゃぁ」


 電撃のショックで暫くしびれて動けないだろう。


「ギルド作成にはそんな貴重なアイテムが必要なのですか?」

「いや、他の素材でもいいのだけど、他の素材の方の入手のあてが全く無いからな。それに良い素材だといくらか特典がつくしな」


 マユさんの問いにそう答えるが、伝説の金属に生産職として心惹かれるものがあるのだろう物欲しそうな目をしている。

 う~ん。さっさと使った方がよさそうだな。


「『メンバーリスト作成(M)』!」


 俺の手にあったオリハルコンが形を変えて豪華な飾りで縁取られた板状の形になる。


「ああああ……」


 マユさんの悲しそうな声が響くが今は放っておこう。


「あれは継承の石版? いえ、少し違いますか?」


 レナさんもなにやら呟いているな。

 少し気になるけど、それよりも完成した板を見てみよう。


 

オリハルコンのメンバーリスト(追加効果:ギルドメンバー取得経験値+5%、ギルドポイント取得時+5%)


 ギルド名:未設定

 ギルドマスター:クロ

 メンバー:-----------

 メンバー:-----------

 メンバー:-----------

 メンバー:-----------

        ・

        ・

        ・


  

 お、オリハルコンにしただけあって追加効果がいいな。

 経験値UPもギルドポイントUPも何気においしいぞ。

 まあ、其れはともかく、メンバー登録をしてしまおう。

 って、加入申請はどうやってだすんだっけ?

 『ギルド管理(M)』スキルを発動させようとしたが、『まだギルドが結成されていません』というエラーメッセージが出る。

 あれ? どうするんだ?

 『ギルド結成(M)』スキルを使ってみるか?

 『ギルドメンバーが足りません(1/5)』というエラーメッセージ。

 そういえば作るときだけは5人必要だったよな。

 俺達2人でギルド作った時も作成時だけ知り合いに手伝ってもらった気がする。

 手伝ってもらった知り合いが一度作成に立ち会った事があるとかで言われるまま作った気がする。

 やばい、細かな手順忘れたぞ。


「なにしてるのよ、ギルド作成はどうしたの?」


 復活したシーナが聞いてくる。


「う~ん、これどうやってメンバー登録するんだ?」

「そんなのちょっとかしてみなさい!」


 シーナがオリハルコンのメンバーリストを奪って腰からナイフを抜く。

 

「こんなのナイフで彫りこめば……あれ? 何か頭に聞こえてくる。ギルドのメンバーとして登録しますか? え? なにこれ? YES?」


 なにやらシーナが呟いてるかと思うと、オリハルコンのメンバーリストが一瞬光りメンバーとしてシーナの名前が追加されていた。


「お、追加されたな。どうやったんだ?」

「これを手にしたら、何か頭の中に声が聞こえたのよ、その声に答えたらなんか終わってたわ」


 手にするとシステムメッセージが流れる感じか。

 そういえばそんな手順だったような気がする。


「じゃあ、マユさん、セリカ、レナさんもやってみて」

「はい」

「わかったよ」

「わかりました」


 という感じで他の三人も無事に登録を終える事ができた。

 ミルファさんの手をオリハルコンのメンバーリストに載せてみたけど、やっぱり登録はむりだったので彼女は目を覚ましてからにする。


「それじゃあ、『ギルド結成(M)』」


 スキルを使ってみると『ギルド名[未設定]でよろしいでしょうか? ※いつでもギルド管理画面で変更できます』のメッセージが。

 そういえば、ギルド名を考えてなかったな。


「ギルド名なにがいい?」

「シーナ盗賊団なんかどう?」

「M&Mでいいのではないでしょうか?」

「ロードナイトがいいよ!」

「明るい家族などはどうでしょうか?」


 う~ん、それぞれらしい感じがするな。

 ただ、レナさんの明るい家族って色々と意味深な気がする。

 よっぽど酷い家族関係だったのだろうか……。

 う~ん悩むな~どれか一つ選ぶと……選んだ子の友好度が+1で他が-1になるような気がする。

 こんな事で妙な地雷を踏むのもばからしいし俺が決めるか……。

 まあ、あとでも変えられるし適当に……。


「皆ばらばらだから適当に俺が付けておくよ。いつでも変更可能みたいだし、変えたい時は皆で相談って事で」


 『ギルド名:WMO』

 頭の中でそうそう唱えて、設定し最終確認で『YES』を選択する。


『ギルド[WMO]が結成されました』


 頭の中にシステムメッセージが聞こえる。


「WMOってなによ?」

「ああ、俺のいた場所で有名な団体だよ。知り合いがだれかこっちに飛ばされていれば気づくかなと思ってな」

「そういうことですか、じゃあWMOでいいのではないでしょうか?」

「べつにそれでかまわないよ」

「わたくしも、それでかまいません」

「ま、私もそれでいいわ」


 と言う事で無事ギルド[WMO]は結成された。


 次はギルド拠点の設定だ。

 『ギルド管理(M)』スキルを使ってみると今度は無事にスキルが発動して、頭の中にコマンドの一覧が浮かぶ。

 メンバー管理、役職設定、ギルド名変更……などなどギルドの管理に必要な項目が並んでいる。

 その最後に問題のコア作成の項目があった。

 コア作成を選択すると、


『コアを作成します。コアの設置場所にメンバーリストを置き、

 その上にコアの素材を置いてください。

 なおコアの設置場所の変更にはギルドポイントが別途必要になります。

 また戦争中と終了後一定時間は設置場所の変更が出来ません。     』


 と頭に響く。

 設置場所か何処がいいだろう?

