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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第23章 これが私達のプールだ~
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第6話 部活動

色々毒されてる実態が明らかに……。



※毎日更新継続中

 朝、目が覚めると、まだ周りが暗い。時計で時間を確認すると午前3時をちょっとすぎたぐらいだ。

 

「へんな時間に目が覚めたな」


 何でこんな時間に目が覚めたのかと昨日の事を思い出してみると、シーナと昼過ぎから宴会場で飲んでたという記憶を最後に、その後の記憶がない。

 そのまま酔っ払って寝たのか? あ、ノンベイ装備が俺の手に……何時の間に……。

 泥酔して記憶が無いってのは確かっぽいな……俺の部屋まで戻った記憶もないし。誰か運んでくれたんだろうか?

 

 まあ、なんか目がさめてしまって寝なおすのもあれだし、体が汗とかで気持ち悪いし、ちょっとひとっ風呂あびてくるか。




「ふわわわーーー」


 あくびをかみ殺しながら、脱衣室で籠に服を放り込む。

 こんな時間に風呂に入るのは初めてか?

 24時間使えるからこそだよな。

 普通だったらこんな無駄できないよな。

 


「じゃ、一番風呂としゃれこむか」


 扉を開けて湯煙に――


(うわ~にっげろ~)

(まて~~~~)


 ――――――ペチ。


 顔面に何かがぶつかってくる。

 それを引っぺがすと……。


(痛たたたた……なんなの? …………あ!?)


 確かティナと良くつるんでる風の妖精の……シーちゃんだっけか?


(大変だ~みつかった~)

(撤収~、撤収~)

(今日は終わりだ~)

(見張りは何してた~?)


 他にも沢山の妖精さん達が大浴場に集まって入浴? 大騒ぎ? それとも宴会? をしてたようだ。


「ああ、別にかまわないぞ。俺達の入浴時間避けてくれてたみたいだし」


(おお~~~話せるぜ~親方~)

(さすがソウルキャンディの人!)

(さすが匠だ~)

(よかったぜ~風呂に入らないと疲れが取れないんだよな~)


 それにしても、妖精達に入浴の文化なんかあったのか?

 う~ん、これはもしかしなくても俺達の影響を受けたと見るべきか?

 ま、いいかそんな事は……実害ないしな。



(小さいのと中ぐらいの風呂は入らない方がいいぜ! 人間じゃ怪我するぜ~)


 体を洗って、いざ風呂に入ろうとした時、親方みたいな感じの火の妖精が声をかけてくる。

 良く見ると、小さい方は氷が所々に浮かんだ氷風呂で、水の妖精や氷の妖精達が気持ち良さそうに入っている。

 一方、中の方は、ボコボコとお湯が沸き立っている。って、沸騰してるじゃないか!? その中に火の妖精達や土の妖精の一部が気持ち良さそうに入ってる。火傷とかはきにするだけあれか……。


「じゃ、大きい方にはいるか」


(大きいお風呂は~こっちの方が~熱めで~向こうの方が~ぬるいよ~)


 ぷかぷかと中に浮いた闇の妖精さんがそんな事を教えてくれる。

 まあ、奥の温めの方から入って、丁度いいところを探すか。



「ふ~」


 結局、大きい湯船の真ん中辺が丁度良い感じだった。

 

(どう~? 一杯飲まない?)


 水の妖精のお姉さん(?)がお風呂に浮かんだ桶を差し出してくる。徳利とお猪口?


「お酒か?」


(違うわ~魔力ポーションの熱燗よ~)


「………………」


 それ、成分とかダメになるんじゃ?


(ソウルキャンディとか、まだまだ皆、お子様よね~)


 う~ん、もしかして、MP回復成分が人間でいうアルコール成分みたいな感じなのか?

