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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第18章 いっぽう、その頃……。
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第4話 白銀の戦乙女の冒険 その1

大分、苦戦しましたが何とか投稿です。

結構時間が空いてしまって申し訳有りませんでした。


設定を決めるのと、夏の暑さがとんでもなく強敵でした!

「こりゃ、まいったわ……」


 あのモンスター襲撃の後、一旦あいつの捜索を中断して、異常の原因を探りに、モンスターがやってきた先を探りに来たのだけど……。


 ――相変わらずだな――


 違うわよ! そんなんじゃないわよ! 正義の味方がしたいとか、ヒーローになりたいとかそんなんじゃ……。

 ただ、次にあの街に来た時、廃墟だったりしたら後味悪いじゃない!

 って、何あのバカが言いそうな事が頭に浮かんだからって、慌てて反論してるのよ!

 バカみたいじゃない! 私!


 そんな事よりもよりもよ!

 モンスター達がやってきた方向を真っ直ぐ進んできたんだけど!

 見つかったのは、ダンジョンの入り口が2つだけ。あとは特にこれと言っておかしな物はなかったわ!


 ――そもそも、異常か判るのか?――


 は? そんな物、異常な事に決まってるじゃない!

 って、また何反論してるのよ! 私!


 ――じゃあ、逆に何か正常なんだ?――


 だぁぁぁ!

 あんたは煩いわよ! ちょっと黙ってなさいよ!

 って、また……。

 うぅぅ……。



 気を取り直して、途中であったダンジョンは……


「「「ぐぉぉぉぉ!!」」」


「うるさ~い!」


 数匹のクマ型のモンスターの心臓を手にしたレイピアでそれぞれひと突きにして倒していく。

 ザコが煩いわよ!


 で、途中であったダンジョンの1つ目は、森の中にあって地下に続く穴から入って行く、初心者ダンジョンって感じの洞窟だったわね。

 中にいるのもザコ中のザコのモンスターがちょっといるだけだったわ。

 洞窟探検とかしてる暇もなかったし、ちょっと覗いただけで先に進んだわ。

 まあ、あんなザコ中のザコぐらい群れても問題ないでしょ。


 次のダンジョンは、山肌に空いた洞穴って感じのやつだったんだけど、こっちは封印されていて入る事はできなかったわ。

 まあ、力づくで封印はやぶれそうだったけど、そもそも探検が目的じゃないし、封印されてるなら原因にはならないでしょ。


 う~ん、そろそろ切り上げる方が……。

 あのバカを早い所探さないとだし!

 でも……。


 ――そんな事言いながら、何時もずるずると行くんだよな~――


 って、煩い! 黙りなさい!


 そんな事言ってると探してやらないわよ!


 ――お前の妄想じゃん、俺が言ってる訳じゃないぞ――


 煩いわよ!

 私の妄想なら、こ、こく……とか! 色々他にもあるでしょ!

 あんたから言ってくるなら少しぐらい考えてあげたって良いんだから!


 って、違うわよ! 違うんだから!

 あのバカの事を好きとかそういうことじゃないんだから!

 

 あのバカじゃ、他の女の子に相手になんかされっこないんだから可愛そうだから……。

 私がしょうがなく面倒見てやるのよ!

 

 そうよ! そうなのよ!



 ………………。

 …………。

 ……。



 ……なんか、時間を無駄にした気がするわ。

 もう、歩きじゃなくて、ペガちゃん呼んで一気に進もうか?

 でも、あの街じゃエサが売ってなかったのよね……。

 聞いた事も無いとか言われたし、こっちでは何時手に入るかわからないのよね。

 やっぱり、イザと言う時のために取って置いた方がいいわよね。

 あの街に行くのに大分エサつかっちゃったし……。


 まあ、今MAPに表示されてるダンジョンまでは、1時間も走れば着きそうだし、着いた後で考えましょ。




「はぁはぁはぁ」


 あ、甘かったわ……。

 MAP上の距離的には走って1時間程度のはずだっただけど……。

 地形データ無かったから……まさか、山登りする羽目になるとは思わなかったわ。

 流石に走って山登りはこの体でもきついわ……。


 ――走る必要ないだろ……――


 そこで歩いたらなんか負けた気がするじゃない!


 ――はぁ――


 ため息まで再現するんじゃないわよ!


 

 っと、あのバカの事は一旦置いておいて、そろそろダンジョンの入り口のはずなんだけど……。

 それらしい物は……。


 う~ん、あ、あった。

 なんか祠みたいなのがあるわ。

 それに……だれか居るわね……。

 ダンジョンに狩にでも来たの?


 でも、今まで他の人には全然あってないわよね……。

 うん、少し怪しいわ、隠れて様子を見ましょう。




「……龍の………………よって…………」


 あれは……巫女さんよね?

 あの白と赤の特徴的な服は……どう考えても……。

 確か【巫女】って回復職だったわよね?

