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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第23章 これが私達のプールだ~
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第2話 プール開き

プール開き……こういうのもプール開きって言うのかな?

題名をつけたあと少し疑問に思いました。


毎日更新5日目です。

「じゃ、じゃ~ん!」

「どうだニャ!」

「どうだワン!」

「…………(がんばった~)」

「…………(たいへんだった~)」


 ちびっ子達が自慢げに胸をそらしながら、プールに続く扉を開く。


「これがプールですか~」

「水浴びには広すぎませんか?」


 レナさんとミルファさんは、特に疑問も無くプールを受け入れている。


「すごいわね……」


 一方、シーナは唖然と口を開けて固まっている。


 そして、俺はと言うと……。


「何でこうなった!?」


 我慢できずに声を上げていた。



 色々突っ込みどころ満載のプール(?)だが、少し整理しよう。


 まず、入り口入って右手には森が出来ている。水の流れる音も聞こえるから小川でも流れているのだろう。

 何処から流れてきて何処に流れていくのかはともかくとして……。


 次は、入り口入って左手だ。

 海がある! ず~と続く海岸線だ。沖の方を見ると、水平線のかなたまで見える。

 だがちょっと待て、色々おかしい。いや、おかしくない所が無いだろうと言われそうだが、まずは言わせてもらう。

 ここは、M&Mの地下だ! 何で海が出来てる! それに空を見上げるとギラギラと光る太陽までもあるじゃないか!

 と、そこまで考えて、やっと思い出す。砦の地下の畑の偽物の太陽と同じような感じか。

 少し、衝撃が大きくて思考が止まってたのかもしれない。

 そうだよ、地下なんだそんなに広いわけが無い。海も海岸も適当な所で壁面に映像が写されてるんだろう。

 海の方に向かって直ぐの所の一軒ぽつんと建った海の家にツッコミよりも先に安心感を覚えるのは何でだろうな?


 まあ、ここまでは前座だ。色々問題はあるがたいした問題に思えない。いや、思えなくなっている。

 問題は、正面だ!

 正面を真っ直ぐ進むとまずは案内板らしきものが設置してある。自家用なのに案内板いるのかって突っ込みはあるかもしれないが、特に問題にはならない。

 そのまま真っ直ぐ行くと、右から左へ長細いプールが続いている。よく見えないが良くある流れるプールとかなのかもしれない。長細い一本道のプールってのも否定できないけど。

 まあ、その上に橋が架かっていて真っ直ぐに進める。

 その先には、楕円形? 見える範囲ではプールサイドが丸い感じのプールがある。競技用の25mプールとかじゃなく遊園地とかの遊泳用って感じの奴だ。

 ここまでは、何人で使うんだという突っ込みはあるかもしれないけど、たぶんまともの範疇だ。色々基準が揺らいでいるんだが……。


 一番の問題は、正面にドデンと存在感をあらわしている構造物だ。

 たぶん、ウォータースライダー何だろうと思う。

 自信がもてないのは、あまりに普通のウォータースライダーからかけ離れているからだ。

 ジェットコースターといわれたほうがまだましな感じで縦横無尽に駆け抜けている。

 三回転半ひねり? 二連続宙返り? 直滑降? ジャンプ台? 打ち上げ?

 絶対コースアウトするだろうと思える急カーブなんてぱっと見で数箇所見つけている。

 あと、ジェットコースターとか、ウォータースライダーって位置エネルギーを運動エネルギーに変えるから、出発地点(ジェットコースターの場合はチェーンリフトで運んだ先)よりも高い位置にはいけないはずなんだが……。

 平気でそれ以上登るコース取りしてある。

 あれ、安全性とか以前にゴールまでたどり着けるのか?

 ついでに、ぐるっとこのプールの上を一周するようなコースのウォータースライダーもあるがそっちを見てまともだと感じてしまうほどだった。なんか、流れてる水の速度とか、カーブで飛び散る水の量がおかしいのは気にしない。



 もう一度言う!


「何でこうなった!?」



 それと、なんか足りない気がするんだよな。あの巨大なウォータースライダー見ていて、妙に違和感がある。

 何だろう?

 う~ん、なんだ?

