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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第16章 狐っ娘姉妹のトラウマ解消大作戦?
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第5話 ついに対決!

対決!

もう、トラウマは殆ど克服できてる気がするのだが……。

下手をすると、リーフさんの特訓の件では仲間意識さえ芽生えそうな……。

 今日は朝から、マユさん以外のみんなで闘技場に集まっていた。

 別にマユさんだけをハブった訳ではない。

 このところM&Mでの素材買取が順調に伸びてきており、それなりにお客が来るようになっていたからだ。

 従業員かアルバイトみたいなものを、雇いたいといった事を相談されているくらいだ。

 出会った頃の閑古鳥が鳴いていたM&Mとは大違いだな。

 それにしても、従業員か……うちのメンバーはマユさん以外そういった事にあまり興味なさそうだからな。ヘルプぐらいならともかく。

 となると外から雇ってくる訳になるんだが……。これは何気に難しい。

 M&Mには色々とやばい物がありすぎるのだ。

 というわけで俺はこっそりと自販機辺りの導入が出来ないか考えていたりする。


 ま、本人が楽しそうだったから一人だけお店で働いているのは、気にしなくていいだろう。

 マユさんの事はそれぐらいにして闘技場だ。


 闘技場には、向かって左手にティナが一人、やる気に満ち溢れた感じで開始時間を待っている。


「私には、負けられない戦いがある!」


 なんか今日のティナはめちゃくちゃ気合が入ってないか?

 何でだ?


「リーちゃんの特訓は絶対に嫌だよ~」


 うん、めちゃくちゃよく理解できた。

 あと、リーフさんに丸聞こえなのはいいのか?


 闘技場の右手の方には、狐っ娘姉妹とセコンドなのか? まあ応援ぐらいしか出来ないだろうけどのポチ&タマが輪になって作戦会議みたいな事をしている。

 まあ、狐っ娘姉妹がおびえて動けないのを励ますとかそういった感じじゃなく、どうしたら勝てるかとかそういう方向性っぽいから……もう現時点で十分に目的を達成しているような気もしないでもない。

 何にしても、今日あたらしいトラウマが増えないようにティナには自重してもらいたい所だが……。


「絶対に負けるわけには行かないんだよ!」


 うん、その辺の配慮は無理そうだな……。

 リーフさんがその辺の配慮してくれるような気はしたんだが……この一週間で、スパルタの一環ってのが否定できなくなってきてる。

 そのリーフさんは闘技場中央に審判の為にちびっ子達の相談が終わるのを待っている。

 まあ、ルールとかも適当だしどれだけ審判の意味があるのかは不明だけどな。

 狐っ娘姉妹のトラウマが増えないように配慮しようとしてくれているのかもしれない。



 で、俺はというと、闘技場の観客席の一つに座っている。

 全体が見渡せる中央最前列の特等席……まあ、空席だらけなんだけどな。

 隣にはいつの間にかシーナが観戦用装備で座っている。うん、さっき朝食とったばかりなのに良く食えるな。太るぞ。


「大丈夫よ。私、太らない体質だから」

「俺、口に出していたか?」

「口に出すまでも無く伝わるわよ」


 そんな事を言いながら何かの肉の串焼きをつまみに飲み物……匂いからして酒か……を飲んでいる。

 こいつがぐでんぐでんに酔っ払った所を見たことが無いから、ザルなのか節制がきいてるかのどちらかで心配はないだろう。


 レナさんとミルファさんはちびっ子達の近くの席に隣同士で座っている。

 

「大丈夫でしょうか? あの子達……」

「怪我とかの心配ないですが……」


 狐っ娘姉妹の方を結構気にかけてるみたいだ。


 あと、セリカは……。

 さっきまで、「次、戦いましょう!」ってしつこく言ってくるのをシーナと二人で無視し続けてたから、観客席の隅っこでいじけている。

 対戦が始まれば、細かい事は忘れるだろう。





 さて、そん感じに時間を潰していたら、狐っ娘姉妹が中央に進み出てくる。

 どうやら、準備は終わったみたいだな。

 ティナもそれに気がついて中央に移動する。


 ティナと狐っ娘姉妹が中央にそろったところで直ぐに開始かと思ったのだが、リーフさんがなにやらアイテムボックスから取り出している。

 うん? あれは弓と矢筒か? どうするんだ?


「ティナ貴方は、これを使いなさい」

「こ、これって……」


 なにやら度忘れした事を思い出しているような雰囲気のティナ。


「弓の練習は毎日欠かさずやってるはずだから問題ないわよね?」

「あ、弓だ!」


 うん、練習以前に弓と言うもの自体を忘れていたんじゃないか?



