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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第21章 ついにマスター!
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第1話 聖騎士マスター!

数日開いてしまいましたが、更新再開です。


今回は……セリカがついに……。




※章題はもしかしたら変更する事があるかもしれません。

 今日はやけにセリカの帰りが遅かった。

 他の皆は、夕食もお風呂も入り終わって大広間でノンビリとくつろいでいる。

 一応、ギルドチャットで、セリカから遅くなるとは連絡受けていたが、少し心配だな。


「セリカ、今日はやけに遅いな」


「夜限定のレアモンスターでも探してんじゃないの?」


 近くで焼き鳥のような物をつまみに、酒を飲んでるシーナが答える。


「ギルドチャットで連絡してみてはどうでしょう?」


 隣で何かの本を読んでいたレナさんが本から顔を上げて言って来る。

 うん? XXXXXストーリー攻略本? 

 大分昔にはやった恋愛シュミレーションゲームじゃなかったか?

 その攻略本って……そんなものまで混ざってたのか……。

 ゲーム本体が無いのにどうするんだろう?


 まあ、いいや、それよりセリカの事だな。


「そうだな、連絡してみるか」


 それで丁度チャットで連絡しようとした所で――。


「師匠! やりました! 【聖騎士】マスターしました!」


 セリカが全身から喜びをみなぎらせながら、大広間に駆け込んで来た。

 

「ああ、それで遅くなったか。まあ、それはともかく、おめでと~」


「ありがとうございます。師匠!」


 俺たちの周りに皆が集まってきて、


「おめでと~~」

「おめでとうございます」

「おめでとう」

「おめでとうであります」

「おめでとう~」

「おめでとさん」


 皆が祝福の声をかけていく。

 と、そこでちびっ子達が集まってきてないのに気がつく。

 大広間を探してみると、ステージの隅の箱を5人で漁っている。

 うん、なにをやってるんだ?


 そして、持ち出したのは……。

 カラフルな手のひらサイズの円錐状の……あれは……クラッカーか!?

 そのままこっちにくると、


「おめでと~~」

「おめでと~にゃ~」

「おめでとうだワン!」

「…………(おめでとう~)」

「…………(おめでとう~)」


 ちびっ子達の声と共に、パン、パン、パン、パパンとクラッカーの音が響く。

 向けられたそれに、セリカは驚いて後ろに飛びずさっていたりしたが……まあ、初めて目にしたらビックリするか。

 それにしても、クラッカーなんてどこから持ってきたんだか……ああ、GPか……。


「おお~~なんかすご~い。それじゃあ……」


 うん?

 って、待てティナそれはやばい気がする。

 ステージの隅まで戻って持ち出してきたのは、長さ1mほどの超巨大な……いや巨大なクラッカーだ。

 超巨大と言う形容詞を何となく付けるのを躊躇わせる予感があった気がするが……それよりもだ!


 スパコーン!


「痛いよ~クロちゃん! 酷い!」


 ティナの頭をはたいて止めさせる。


「それは止めろ!」


「ええええ~~~面白そうだよ~~」


「小さいのも、まとめて禁止にするぞ!」


「ううう~~横暴だよ~」


 残念そうに巨大クラッカーを片付けに戻っていく。

 あとで回収して隠して……ああダメだどうせGPで購入したんだから、また買うだけか……。



 ま、バカは置いておいてセリカだ。


『セリカ:聖騎士★MASTER★』


 確かにマスターしてるな。



「と言う事は、お祝いをしないといけませんね」


 マユさんがそんな事を口にする。

 ああ、確かに、職業マスターとかでお祝いするんだったよな。

 セリカは相当がんばってたし今回も気合を入れてお祝いの品を作らないとな……なにがいいだろう?