 コースが変なのは良い、良くはないけど、それが違和感とも思えない。

 出発地点よりも高い所まで行く所か? う~ん、それかな? デモなんか違う気がするんだよな。

 気になるのは何処だ?

 コースアウトしそうな所は……あ! 何か足りないと思ったら、柱が足りない! コースアウトしそうなところ中に浮いてるぞ!

 おい、構造計算とか強度計算とか大丈夫なのか? ギルドコアの謎力なのか?



 色々疑問があるので直接ティナにぶつけてみる。


「ティナ! こんなプール、ギルドコアのカタログにあったか?」


 見たところ、自家用プールの小さい奴とか、競技用プールの25m×5レーンとかそういう感じのとか、遊園地とかのプールとかまでは見た気がするが、ここまでひどいのは無かった気がする。


「うん、ちゃんとあるよ! バラ売りなんだよ! だから皆で考えるのに苦労したよ~」


「バ……ラ……売り?」


「うん、プールサイドの真っ直ぐの部品とか曲がったのとか色々一杯あって組み合わせて作るんだよ!」


「…………」


「特にオータスライダーは、苦労したよ!」


 ウォータースライダーだからな……。いや、そんな事より、ばら売りの部品集めて全くのフリーハンドで作っただと!?

 やばい、何がやばいって、何が起こるか全く想像つかないところだ!


 う~ん、これは、あれを完成させておいて正解だったな。

 死亡事故が何時どんな理由で起きてもおかしく無い気がするぞ、ここ。




 今日は、セリカとティナのお祝いパーティから一週間が経っている。その間俺は結構忙しかった。



 一つ目は、妖精さん達への報酬のソウルキャンディ作りだ。時間がかかったのは、結構量があったのと、途中で味付けしてみようかと思い立ち横道にそれたのが原因だ。

 味付けについては今後も要研究って感じだ。



 二つ目は、マユさんに、何か新しいアイテムの作り方を教えてくださいと頼まれた事だ。ソウルキャンディ作りの途中、調合室で一緒になった時に頼まれたのだ。

 まあ、材料さえあれば色々と教えるものがあるのだが、生憎これと言って目新しいものが無い。だから、魔女の秘薬という特殊なアイテムの作り方を教えた。

 これは、簡単に言うと、アイテムとアイテムを混ぜて両方の効果を持たす薬の作り方だ。まあ、性能は落ちて、基本ネタにしかならないんだが……。

 ただ、これは、アイテムを混ぜ合わせる時に精密な割合が求められる。 3:17723 とかすごい細かい精度で求められるのだ。

 あと、割合は数学みたいな計算が必要になる。そんな計算なんてやってられないので、スキルが教えてくれるデフォルトの割合を使った。

 今回作る、魔女の秘薬自体はネタにしかならないが、精密な分量を扱うという意味で練習になると思ったのだ。

 

 ちなみに、このWMOで精密な割合を実現する方法は、2通りある。

 一つは、上位職業のスキルの能力に頼って、素材の精密測定をする方法だ。ただし、マユさんはそんなスキルを持っているわけ無いので使えない。

 そういうわけでもう一つの方法だ。これは単純に誤差の影響が出ない範囲にまで量を増やして大量生産するって方法だ。

 解りやすく言うと、1つ分0.001gは計るのは大変だが、1000本分1gは、計れるだろうって事だ。

 ただ、この方法だと、均一に混ぜるのが難しい。なので、反応速度を抑制してよくある魔女の大釜みたいなやつで数日かけてゆっくり反応させるのだ。


 そんな訳で、マユさんは、ここ数日、店番はアンや他のメンバーに任せて、殆ど徹夜でかき混ぜ続けている。

 ちょっと、ミスったかもしれないとしばらく経ってから気がついたのは内緒だ。

 WMO時だと、数日その場から動けなくなるだけだが、リアルでやったら……。まあ、何事も経験か。上位の薬とか作るときに必要になりかねないしな。



 で、三つ目がティナ達のプールに不安を感じたから作った施設で、これだ。

  

・救護施設

  設置された拠点内で、指定されたHP以下になるダメージを受けそうな時強制転移させて、入院させる。 

  ただし、入院中は全ての行動が取れない。


 入院出来る人数で、救護施設、医務室、病院、大病院とか何種類かあったが、20人まで入院できる救護施設にした。


 今までは、拠点内で即死する様な事は流石に無いだろうと作っていなかったが、プールの件で作ることにした。

 