 それがソロで攻略って事は……アンデットの巣窟か何か?

 アンデットには神聖な回復魔法は特効なのよね。確か……。


「…………封印の………………開け!」


 あ、中に入るのね。

 今のは、補助魔法でブーストなんかしてたのか……。

 怪しい所はなさそうだし、中で少し話を聞いてみま――。


「「「グァァァー!!」」」


「「「ワオーン!」」」


 ガサガサガサ


 って、なんなのよ!

 あの巫女さんが入って行ってすぐ大量のモンスターがあふれ出してきたわよ!

 まさか、あの女が今回の件の犯人だったの!

 まあ、それよりもあのモンスター共を片付けるのが先ね。


「こっちよ!」


 祠からあふれ出たモンスター達の前に躍り出て『挑発(M)』スキルで引き付ける。

 一匹たりとも逃しは、しないわよ!





 ――数分後――


「ふう、これで終わりね」


 あの街で戦ったモンスターの中で強いやつらぐらいの感じね。ちょっと時間がかかったわ。

 さっきの女は、結構先に進んじゃってるわよね。

 急いで追いかけてとっちめてやらないと!


 そうして祠の中に入っていくと……。

 

「迷宮って感じね」


 石造りの壁に床。

 よくあるゲームの迷宮のイメージね。

 暇があったら攻略したいわね……。

 って、それよりもよ!

 あの女を捕まえるのよ!




 ――さらに、数十分後――


「あ! やっと、やっと見つけたわ!」


 巫女服の後姿を、やっと捉える。

 結構時間くったわね。

 行き止まりに遭遇したり……、面倒なトラップにあったり……。

 本当に、時間くったわ。


 ――お前が、マッピングとかトラップの確認を適当にやってたからだろ!――


 シャラップ!

 今は、あんたと遊んでる暇はないのよ!


「私に何か御用でしょうか? 今は時間がないので後にしてもらいたいのですが……」


 ここまで近づいたからあっちもこっちに気がついたみたいだ。


「ふ~ん。逃げようって訳ね……。いいわ! 力ずくでも今すぐ話させてやるんだから!」


「本当に時間がないと言うのに……。しょうがありませんお相手いたします」


 巫女の女は、どこからともなく、薙刀を取り出す。たぶん、アイテムボックスから出したのね。

 それにしても、巫女に薙刀ね……。

 あの変な白い紙のついた杖で魔法って訳じゃないのね……。

 まあ、どっちでもいいわ!

 どっちにしろ叩きのめす事には違いないわ!


「じゃ、行くわよ!」


 私は、全速の突撃技で先制攻撃を放つ。


「は、はやい!?」


 そうして、あの女との戦いが始まる。




 ――戦闘を始めて数十分後――



 く、あの巫女の女、中々やるわね。

 全力全開で、倒す事だけ考えるなら敵じゃないけど……話聞ける程度に痛めつけるのはきついわ……。

 それでも、あちらは限界みたいね。

 次で決めるわ!


 『手加減(M)』&『パラライズラッシュ(M)』!


 『手加減(M)』は当然、攻撃で倒してしまわないように手加減するスキル。

 『パラライズラッシュ(M)』は、突きの連撃で、ひと突き毎に麻痺の状態異常の確率が発生するスキル。


「こ、これは……きゃぁぁぁぁ~~」


 よし、まともに入ったわ。

 これで、ゆっくりと話を聞けるでしょう。


 

 気絶していた、巫女の女に魔法で水をぶっ掛けて起す。

 う……巫女服が透けて妙にエロい……。

 それに何よあれ! ロープで縛られて胸が強調されてるじゃない!

 私に喧嘩売ってるの!?


 ――お前が縛ったんだろ? それよりも凄いな~あの巫女さん――


 あんたは見るんじゃないわよ!

 く、何時も何時もあのバカは!

 私のは気にした事もないくせに!!

 他の女は……。

 

 って、そんな事やってる場合じゃなかったわね。


「ごほん。じゃあ、聞かせてもらおうかしら? 何でモンスターを外にあふれさせてたの?」


「それは――」


 その時、何かガラスのような物が砕け散るような清んだ音が響き渡る。


「あ……ま、間に合いませんでしたか……」


 その音を聞いた巫女さんがガックリとうなだれる。


「ま、間に合わなかったって何よ?」


 う……なんか、まずい事をしたような気がするわ……。


 ――おまえ、もう少し考えて行動しろよ!―― 


 私の頭の中の想像の癖に煩いわよあんた!