 一応ポイント消費で変更は出来るみたいだけど、無駄に消費するよりは最初からちゃんとした場所に設置する方がいい気がする。


「コアってどこか設置するのにいい場所は無いか?」

「普段は邪魔になるだけですし、空いている部屋でいいのではないでしょうか? まだまだ空いてますし」

「そうか、それじゃあこの部屋の隣にするか」


 コアの近くの方が守りは硬くなるだろうしな。

 ちょうどいいだろう。


 俺達は5人で隣の部屋に移動する。

 

「じゃあコアを作成するぞ」


 俺はそう言ってオリハルコンのメンバーリストを部屋の中央に置き、その上にM&Mの隣にある空き地の石を、3つ置く。


「って、石ころでいいの?」

「このコアまで攻め込まれたら終わりだし強くても意味無いだろう?」

「そりゃそうかもしれないけど……」


 シーナにそう返して、『ギルド管理(M)』の中のコア作成をもう一度選択する。

 さっきのシステムメッセージが出たのでそのまま『YES』を選択。

 すると、コアのステータスが表示される。



安物のコア


 HP    10

 MP    1

 容量    0

 防御力    1

 魔法防御力 1

 


 うん、能力が物凄く低い、まあいいやとそのまま作成しようとした所で、ふと気がつく。

 HP、防御力、魔法防御力はいいとして、MPと容量ってなんだ?

 疑問に思った瞬間、頭にシステムメッセージが浮かぶ。


『MP:ギルドの設備および防衛設備で魔力を使う物はここからMPを消費する。補給はギルドメンバーがMPをチャージする事で行う』

『容量:ギルドの設備および防衛設備を設置できる容量。この値まで設置が可能になる。』


 そうか、MPと容量は……。

 

「ってダメじゃないか! 容量0って何も設置できないじゃないか!」

「どうしたの?」

「コアの能力が低いとゴーレムなんかの防衛設備を設置できる数が少なくなるみたいだ……というか今のままだと0だ」

「それじゃあ意味無いじゃない!」


 うん、シーナの言うとおり意味が無い。

 それじゃあ、石をドラゴンの鱗に変えてみる。


『素材として使えないアイテムが混ざっています』


 エラーメッセージが出た。

 隠しダンジョンで手に入れたドロップアイテムをいくつか試してみるが、鉱石や魔石の類だけしか使えないみたいだった。

 それに加えて同じ素材を複数個入れた場合1個分の能力上昇しかないようだった。

 石と入れ替えてもほぼ数値が変わらない。

 という事は3種類別の素材を入れるのがいいだろう……何を入れるか?


「ちょっとまって、今何か色々と恐ろしい物を取り出してなかった?」

「凄い素材が幾つも出てきた気がします」


 う~ん、組み合わせとしてはオリハルコン、魔晶石、ミスリルあたりか……。

 他にも上位素材はあるけど、防御力や魔法防御力の方が重点的にあがるな。

 MPと容量を増やす事を考えるとこの三つが一番よさそうだ。

 で、問題はオリハルコンの鉱石などの材料の時点でもそれなりに効果が高かった事だ。

 最大値求めるなら上の三つだが、貴重な素材の温存を考えるなら、鉱石でもいいかもしれない。

 性能差は4割減って感じだ。

 う~ん……。

 設置するものの質はギルドポイントで変わるだろうし、貯めるのも結構大変な気がするから、出来る範囲は最高値にしておいた方がいいかもしれないな。

 よし、オリハルコン、魔晶石、ミスリルにしよう。

 3つの素材をオリハルコンのメンバーリストの上に置き『ギルド管理(M)』のコア作成。

 コアのステータスが表示される。



高級コア


 HP    20000

 MP    12000

 容量    15000

 防御力    5000

 魔法防御力 7000



 うん、やっぱり最初のコアのステータスとは桁違いだ。

 よし、これで作成と……。


「待ってください! その金属もしかしてミスリルなんじゃないんですか!? あとオリハルコンともう一つは凄い魔力が感じられます」

「ミスリル!? 最初の石ころで作らない? それでその3つを私に……」


 マユさん結構鑑定眼があるな、それともかんなのか?