 ただ、この施設は、ギルド拠点の施設のなかでも、建てるか建てないかで意見が分かれる施設なのだ。

 実際、俺がこの施設の事を知ってたのは、掲示板でギルドの施設を調べてた時、単独の施設を対象としたスレでダントツに伸びていたからだ。

 何故そこまでスレが伸びていたかと言うと、メリットとデメリットが極端だからだったからだ。


 WMO内でのメリットは、単純に拠点内に復活ポイントが出きる事だ。勢力戦なんかで街などの復活ポイントから拠点まで敵陣を突破して戻る必要がなくなるのだ。

 反面デメリットもある。ひとつは蘇生系のスキル、アイテム、魔法を使う前に転送されてしまう事と、復活ポイントだと即座に動けるが、この施設だとしばらく動けなくなってしまう事だ。


 今のリアルの場合、蘇生系は関係ないのと、死に戻りが無いからほぼメリットだけのように感じるが、緊急時『フルヒール』回復させて直ぐに戦線復帰させたい事があるかもってとこだよな。

 だけど、それよりは、安全を取ることにしたのだ。

 

 そういう意味では、どこかの国に狙われた時、引きこもる予定の砦にはつけるほうがいいかは悩む所だよな。




 うん、やっぱり、救護施設を作っておいて正解だったな。

 ここだと、どんな死亡事故が起きるか想像がつかない。


 


「水着は~このお店で借りられるよ~更衣室も中にあるよ~」


 ティナは皆を海の家へ案内していく。


 ちなみにメンバーは、ちびっ子達、俺、シーナ、レナ、ミルファさんだ。

 アンは、店番。マユさんは魔女の秘薬作り。

 リーフさんはエルフの森まで用事で出かけている。そういえばこの頃リーフさん用事であそこに行く事多いよな、何か問題が起こってるのか?

 ティナに隠す為に一人で内容告げずに行ってる可能性があるから聞くに聞けないんだよな。


 そういえば、セリカは何処に行ったんだ? 

 ここ作るのにも一枚噛んでいたはずだが?


 ちなみに、全員そろってからプール開きしなかったのは、ちびっ子達が待ちきれなかったからだ。


 そんな事を考えながら海の家で海パンを借りて更衣室で着替えた。

 一回レンタル料10GPは高いのか安いのか?




 女性陣の着替えは時間が掛かるのは世の常なので、おれは案内板でプール内を確認する事にした。


 まず正面、問題のウォータースライダーとその前に狐×2、猫、犬、ティナ(?)を模ったプール、それらを流れるプールが一周している。

 まるっぽいプールはちびっ子達の形だったのか。


 左側の海は特に案内と変わらない。『しょっぱいよ~』と『壁に注意!』という書き込みがある程度だ。


 見た目とは色々違うのは、右側の森の辺りだ。

 まず、森の名前にキャンプの森とあって中央付近に開けたキャンプ場らしき場所が確保してある。

 森の奥のほうには、釣堀の湖と言う名前の湖がある。そこから一本の川が森の中に流れており、名前は手づかみの川。

 う~ん、いかにも魚が取れそうな名前がついている。

 あと、手づかみの川は、部屋の外に繋がっていた。いったいどこに流れ着くのだろう?


 そして、右上の方に、50m×50mの競泳用っぽいプールもあった。

 飛び込み台も着いているが、お堅いプールもあったんだと少し安心した。

 ただ、ある表示をみるまでは……。

 深さ50m という表示をみるまでは……。

 何に使うんだよこのプール! 潜水か――止めておこうティナだと何か間違うとやりかねない。

 

「あ、師匠。一緒に訓練しませんか?」


 深さ50mのプールの謎を考えていると後ろから声がかかる。

 声をかけてきたのがセリカだというのは解る。解るんだが……。


「おい、何でフル装備なんだ?」


「水中戦の訓練をするからです!」


「は? 水中戦?」


 色々間違ってる気がしないでもないが……何から指摘すればいいんだ?


