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第2話 クロの料理教室 その1

料理教室編です。


大雑把な作り方なので、料理のレシピとかについては異論反論色々ありそうです。

 昼食後、ティナの荷物を全てあいつの部屋に押し込んで広々とした部屋……キッチンセットの箱が4つだけにポツンと置いてあって、逆に少しさびしい感じがする。

 そんな部屋に、狐っ娘姉妹と俺は、集まっていた。

 ちなみに、タマ&ポチは、お昼ご飯の肉と魚で満足したのだろう砦の方に遊び(馬の世話?)に行った。


「さて、午前中で荷物の整理が終わったので、午後からは、キッチンや道具なんかの準備から始めるぞ!」


「…………(コクリ)」

「…………(コク)」


 まずは、狐っ娘達と一緒に、箱の一つを開けてみる。ちなみに狐のセットの片方だ。


「う~ん、大きな折りたたまれた板? あと、細かい調理道具?」


「…………(これ)」

「…………(なんだろう?)」


 折りたたまれた板を広げてみると、コンロや流しの絵が描かれている。

 

「う~ん??」


 説明書を詳しく読んでみる。

 中には使い方が書かれていた。

 どうやら、設置したい場所に、板を置いて魔力を注ぎ込むと、展開(?)されるらしい。


「ま、やってみれば解るか。どこに設置する? 壁際がいいと思うけど……」


「…………(どうしよう?)」

「…………(どこがいい?)」


 しばらく、狐っ娘姉妹二人で相談した後、入り口から向かって右手の壁際に設置する事になった。

 壁の中央あたりに、二人のキッチンを並べる形だ。


「準備できたか? 準備できたら手のマークのところに手を置くと、自動で魔力を注ぎ込めるらしい」


「…………(て~)」

「…………(ぺたん)」


 魔力が注ぎ込まれ、板が光りだしたので一旦離れるように言う。

 

 そして……3分ほど待つと、突然ピカっとまぶしい光を発したと思うと次の瞬間にはそれぞれ、小さな流し台、コンロが一口、コンロの下に小さなオーブンレンジトースターが出来上がっていた。


「…………(おおおお~)」

「…………(すごい~~)」


 なんか、小さめだが、結構本格的に台所じゃないか!

 台の高さは低くて俺には使いにくいけど、ちびっ子達には丁度いいだろう。これなら十分に使えそうだ。

 ただ、コンロがそれぞれ1口ずつなのは少し足りないかもしれないので、犬と猫のキッチンセットも展開しておくか。


 その後、ちびっ子達には、小物の取り出し……狐のフライパンや狐の鍋は小物かはともかく、道具の箱の方を取り出させた。

 俺は、猫と犬のやつを展開して、最終的には猫、狐、狐、犬の順に4つならべる事になった。

 あ、道具の箱の中からミニ冷蔵庫の板もそれぞれ1つずつ出てきたので、隅の方に4つ展開しておいた。四角のボックス型の冷蔵庫だ。中身で使い分ければあれでも十分だろう。



「あと足りないものは、ギルドコアの所にいってGPで購入するぞ」


「…………(コク)」

「…………(コク)」




 そして、GPで床と壁と天井を撥水製の素材に変更(ゲーム内設定のままなんだろう凄く安く済んだ)した。

 ちなみに模様は狐っ娘達がえらんで、床は綺麗な木目のフローリング、壁はマンガチックな木のイラストのやつだった。

 あとは、狐っ娘達が使いやすい高さの作業台と、食器棚1つ、テーブルセットを一つ購入してセットした。


「うん、立派な台所になったな」


「…………(おお~)」

「…………(すごい~~)」


 俺は、アイテムボックスから調味料類と足りない小物、それに卵を取り出し、作業台に並べる。

 何時も使ってる台所から、予備にストックしてあった物と、午前中にシーナが買ってきた卵を持って来たのだ。


 あとは、一応、取り出したばかりの調理器具など水洗いして準備は完了だ。





「さて、これで、やっと準備が整った。これから料理教室を始めようと思う」


「…………(よろしくおねがいします。ペコリ)」

「…………(よろしくおねがいします。ペコリ)」


 さて、卵料理だが、何を教えるか?