 沸騰風呂の火の妖精とか土の妖精とかもう完全に出来上がった感じだぞ。


(ぐははははは~)

(やっぱ、これが一番だよな~)


 うん、飲んでる物はともかく、色々毒されてるな。


「いや、今日はそんな気分じゃないんだ」


(そう? 残念ね~)


 そう告げると、すいーとお湯を滑るように他の場所に飲み仲間を探しに行ってしまった。



(あ、会長~会長~)


「会長って何だ?」


(ソウルキャンディ研究会の会長に任命されたの~今日のお昼から会合だから部室にきてね~)


 風の妖精が飛んできてそんな言葉を置いて、直ぐに他の場所に飛んで言ってしまった。

 色々質問させてくれ……。

 会長? ソウルキャンディ研究会? 部室?


 何だそれ!?

 それと、妖精って実体化してないと見えないんじゃなかったか?

 何気なくスルーしてたが、普通に見えてないか!?

 見え方は、属性の塊みたいな感じのあやふやなのから、狼なんかの獣っぽいのや、ノームとかサラマンダーとかシルフ見たいにしっかり見えるのまで。

 う~ん、ここに実体化のフィールドみたいなものが出来てしまっているのか?

 いや、違う。

 思い返してみるとなんか、この頃普通に妖精を見てる気がする。

 何時からだ?

 いったい何があった?

 


 そうして、考えてたのが悪かったのか、長湯で少しのぼせてしまう事になった。






 その日の昼過ぎ俺は、部活棟に来ていた。

 昼飯の時に、一緒だったアンに聞いたら、直ぐに答えが返ってきたのだ。

 何でも、ティナやちびっ子達に加え、レナさんやミルファさんまで、砦の宿舎を部活棟と呼んで、色々部活動と言うのをやってるらしい。

 ちなみにアンは、誘われた事があるけど、鍛冶修行に忙しいから断ったらしい。

 何時の間にそんなものが出来ていたんだ?

 元ネタは、まあ、解る気はするが……。


「本当に部活棟なんだな……看板までわざわざ作って……」


 よくある武術道場の看板みたいな感じで『部活棟』と書かれた木の板が扉の横に貼り付けられていた。


 中に入ってみると、造りは砦を手に入れた時と殆ど変わっていない気がする。

 色々な荷物が廊下に詰まれていたり、それぞれの部屋に色々表札や看板、ネームプレートがついてたりの変化はあるが……。

 う~ん、『秘密基地つくろう部』『お昼ね振興会』『פענוח צופן』『かくれんぼ!』……などなど、色々ある。

 

 そんな感じで、『ソウルキャンディ研究会』を探していると、『拠点への近道』と書かれた部屋からティナ達が出てきた。

 漫画を積み重ねてタワー状態で、ちびっ子達の方は今にも崩れそうだ。


「ティナ、店の方の手伝いはもういいのか?」


「マユちゃんが、お詫びのお手伝いは、今日のお昼までで良いって~だからお昼からは、今までの分遊ぶんだよ~」

「あそぶニャ~」

「そうだワン!」

「…………(まんがも~)」

「…………(だいすき~)」


「で、何処まで行くんだ? 少し持つぞ」


「「「「「ありがとう~」」」」」


 ちびっ子達の分の漫画の一部を持ってやりながら着いて行くと、そこには、『漫画同好会』と書かれた部屋があった。


「同好会? 漫画クラブとか漫画部とかじゃないのか? 同好会って部活に昇格できなかった集まりとかじゃないのか?」


 ふと思ったことが口から飛びだした。

 まあそんな細かい取り決めもしてないかと思い直したのだが。


「私達の『漫画研究会』は、レナちゃん達に乗っ取られたんだよ!」


 思わぬ答えが返ってきた。


「え? 乗っ取られた?」


「ちょっとまって、漫画置いてから連れて行ってあげるよ」


 ティナに続いて部屋の中に入ってみると、畳敷きの和室のそこら中に漫画が散らばっていた。

 ついでに、寝っころがって読む為なのだろう座布団やクッションもいくつか落ちている。



「よっし、クロちゃん、付いて来て。ただし、絶対に気づかれちゃダメだよ! 今は修羅場の時期だから気づかれたら恐ろしい事になるよ! こっそりだからね!」


 なんか、すごく慎重な様子でティナが廊下を忍び足で音を立てないように慎重に歩いている。

 うん、なんでこんなに警戒してるんだ?