「ホラここに訓練用のプールを作ったんです!」


 指差したのは、水深50mのあのプール。

 ああ、色々納得した。セリカが協力したのはこのプールの為か。

 ティナも悪知恵だけは働くな。


「その鎧姿のままでか?」


「このまま水に落ちる事もありますから」


 服着たまま泳ぐ訓練の延長か?

 ま、水中で鎧を脱ぐくらいは必要かかもな。


「そっか、おぼれないように気をつけろよ」


「はい、気をつけます。ですが、水の妖精さんがライフセーバーですか? それをやるから安全らしいですよ」


 あ、その辺一応考えてたのか?

 でも、ちびっ子達の考えっぽくないな。たぶん、リーフさんが何か言ったんだろう。


「そっか」


「では、また~」




 セリカを見送ると、女性陣が水着に着替え終わったようでこっちに歩いてくる。


「完全装備!」

「完全ニャ!」

「万全ワン!」

「…………(プールよう)」

「…………(そうび~~)」



 ティナ達は、ワンピースの水着に、水中ゴーグル、シュノーケル、浮き輪、水鉄砲とまさに完全装備だった。

 ついでに、ティナはバナナボート、ポチはビーチパラソル、タマはビーチボール、狐っ娘姉妹はゴムボートも持ってきていた。

 

 シーナは、紅いビキニの水着だ。

 その水――。

 考え始めようとした所で、殺気が襲ってきたので止める。問題の部分まで考えてないだろ!


 レナさんは、カラフルなパレオと上着で、水着がうまく隠されている。

 ミルファさんは競泳用水着だ。うん、下手な水着より体のラインがでるよな。



 そんな感じで皆で集まった後、思い思いの場所に向かっていく。


 ちびっ子達4人は、ウォータースライダーに直行。

 シーナは、軽くプール(ちびっ子達の形の方)に入るようだ。

 レナさんとミルファさんは、海の方に向かっていく。


 俺はどうしようか? 

 レナさんに誘われたけど、最初は一通りぶらついてみる事にした。




 まずは、一番問題のウォータースライダー。


 案の定と言うか、コースアウトしてるな。

 って、ダメだろ!

 慌てて助けに行こうとしたが次の瞬間、空中に水の道が出来てコースに復帰。

 水の妖精さん達が楽しそうに道を作っているのが見えた。あとでソウルキャンディ差し入れするか。



 次は、水深50mのプール。

 プールサイドで、インナーだけになったセリカが咳き込んでいた。


「大丈夫か? セリカ?」


「ゲホ、ゲホ、水中戦をなめていました」


「はあ、今日は、ここでの訓練は一旦休め。水中での動きに慣れるなら向こうのプールでも出来るだろ?」


「はい、そうします。師匠」


 

 その後、セリカを伴って真ん中のプールに行くと、流れるプールでゴムボート上で酒を飲んでるシーナが居た。


「よっぱらっておぼれるなよ~」


「そんなドジしないわよ!」


 といいながら流されていく。


「セリカ、ここで逆走しながら泳ぐのもいいかもしれないぞ」


「それもいいですね~いってきます」


 セリカはインナーのまま泳ぎに行ってしまった。

 まあ、訓練というならあの方がいいのか?


 そのまま、横目にウォータースライダーを見ると、ジャンプ台で飛び上がってるバカ、犬、狐、狐。

 妖精さん達のフォローもあってコースアウトの心配もないみたいだ。うん? コースに復帰してるだけだからコースアウトしてるのか? まあどっちでもいいか。


 その後は、海に行ってレナさん達に合流する。

 水の掛け合いから、砂浜にお城を作って波に壊されたり、ビーチボールで遊んだりといった定番の事を一通りやった。



「次は他の所に行きますか?」


「あの滑るのをやってみたいです」


「あれは……」


「それでは、レナ一緒に行きましょう! 私もやってみたかったんです!」


 あのちびっ子作のウォータースライダーは流石にやりたいとは思えない。

 だが、ミルファさんの琴線には触れたようだいつもとは違いグイグイとレナさんを引っ張っていく。

 う~ん、見学して危なそうなら助けよう。



 レナさんとミルファさんが選んだのは、周りをぐるっと一周してくるコース。

 二人は一緒に滑るようだ。


 滑り出す二人、その速度がぐんぐん加速していく。


「きゃああああああああああああ」


 レナさんの悲鳴がドップラー効果をともなって頭上を通り過ぎていく。

 って、速過ぎないか!?