 難しいものはそもそも俺も殆ど出来ないし、一番簡単そうな所で、目玉焼きなんかがいいかな?

 あれなら簡単に出来るしな。


 俺は、犬のキッチンセットから犬のフライパン、犬のフライ返し、犬のボール、犬のお皿を取り出してくる。

 狐っ娘達が狐のセットをやってる間に、俺が犬と猫のセットを取り出して洗っておいたのだ。


「まずは、俺が作ってみるから、よく見てるんだぞ」


「…………(コクリ)」

「…………(コクリ)」


 

1.卵を割って中身をボールに入れます。(注意:黄身をつぶさない様に!)

2.卵が痛んでないか確認します。

3.フライパンをコンロにかけて温めて、油を引きます。(注意:入れすぎないように!)

4.ボールの中の卵をフライパンに入れて、焦がさないように注意して焼きます!

5.白身が白くなったら、黄身をお好みの硬さまで焼いて、完成したらフライ返しでフライパンからお皿に移します。

6.塩、こしょうなどをお好みでかけて完成です!



「こんな感じだ」


 狐っ娘姉妹に、完成した目玉焼きを見せる。


「…………(おおお~)」

「…………(すごい~)」


 何か二人ともキラキラ目を輝かせながら目玉焼きを見ているな。


「それでは、食べてみるか」


 三人分のナイフとフォークを用意して味見だ。

 狐っ娘達には、狐のナイフとフォークを渡し、俺は猫のナイフとフォークだ(料理に犬のを使ったから何となく猫の方にした)。


 さて……実食。


 目玉焼きの目玉の中央をナイフで切ると、半熟の黄身があふれ出す。

 そのまま、半分をぱくりと一口で食べる。

 うん、焼き具合も丁度いいし、結構いい出来だな。


「二人とも食べてみろ」


 残りの半分を、ナイフで二等分して二人に食べさせてみる。


「…………(おおお~)」

「…………(おいしい~)」


 うん、何だかんだいって美味しそうに食べてくれるとうれしいよな。




「さて、作り方は解ったな? それじゃあ、実際二人に作ってもらうぞ」


「…………(がんばるぞ~)」

「…………(おお~)」


 うん、やる気一杯だな。




1.卵を割る


 天狐が恐る恐る卵をボールの角にぶつけて殻を割ろうとしている。


「…………(しんちょうに、しんちょうに)」


 ピシっと割れ目が入る。


「…………(われめを……パカっと……)」


 おお、天狐の方は、ボールに殻も入ってないし、うまく卵を割れたみたいだな。

 


「…………(たまごをパカっと……あ!)」


 あ、地狐の方は、卵をグシャっとつぶしちゃったな。


「…………(たまごが……つぶれちゃった……)」


 あ、うつむいて……泣きそうに……。


「…………(ウルウル)」

「…………(ど、どうしよう)」


 天狐が俺の方に助けを求めてくる。

 うん、これは急遽作る料理を変更するか。


「しょうがない、作る料理を変えるぞ、今から作ってみるから見て居ろよ」


「…………(へんこう?)」

「…………(われても、だいじょうぶ?)」


 う~ん、割れても良い卵料理。

 卵焼き? あれは少し難しいよな。

 う~ん……よし、スクランブルエッグにしよう。

 アレなら簡単だろう。



1.卵を割ってボールに入れます。(黄身をつぶしちゃっても大丈夫!)

2.塩、こしょうなどの調味料を入れて、菜箸なんかで黄身をつぶしてかき混ぜます。

3.フライパンを温めて、油を引きます。

4.かき混ぜた卵をフライパンに入れて、またまたかき混ぜます。(注意:焦げ付かないように!)

5.お好みの固さになったらフライパンを火から外してお皿に盛り付けて完成です!



「こんな感じだ! 試食は皆で完成してからにしよう」


「…………(がんばる)」

「…………(こんどは、しっぱいしない!)」


 地狐がボールに入ってしまった卵の殻を丁寧に取り出して、料理再開だ。



2.調味料を入れてかき混ぜる。


「…………(おしおに、こしょう、おこのみで~)」

「…………(おさとう、おさとう、あまくなれ~)」


 天狐それ辛くならないか?