「それで? 何時にするのよ?」


「明日の夕方ぐらいでいいんじゃないか? 用意とか間に合わないなら伸ばすけど……」


 日程の確認を皆にすると……。


「師匠! お祝いの品に何か作りたいであります! 教えて欲しいであります!」


 アンがそんな事を言い出した。

 それと同時に、俺の服のすそが2箇所同時に引っ張られる、そっちを見てみると……。


「…………(おいわいのりょうり)」

「…………(つくりたい)」


 狐っ娘姉妹も何か教えろと言って来る。

 う~ん、この3人の練習とか込みだと少し時間が掛かりそうだな。


「じゃあ、3日後にお祝いでいいか? セリカはその間に、闇属性の魔法職になっておけばいいよな」


 セリカの目指す【ロードナイト】。

 条件の一つ【聖騎士】のマスターは達成した。

 次は、もう一つの条件【闇騎士】などの闇系統の騎士職のマスターだ。

 それにはまず、闇属性がある程度扱えないといけないのだ。

 一番簡単な手段が、闇属性の魔法使い系のベース職になってマスターする事なのだ。


「師匠? 今から、やるんじゃないんですか?」


 セリカは、それに対して不思議そうに尋ね返してくる。


「いや、まずは、闇属性になれる場所を探さないと……【ビギナー】になってから、【聖騎士】に昇格し直す時も、この場所じゃ昇格できなかっただろ?」


「確かにそうです! 教会に行かないとだめでした。それじゃあ明日、闇属性になれる場所を探して来ます!」


「そういうことだ。場所が見つかったら、【ビギナー】に戻して昇格な」


「わかりました、師匠!」


 そうして、3日後にセリカの【聖騎士】マスターのお祝い会が開かれる事になった。





 次の日の朝食後、先ずはアンと一緒に鍛冶場に向かい、銅製のナイフの見本を作って見せた。


「おお~。さすが師匠であります!」

 

 まあ、色々なマスタースキルなんかのお陰なんだけどな。


「銅で作った採取用のナイフだ。これなら何とか、今のアンでも作れるだろう」


 昨日寝る前に、色々考えてみて、採取用のナイフがいいだろうと思いついたのだ。

 流石に、実戦に使うような代物は、性能は妥協すべきじゃないので、まだアンには早すぎるだろう。

 そうなってくると、装飾品などの戦闘以外で使うものだが、セリカには必要そうには思えないしな。

 となると、実用品でかつ直接戦闘には使わないものと言う事で採取用のナイフがいいだろうという結論になった。

 採取用と言っても基本は普通のナイフだ。

 うまく作れたら採取したアイテムの質がほんの少し向上するくらいだ。

 まあ、普通のナイフになっても問題はないだろうしな。


「了解であります! がんばるであります!」





 後は、しばらく一人でアンに練習させる。

 今日は、狐っ娘姉妹にも料理を教えないとダメなのだ。

 こっちも、昨日寝る前に考えてある。



「さて、準備はいいか?」


 狐っ娘姉妹の料理部屋で確認する。


「…………(だいじょうぶ!)」

「…………(もんだいない!)」


 いつもの通り彼女達はやる気にあふれている。

 うん、問題無さそうだな。


「今回は、包丁を使う! くれぐれも怪我をしないように気をつけろよ!」


「…………(コクコク)」

「…………(コクコク)」


 一段と目つきが真剣みを帯びる。

 まあ、普通に狩りの時、剣とか刃物を持ってたから大丈夫だとは思うけど……。


「で、調理するのはこれだ!」


 おれは、アイテムボックスから幾つかの果実を取り出す。

 元の世界で言うと、リンゴとかナシあたりの感じの果実だ。

 まあ、色がオレンジだったり、ピンクだったり青だったりするのだけど……。


「…………(りょうりするの?)」

「…………(このまま、たべないの?)」


 確かに、このまま齧る事はできるけどな……。

 今回は、包丁の使い方の練習も兼ねてるからな。



「まあ、とにかくやってみるか」 


 まず最初に、包丁とまな板、それにボールに入った塩水を用意する。

 次に、普通に皮をむいていく。中は白っぽいリンゴって感じだな。

 スルスルスル~とむけた皮が一本につながったまま作業台に落ちていく。


「もち方とか、ちゃんと見ておくんだぞ!」


 う~ん、リアルではこんなに上手くできなかったな。

 やっぱりスキルの恩恵はすごいかもしれない。


「皮をむき終わったら、まな板の上で切り分けるんだ」


 その果実を、縦に6等分切り分け芯を切り取る。

 それを塩水につけて完成だ!


「こんな感じだな。最後に、塩水にちゃんとつけてないと色が悪くなるから注意な」


「…………(わかった!)」

「…………(これならできそう!)」


 


 そうして今回、狐っ娘達は、特に問題なく一発で成功する。

 やっぱり、動物とかの解体とかナイフで普通にやってたからお手の物だったんだろうか?