 

 その後、巫女の女が淡々と説明してくれた。


 彼女は、ダンジョンの封印を守る役目があって、封印の綻びを直す為に封印されたダンジョンを回っているそうだ。メンテナンスってやつよね。

 ただ、綻びを直すには一旦封印の中に入る必要があり、その時に封印されていたモンスターの一部が外にあふれ出すそうだ。

 コレが、街などをモンスターの大群が襲っていた原因らしい。

 まあ、あふれ出すと言っても1階層毎に封印がしてあるので、1階に溜まったモンスターがあふれる程度なのだそうだ。

 そして、本来ならモンスターの襲撃が連続しないように、期間をあけて封印のメンテナンスをしてたそうだ。

 だけど今回、彼女を捕まえて封印のメンテナンスを邪魔したバカが居て、時間的余裕がなくなってあの大規模襲撃になったらしい。


 誰よ! そんなふざけた事するバカは!

 

 で、このダンジョンの封印が限界に近かった所を、私が邪魔をして封印が解けてしまったと……。


 ごめんなさい! 本当にごめんさい!


「わ、悪かったわよ! でも、それならそうと最初に言ってくれれば!」


「そうですね……、結果的にはそうしておくべきでした……」


 暗い表情で巫女の女が答える。


「で、この後どうするのよ?」


「このダンジョンの封印は放棄。この辺をモンスターに明け渡す事になりますね」


 モンスターに明け渡すって何!?


「それどういう事よ!」


「再封印をする事自体は何とかできなくはないですが……」


「じゃあ、すればいいじゃない!」


「封印が限界に来ているのは此処だけではないのです。此処の封印を維持する為に他の何箇所もの封印が解けては意味がありません」


 な……まだ、何箇所もあるって言うの!?


「それに、再度封印を行うとなると、此処のダンジョンのボス撃破とともに、一定以下までモンスターの数を減らさないとなりません。しかし、戦いに力を割いてしまうと他の封印に使う力が足りなくなってしまいます」


「魔力なら、回復アイテムもいくらかあるし、休めば……」


「私の使う力は、特殊な力なので一般的な回復方法では出来ません。神龍の社までもどらないと……」


「戻っている時間は……ないのね?」


「はい、そのとおりです」


 特殊な力を消費してスキルを発動する職業か……。

 そういえば、いくつか聞いた事があるわ。

 【満月の騎士】とか【星空の剣士】とか、満月の夜や星空が出てる日にしか溜められない力を消費してスキルを使う職業で、普通のスキルより力の溜めにくさに応じて威力が強いって話だったわね。

 あのバカが、「満月の日に無双だ~」とかバカやってたわ。


 ――考え無しで行動するから……こう……――


 煩い! バカは黙ってて!


 それにしても、どうしたら……って、まって。


「封印だけなら、その特殊な力ってのは持つの?」


「それなら可能ですが……力を使わずに、ボス攻略などは……」


 あ、もつんだ。

 それなら簡単よね!


「じゃあ、私が、このダンジョン攻略しちゃえばいいのね」


「え? でも、そんな事可能なんですか?」


「ま、何とかなるでしょ!」


 あの街のモンスター襲撃の原因もこれで潰せそうだし、とっとと終わらせてあのバカを探しに行くわよ!



 


 話の終わった後、回復魔法で彼女の傷を全て癒した。

 そして……。


「【神龍の巫女】をしています、ミコと申します。それでは、これからよろしくお願いします」

 

「巫女のミコ……それ本当の名前?」


「色々決まりがあるのです。その辺は聞かないでください」


 名前の継承とかがあるのかもしれないわね。

 それにしても、巫女のミコ……安直すぎる気がしないでもないけど……。


「まあ、いいわ。私は、シロ。【ゴッドフェンサー】よ!」


「ゴッド……フェンサー……。それは確か……」


「じゃあ、私が攻略してくるから大人しく待っていて」


「いえ、再封印には一番奥まで行く必要があるので……それに足手まといになるつもりもありませんし」


 ミコさんは、薙刀を一振りすると私の隣に並ぶ。


「え? 力を無駄に使えないんじゃ?」


「特殊な技などは使えませんが、これで普通に攻撃するのには問題ありません」


 ああ、スキル発動のコストを払う訳にはいかないけど、通常攻撃なら問題ないって事ね。

 もしかして……、さっきの戦いミコさんスキル無しで戦ってたの!?

 本気でやりあったら負けるかも……そんな事ないわね!

 ちょっと苦戦するかもしれないけど絶対に私が勝つわ!

 

 でも、何とかなりそうね。

 一応持ってる回復アイテムをいくつか彼女に渡して、さあ出発よ!


 ――また、ポカやらかすんじゃないぞ~――


 煩いわよ! あんた!

次の話は……。

友達を探しに行った少女は、現在迷子中でした。

二次遭難か!?





※ペガちゃん

シロの契約しているペガサス。

モンスターをテイムした訳でなく、幻獣と特殊な方法で契約したもの。

特にコストなどは発生しないが、特殊なエサをちゃんとあげないと友好度が下がって力を貸してくれなくなってしまう。


シロは、最後まで、騎乗する相手を、白馬と純白のペガサスのどちらにするか迷っていた。

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