 地狐は、砂糖入れすぎじゃないか?


「…………(あとは)」

「…………(まぜまぜ、かきまぜる~)」


「…………(シャカシャカシャカ)」

「…………(シャカシャカシャカ)」


 あああ……飛び散ってるぞ~もったいない。



3.フライパンを温め油を引く。


「…………(フライパン~~)」

「…………(コンロにおいて~)」


「「…………(スイッチ、オン!)」」


「…………(火がついた~)」

「…………(あたたまっていく~あつ!)」


「あ、天狐、指を水で冷やせやけどになるぞ!」


「…………(みずでザー)」

「…………(だいじょうぶ?)」


 うん、二人とも、フライパンから目を離すと危ないぞ。

 今は俺が見てるけど……。

 あ、回復魔法でOKだったか。まあ、一度火傷するのも経験だよな。



「…………(きをとりなおして~)」

「…………(さいかいだ~)」


「…………(あぶらを~~ひいて~~)」

「…………(うわ~あぶらが~はねた~~)」




4.フライパンに卵を入れて、もう一度かき混ぜます!


「…………(うわ~)」 

「…………(ジューっていってる~~)」


 おい、二人ともかき混ぜないと焦げるぞ!


「…………(へんなにおい?)」

「…………(へんな……ああ~かきまぜないと~)」


「…………(まぜまぜ~~)」

「…………(くろいのが~ある~~)」




5.お好みの固さになったら、お皿に盛り付けます。


「…………(おさらに~~)」

「…………(もりつけ~~~)」


 おい、コンロの火はちゃんと消さなくちゃ危ないぞ。

 

「盛り付けの前に、コンロの火を忘れず消せよ」


 慌てて狐っ娘達がコンロに戻っていく。


「…………(わすれてた!)」

「…………(スイッチ、オフ!)」


「…………(もりつけさいかい~)」

「…………(もりつけ、もりつけ~)」


「「…………(できた~~~~)」」




 何とか完成だな。

 二人の狐のお皿を見てみると、フライパンから移しただけって感じの盛り付けのスクランブルエッグだ。

 よく見ると所々に黒い点がある。少し焦がしちゃったな。

 でも、まあ最初にしては良くやったと思う。

 

「おお、おつかれさん」


「…………(たべよ~)」

「…………(おいしいかな?)」


 狐っ娘姉妹は、ワクワクした感じで自分達の初めて作った料理を見ている。


「それじゃあ、向こうのテーブルに座って食べてみるか」





 三人で席について……。


「いただきます」

「…………(いただきます)」

「…………(いただきます)」



 それぞれ、1/3ずつお互いの皿から味見する。


 まずは、天狐のから……。


「やっぱり、塩っからいな」

「…………(からすぎた~あと、すこしにがい~)」

「…………(おしお、いれすぎ~)」


 やっぱり、塩を入れすぎだったな。



 次は、地狐の……。


「今度は凄く甘いな」

「…………(あまい~~)」

「…………(すこしにがいけど、すごく、あま~い)」


 こっちは、砂糖入れすぎって感じはするけど、その辺は二人とも満足そうだな。

 ただ、天狐のよりも焦げた部分が多くて苦味があるな。



 次は、俺の……。


「うん、まあまあだな。可もなく不可もなく」

「…………(おいしいね~)」

「…………(だけど、もうすこしあまいほうが、いいかも?)」



「ごちそうさまでした」

「…………(ごちそうさまでした)」

「…………(ごちそうさまでした)」


「この後どうする?」

「…………(めだまやき~~)」

「…………(もういちど~~~)」 



 



 そのあと、狐っ娘達と一緒に、目玉焼きに再挑戦した。

 少し焦げていたが、何とか完成させてうれしそうだった。


 う~ん、結構二人とも、料理を楽しそうにやってたな。

 これからも練習がんばるといっていた。

 一応しばらくは俺か、マユさん、シーナ、ミルファさんの誰かに見てもらうように言っておいたが……。

 これなら、料理系の職業を何か一つマスターしてスキル取らせた方がいいかも知れないな。


 料理系で簡単にマスター出来るやつって何があったっけな?

次の話は、出かけたあいつがトラブルをもって帰ってきたり……。

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