 

「ま、特に問題になるような点も無かったけど、それぞれ一つずつ味見してみるか」


 それぞれ、3欠片ずつ味見してみる。

 う~ん、リンゴやナシなんかとは違い酸味があって違和感を覚えたが、味自体は瑞々しくて美味しい。


「…………(いつもより、すこしあまい?)」

「…………(あまいきがする~)」


 ああ、それは塩水で甘みが引き立てられているんだろうな。



「でだ、このまま食べても問題ないんだが、今日の料理はこれからだ」


「…………(おおお~)」

「…………(なんだろう?)」


「今回は、ジュースとシャーベットを作ってみようと思う」


「…………(ジュース!)」

「…………(シャーベット?)」


「まず、途中までの手順は一緒だ」




1.皮をむいて、芯を取る。(芯だけ取る事もある)

2.おろし金を使って、すりおろす。

 (ジューサーなどがあればそっちでもOK 今回は無い)

3.綺麗な布などで、2.で出来たものを濾す。

4.ジュースとしては完成。お好みで氷を浮かべたり、冷やしたりもOK


 続いて、シャーベットに……。


5.器にジュースを入れて冷凍庫もしくは、氷魔法で凍らせます。

6.シャーベットも完成!




「まずは、説明した手順で作ろう」


「…………(お~~~)」

「…………(お~~~)」




 そうして、簡単にジュースとシャーベットは完成する。


「…………(できた~)」

「…………(かんたんだった~)」


 電子レンジの如く、ボックス型の冷蔵庫には、冷凍ボタンなんてものが付いていて中ものを数分で凍らせていた。

 う~ん、何気にすごく便利だな。


 その後、いつものように3人で味見をしたが特に問題は無かった。




「さて、今回は、ジュースとシャーベットの一番簡単な作り方を教えた」


「…………(うん)」

「…………(できたできた)」


 二人とも頷きながら聞いているが少し物足りなそうだ。

 まあ、そうだろうな。

 だから……。


「だけど、一番簡単ってだけで色々と手を加える事は出来る」


「…………(てを?)」

「…………(くわえる?)」


「例えば、すりおろした状態でもジュースになるし、ジュースに砂糖とか混ぜる事も出来る」


「…………(おお~)」

「…………(おお~)」


「例えば……」


 切り分けた果実の一欠けらを取り、小さなサイコロ状に切り刻む。

 それを、器に入れたジュースの上にばら撒まいてみせる。


「こんな風に、シャーベットを作るときに果実を混ぜると、シャーベットの中に果実を入れることが出来たりする」


「…………(おお!!~)」

「…………(おお!?)」


「つまり、今回は、俺が教えるのはここまでで、二人で工夫して美味しい物を作ってみようという事だ!」


「…………(くふう!?)」

「…………(おいしくなる?)」


「じゃあ、俺はここまでだ、やってみろ」


 アイテムボックスに入ってた果実をいくつか取り出して二人の目の前に置く。


「…………(コクコク!)」

「…………(コクコク!)」


 二人とも目を輝かせ果物を選び出す。

 あとは、二人に任せて俺は退散しよう。

 もうすでに、俺の事は目に入ってないみたいだしな。


「あとは、がんばれよ! 出来たら皆にも味見してもらおうな」


 そう言って、部屋を後にする。





 その後、鍛冶場に戻って、アンの様子を確認した後、俺もセリカの為のプレゼントを作るために鎚を振るった。

 何とか夕飯までには、何とかセリカに渡す装備は形になった。

 アンの方もなんとかギリギリ1本は作れたみたいだが、まだ明日も挑戦して一番できがいいものを渡すと言っていた。


 夕飯の時には、狐っ娘達が作った半分シャーベット状になったジュースを皆で飲んで結構好評だったりもした。






 

 そして……夜。


 今日もまたセリカが帰ってくるのが遅かった。


 やっと戻ってきた彼女は……昨日とは一転すごく落ち込んでいた。


「闇属性の場所…………見つからない……です……どうしたらいいんでしょう……師匠?」


 1日中探し回っても見つからなかったようだった。


 

 う~ん、これはどうしたものか……。

次の話は、闇属性をもった場所を探します。

見つかるのか?

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