 あと、シーナの戯言はまあ無視だな。

 

「作成っと」


 作成しようとした所でまたもやエラーメッセージが……。


『建物内に敵対勢力が侵入していて設置できません』


「敵対勢力だって!?」

「そんな気配なかったわよ!」

「ええええ」

「敵は何処? 勝負よ!」

「敵……ミルファは大丈夫!?」


 その場の全員が……たぶん全員が驚いている。

 特にレナさんの反応は劇的で顔を青くして部屋を飛び出していった。

 

「セリカ、レナさんとミルファさんの護衛を頼む」

「勝負は?」

「見つけたら相手を譲るから(余裕があれば)」

「うん解かったよ!」

「マユさんもセリカと一緒に行って」

「解かりました」

「俺とシーナは索敵だ。敵を見つけるぞ」

「しょうがないわね。後でさっき出してたやつ何か頂戴よ」

「敵を見つけて逃がさなかったらな」

「え!? 本当にくれるの!?」

「ああ、(ドロップアイテムの方なら1つぐらいやってもいいさ)」

「絶対見つけるわ!」


 うん、シーナが恐ろしくやる気になったな。

 俺も負けずにがんばろう。



 と、最初はやる気に満ちていた俺達だが、探せど探せど敵が見つからない。

 何度かコア作成してみるがそのつど敵対勢力が居るというエラーメッセージが表示されるのは変わらない。

 念のため俺のアイテムボックスから保存食を取り出し昼食をとり、その後探し続けてついには夕食時になってしまった。



「全然みつからないわ」


 シーナの顔には疲労の色が濃い。

 まあ、俺も似たり寄ったりかも知れない。


「夕食も作れませんね……」


 マユさんも顔色が悪い。

 

「ミルファだけは絶対守ります」


 レナさんは悲壮な覚悟で周りを警戒し続けている、あれじゃあ先にレナさんがまいってしまうな。


「これだけ探して見つからないなんて凄く強そうだよ!」


 セリカは能天気に元気だが今はその能天気さがありがたい。



「どうする? このまま見つからなかったら今夜はここで交代で警戒するか?」

 

 おれがアイテムボックスから夕食を取り出して配りながらたずねる。


「それしかないわね。ただこのレベルだと私とあんた、それにセリカぐらいしか警戒の意味が無いかもしれないわね」

「そうか、セリカも頼めるか?」

「いいよ~凄い強そうだから楽しみだよ!」


 その後は黙々と保存食を食べる。

 セリカ以外は疲れきって話す元気も無い。



 セリカ一人元気に話をして、他の皆は答える気力も無く話が続かない状態が暫く続いた後。

 彼女が眠り続けるミルファさんに目を向けながら、ふとこんな話題をもちだした。


「そういえば、この子起きるまでずっと仲間はずれ? 少しかわいそうだよ」


 確かにかわいそうかもしれないな。ギルドの加入は加入者の同意が無いと出来ないからな。

 同意無しで出来るゲスト設定でもしておく……。


「あああああああああ!」

「どうしたのいきなり大声上げて」

「クロさんどうしたのですか?」

「敵が見つかったの!?」

「見つけたのですか?」


 凄い見落としに気がついたんだ。


「ああ、見つけたといえば……見つけたな……」


 たぶん、正解のはずだ……凄くバカらしい答えだ。


「どこにいるのよ?」

「どこですか?」

「私の相手は!?」

「どこにいるのです?」


 俺は疲れた視線をミルファさんに向けながら……。


「たぶんここ」


 そう答える。


「え?」

「なんで?」

「?」

「そんなまさか」


 ミルファさんが敵だと言う俺の言葉にみんな驚いた様子だ。

 だけど、敵対の意味が違うんだ。


「ちがうちがう、ミルファさんが敵だというわけじゃなくて、ミルファさんが俺達のギルドのメンバーじゃないって事だよ」

「あああ~そういう事!?」

「?」

「??」

「?」


 シーナだけは理解したようだ。

 

 改めて俺は皆に説明する。

 今、俺達のギルドのメンバーはミルファさんを除くこの場の5人だ。

 そして、俺達の同盟とミルファさんは友好関係などの設定は一切していない。

 それがいきなり同盟の拠点の中に現れたとなると、侵入者として判定されるのだ。

 つまり、敵対勢力(同盟メンバー以外の人間)のミルファさんがいるという事だったのだ。


 直ぐに『ギルド管理(M)』でミルファさんをゲストに設定する。

 その後コア作成を行うと『ゲストが設定エリア以外に進入していますがかまいませんか?』という確認メッセージが出てそのままOKすると……。

 無事コアの作成が完了しM&Mが俺達のギルド拠点になった。


 ただ俺達は、ギルド拠点が出来た事を喜ぶ元気もなく、その日はそのまま早めに眠りについた。

 一応寝る前に、廊下とミルファさんの寝ている部屋と出入り口と店舗部分をゲストのエリアに設定だけはしておいた。



「あれ? 強敵は? 戦いは? あれ? 皆寝ちゃうの!?」

「セリカ今夜のミルファさんの看病頼む」

「うん……え? 何で? 戦いなくなったの~~~~~~~!!!!」


 セリカの叫びを耳にしながらつかれきった体は意識を手放した。

次の章は……ついにミルファさんが起きるのか!?

乞うご期待。

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