 コースレコード30秒を切る感じで一周してしまって居る。




「もう、滑りません! 絶対に!」


「クロさん、レナをお願いしていいですか? もう一度滑ってきます!」


 キラキラと目を輝かせながらミルファさんがウォータースライダーに戻っていく。

 キャラ違わないか?


 まあ、楽しそうでいいんだけど。


 しばらくすると、「きゃああああああ」と言うさっきのレナさんとは違って楽しそうな声が通り過ぎていく。


「何故、あれを楽しめるんでしょう?」


 レナさんは、顔をしかめている。



「もう一度いっくよ~」

「ワ~ン!」

「…………(こんどは)」

「…………(はやいやつ~)」


 ミルファさんを見てたのかちびっ子達も一周回るコースに行く。

 うん?


 なんか足りないような?


 まずは、狐、犬、バカ、狐の順で頭上を通り過ぎて行く。

 

 次は、ミルファさん。


 今度は、バカ、狐、狐、犬。


 その次は、またミルファさん。


 あ、今度は、5人で一緒に滑るみたいだな……あれ? ミルファさん入れて5人?



 ポチが足りない!

 

 慌てて、周りを見渡す。何時からだ?

 『索敵(M)』スキルまで使って探すと森の中の川の辺りに反応が……。


 レナさんと一緒に急いで向かってみる。


 

 川の真ん中あたりに、口から胸辺りまで真っ赤に血に染まったポチが居た。


「だ、大丈夫かポチ! その傷どうした!?」


「どうしたニャ? 怪我なんてしてないニャ!」


「その真っ赤な血はどうしたんですか?」


「? あ、居たニャ!」


 バシャという音と共に、手づかみで魚を捕まえるポチ。

 そして、そのまま丸齧りに……。


「…………」

「…………」


「どうしたニャ?」


 うん、魚の血だったか……。



「ポチ、魚は俺が焼いてやるからちょっとシャワーで血を流して来い」


「おお~わかったニャ!」


 


 その後、海の家でバーベキューセットをレンタルしてポチの取った魚を焼いて行った。

 匂いにつられたのか、いつの間にかタマ、狐っ娘姉妹、シーナまで寄って来ていた。


「ポチー早くとって足りないわよ~」


 シーナがお酒片手に魚の串焼きを食べながら催促している。


「おかしいニャ。殆ど食べれて無いニャ!」


「…………(わたしも~)」

「…………(やいてみたい~)」


「じゃあ、俺がやるのを見て次はやってみろ」


「…………(うん)」

「…………(がんばる!)」


 狐っ娘姉妹は、バーベキューコンロの上で焼ける魚を真剣な表情で見つめている。


「こういう食べ方も美味しいものですね」

「そうですね」


 レナさんとミルファさんにも好評のようだ。



 そんな風に皆でノンビリ魚を食べていた所で突然、ドガンという爆発音の後、ガラガラと何かが崩れる音がする。

 

「うん? 何の音だ?」


 音のした方を見ようとした瞬間、ブツンという音と共に突然真っ暗になる。

 何が起こったと確認しようとしたところで、


『魔力蓄積量が規定値を下回りましたので、優先度の低い施設への魔力供給を中止しました』


 そんなシステムメッセージが浮かぶ。



 いったい何があったんだ!?

次の話は、何が起きたのか明らかに。

容疑者は魚を焼いてる時そばに居なかったメンバーだ!


1番 ティナ

2番 セリカ

3番 リーフ


さて……。




釣堀の湖

 湖の底に、”お魚ゲート”と名づけられたゲートが設置してある。

 1日に付き1匹~10匹の魚がゲートを通ってやってくる。(累積効果なし)

 ただし、逆方向は制限無しなので、お魚がすみにくい環境だと皆逃げていく。


 ついでに、育成促進機能も追加してあって環境がよければ卵からでも結構早く大きくなる。


 ティナのお詫びもあって、結構GPが注ぎ込まれた湖だったりする。


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