第2話 夢のロードナイト
セリカのロードナイトに対する愛のお話?
ロードナイトの冒険
誰もが一度はその名前を聞いた事があると思うよ。
吟遊詩人が奏でる歌から子供向けの絵本まで色んな場所で語られる物語なのよ!
【ロードナイト】
職業名でありながら物語の中の名無しの英雄を指し示す名前でもあるそれは、みんなの夢と希望がつまってるんだよ!
私は何度も何度も、この物語を聞いて決めたんだよ!
ぜったいに【ロードナイト】になってやるって!
だけど問題は、【ロードナイト】の事は色んな所で耳に出来るんだけど、実際【ロードナイト】になる方法を調べてみてもまったく解からなかった事だよ。
唯一物語で語られている、
”光と闇を統べる騎士”
この一文だけが手がかりだったんだよ!
だから最初はまず光と闇の内、光の騎士である【聖騎士】を目指してみる事にしたんだよ。
毎日、毎日モンスターを狩って自分を鍛える日々。
まずは初級職から【戦士】を選択した。
そして、【戦士】から昇格して【騎士】に。
次は、【騎士】から昇格して【聖騎士】に。
ここまでは「類まれな程の若さで【聖騎士】に成った」といわれるほど順調だったんだよ。
だけど問題はここからだったんだよ。
この先がまったくわからない。
だから、まずは王国の騎士団に所属してみたんだよ。
強い先輩の【騎士】たちと訓練を重ねて大分強くなれたとは思う。
だけど、肝心の【ロードナイト】になる方法がわからなかったんだよ。
だから一年で騎士団を辞めたよ。
引き止めてくれる人は一杯居たけど、
「ここでは【ロードナイト】になる方法が解からないんだよ!」
という私の言葉で苦笑いしながら納得してくれた。
「セリカだしな~」
「流石【ロードナイト】狂いだ!」
「無理、無理、さっさとあきらめちまえ!」
なんて色々言われたけど、皆は笑顔で送り出してくれた。
最後に騎士団長から
「ロードナイトに成れたら戻ってこいよ」
と言われて涙がこぼれそうになったよ!
次に行ったのは教会だよ!
教会の神聖騎士団に所属してみたんだよ。
入団条件の【聖騎士】もしくはその上位クラスというのはクリアできていたから入るのは問題はなかったよ。
ここは王国の騎士団と比べて少数精鋭でそろえてるだけあって、皆強い人ばかりだった。
ただ、教団の教えがどうたらこうたら言われるのには辟易したよ。
ここでも【ロードナイト】について色々調べてみたよ。
教会の秘蔵の書物とかも閲覧できて色々読み込んだよ!
でも、途中で【ロードナイト】を目指している事が知れ渡ると、神聖騎士団を追放されたんだよ。
「光はともかく、闇を統べる職業とは何事か!」
と言う事らしい。
石もて追われ、挙句には刺客まで送られたりしたけど、私はそれを切り抜けた。
その戦いで実力をつけれた事が一番の収穫だったかもしれない。
そこでまたもや行き詰る。
さっぱりあてがなくなったんだよ!
だからひとまず、【聖騎士】を極める事にしたんだよ!
ひたすら強くなった先に【ロードナイト】があると信じて。
そのために、冒険者になって、各地の強い人や強いモンスターと戦いまくったよ。
ドラゴンとも戦ったりしたけども、あれはまだ勝てないと諦めた。
でも、物語の中でも暗黒龍を一人で倒す話があるからいつかは倒してやるんだ絶対!
シーナとであったのはその頃だったと思う。
とある森で追い剥ぎにあったんだよ!
追い剥ぎや盗賊には森のなかや山道でよく襲われるけど苦もなくいつも撃退していたよ。
その時も問題なく撃退できると思ったんだよ。
シーナは此方にいきなり襲ってきて、剣で武器を叩き落としたらすぐに逃げ出したんだよ。
いつもの盗賊や追い剥ぎと変わらない、強いと思ったらすぐ逃げだす、ただ逃がした事はなかったよ。
だけど、シーナは違ったよ。私の攻撃を易々とかわして逃げ切ったんだよ。
その時は逃げ足だけは早い奴だと言うぐらいの意識だったよ。
問題はその後、宿屋に泊まろうとした時だよ、私の財布がなくなって居たんだよ。
すぐに気づいたよ、シーナがやったんだって。
そこで初めて私はシーナに完敗したと思ったよ。
もし、財布じゃなく私の命が目当てなら今頃私はやられていたよ!
それから、シーナを倒そうと何度も何度も戦いをいどんだよ。
ぜんぶシーナに逃げられちゃったけど……。
シーナにすら勝て無いようでは【ロードナイト】遠いんだよ!
そして……。
今日こそ追い詰めたと思ったよ。
全力で戦えると思ったよ。
でも、
「私が手も足も出ない相手が居るって言ったら、戦ってみたくない?」
の一言にシーナすら簡単に倒すような奴が本当にいるなら戦いたいと思っちゃったんだよ!
いつもの逃げるための作戦かもしれなかったけど、そんな強い人を倒せたなら【ロードナイト】に近づけると思ったんだよ。
だからシーナについて行くことにした。
そして、出会ったんだあの人に……。
次回、セリカは戦えるのか?