「(ここだよ! くれぐれも気づかれないようにね! 気づかれたら終わりだよ!)」


 ある部屋の前に来るとティナが、殆ど聞こえないほどの小声で注意を促す。

 看板を見るとさっき言ってたように『漫画研究会』の看板が出ている。

 2頭身の漫画のキャラクターが何人か描かれたカラフルな奴だ。


「(中を見るなら慎重に気づかれちゃダメだよ!)」


 そんなティナの再三の忠告に少し不安になりつつも、その扉を音が出ないようにほんの少し開けて中を覗く。

 その中には、漫画とかのイメージどおりの漫画家の修羅場があった。

 鬼気迫る様子でカリカリカリカリとペンを走らせるレナさん。

 職人芸かと思われる速度でトーンを貼っていく妖精さん達。

 消しゴムで下書きを消しまくってるミルファさん。


 俺は、絶対に音が出ないように扉を閉めてその場所離脱した。


 


「なんなんだあれ」


「修羅場だよ! マンガを描くときのユイショタダシイ作法なんだよ! 見つかるとアシスタントに引きずり込まれるんだよ!」


「漫画を描くのは解るけど、何で修羅場何が由緒正しいんだ?」


「締め切り間近に書き始めて、締め切り落としたり、原稿落としたりするのがマンガの描き方なんだよ! 修羅場にならないとダメなんだよ!」


 色々おかしいからな。

 絶対おかしいからな。

 あと、そんな作法とかあったら編集の人が号泣するよたぶん……。


 でもまあ、よくよく考えると、締め切りどおりにきっちり漫画を描きましたって漫画のネタではまずないよな。

 ネタにかかれるのは地獄の修羅場とかだよな……。

 訂正した方がいいのか?

 う~ん、下手に関わりたくない気もするし、放置にしておこう。

 なにか、警鐘がガンガン鳴ってる気がするんだよな。


「まあ、いいや。で、ティナは描かないのか? 漫画」


「私達は、読む専門だよ~。あれはダメだよ! 受け入れられないよ!」

 

 うん、俺もあの地獄に飛び込みたくは無いな。


「ま、何となく解った。あ、そうだ。『ソウルキャンディ研究会』って何処にあるか知ってるか?」


「知ってるよ~案内するよ~」


 そんな感じでティナの案内でその部室(?)についた。

 そこは、数部屋ぶち抜いて一つの部屋にしたようで異様に広かった。


「この部活棟で一番大きな部活なんだよ~! 妖精さん達の9割以上が加入してるんだよ!」


 ティナはそんな風に説明してくれた。

 中に入ると、沢山の妖精さん達に歓迎を受けた。

 見回してみると、調合室並みの施設に会議室や給湯室なども完備されたなんか他の部室とは一線を画していた。

 



 その後、会議が始まったが、その内容は当然の様に全てソウルキャンディに関する事。

 どうすれば美味しく食べられるとか、購入したソウルキャンディの分配とか、議論はめちゃくちゃ白熱していたんだが……。


 うん、俺帰っていいかな?

 さすがに、ソウルキャンディにそこまで熱くなれない。





 ちなみに会議は夕飯の時間までぶっ通しで続いた。

 流石に毎回出るとか面倒なので、名誉会長とか名誉職に変更してもらいました。


 あと、妖精さん達は物質化して無いと見れないはずなのにおかしいと色々調べてみたら。

 スキルの中に『ソウルキャンディの匠』なる見慣れないものが……。

 

 WMOでは無かったが、称号のようなものなんだろうか?

 効果はいまいちわからなかったが、少なくとも妖精達が見えるように成ったのはこのスキルのせいだと思う。

次は、アンなんかの話を書こうかと思っています。

ティナは、しばらくフェードアウトの予定。




ソウルキャンディの匠

 いつの間にかクロに生えていたスキルというよりも称号っぽいもの。

 

 説明には、


 『すごいソウルキャンディを作る職人』


 としか書かれていなかったり。

 色々謎のスキル。

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