「練習云々の前に、あの子が弓を持っているところを見たことが無いのだけど……」


 隣に居るシーナがポツリと呟く。

 隠れて練習していたとか言う線も無いみたいだな。

 隠れていたずらならともかく、ティナが隠れて練習なんて想像できないけどな。



「まさか……サボっていたんじゃないでしょうね?」


 あれは、リーフさん完璧に気がついているな。


「ま、まさか……ウマクナッテイルニキマッテルジャナイ!」


 ティナの方は、遠くてはっきりとは見えないが、だらだらと冷や汗を流してるのは容易に想像がつく。


「じゃあ、今日の試合に負けたり、腕が落ちていたら特訓だからね。あ、当然妖精達の協力は禁止よ」

「う……(汗)」


 うん、風の妖精のシルフ達に頼んだらホーミングの矢とか普通に出来そうだからな。

 

「わかったわね?」

「ウン、ワカッタヨ!」


 続いて、狐っ娘達のほうに目を向けるリーフさん。


「どんなに無様でもいいからとにかく勝ちなさい! 負けたらもう一度特訓のやり直しよ!」

「…………(コクリ)」

「…………(コクリ)」


 狐っ娘姉妹の方は真剣な表情でうなづいている。

 う~ん、この時点で恐怖心で動けなくなっていないならもう十分な気がするんだが……。


 あと、リーフさんはティナが練習サボりまくってるのを解ってた様な気がする。


「どうしよう~どうしよう~」


 ティナのあの様子を見ると、十分に狐っ娘姉妹が勝てるハンデになっているだろうからな。




「さて、3人とも準備はできたよね……では、少し距離をとって……」


 リーフさんがティナと狐っ娘姉妹の距離を少し離す。

 まあ、流石に弓対剣の勝負で至近距離からの戦闘開始は無いみたいだな。

 20mぐらい双方の間の距離を離して開始するみたいだ。


「試合、開始!」


 リーフさんが声を上げたと同時に狐っ娘姉妹は、それぞれ左右に大きく弧を描きながら近づいていく。

 二人で一緒に一直線に突っ込んでいけばティナの弓のいい的だからな。

 

「二人が、別々に~~ど、どうしよう」


 ティナの方は完璧にテンパっているな。

 リーフさんならそれぞれに一射ずつして即座に迎撃するだろうし、妖精を使えるティナなら別々の妖精に攻撃を頼んで同時に撃破とかしそうだけど……。

 そんな風に動けないでいる間に半分近く距離をつめられてるぞ。


「牽制でもいいから弓をばら撒いとけばいいのよ」


 隣のシーナが酒を一口飲んだ後に無責任にコメントしている。

 うん、ほろ酔い程度にはなっているんじゃないか?

 スポーツ観戦で声を上げるオヤジ状態な気がする。


「く、こうなったら乱れ打ちだよ!」


 ティナが何本もいっぺんに矢を番え、殆ど狙いもつけずに次々と放っていく。

 ヒュン、ヒュン、と次々打ち出される矢が……俺達の方にも飛んでくる。


「って、危ない!」


 俺の方に飛んできた矢を慌てて避ける。

 

 シーナは何気ない動作で腰のナイフを取り出し矢を打ち払う。

 

 レナさんの方に飛んでいった矢は、ミルファさんの大盾に弾かれる。

 何気ない感じで普通に持ち歩いているよな大盾……。アイテムボックスに入れておけばいいのに。

 

 セリカは、剣を抜いて矢をぶった切っている。

 

 ポチとタマは……あ、ザクザクと何本か刺さって闘技場の外に転送されていってるな。

 

 リーフさんの方はというと……目の前に木の根が生えて盾の様に守っている。

 でも、その木の根に20~30本の矢が刺さってハリネズミのようになっているのは何でだろうな?


 そして、肝心要の狐っ娘姉妹はと言うと……。

 おい、何で一本も向かっていってないんだ?

 避けるまでも無いってのはあまりに酷い命中率じゃないか?


 それと……。


「ティナ……これは……特訓ではなく、根本的な訓練のやり直しが必要かもしれませんね」


 うん、物凄い怖いオーラをリーフさんが出してるな。

 ティナの命が心配になってきたぞ……。



 そんな事を考えている間に、狐っ娘姉妹が間合いまで近づいて、剣をふりかぶる。

 

 そして、グサっと同時にティナを斬り付ける。


「うわ~なんか凄く痛いよ~~~」


 ティナは慌てて弓を捨てて逃げ出す。

 それを狐っ娘姉妹が追いかける。


 うん、そこで武器を捨てるのはどうなんだティナ?

 いつもなら妖精とかで対処するだろうから武器を捨てて回避に専念ってのも間違っていなかったのかもしれないが……。

 ただ、ここまで追い詰められて妖精に力を借りようとしないは何気に律儀なのかもしれない。

 リーフさんが怖いだけかもしれないけどな。



 そして……。

 最初は、速度に勝るティナが悠々と逃げていたのだが……。

 狐っ娘姉妹が別々に分かれて連携し出すと、次第に追い詰められていく。


 一撃、一撃、徐々にダメージは積み重なり……そしてついには……。


 ティナのHPが底をつき闘技場の外に転送されていく。



「…………(おおおおお~)」

「…………(おおおおお~)」


 そのティナの姿を見ながら狐っ娘姉妹は自慢げに剣を掲げる。



 最後は、狩のような感じになっていたが……まあ、これで狐っ娘姉妹もトラウマの克服にはなっただろう。

 というか……ティナの方にトラウマが出来ないか心配な感じがほんのちょびっとするような酷い狩だった気もするが……まあ、あいつなら一晩すれば忘れるか。







 そんな感じで狐っ娘達の試練は終わった。



 そして、ティナの試練が始まる。


「いや~~~ゆるしてよ~リーちゃん!」

「今日は、的に連続100発命中するまで休みは無いわよ!」

「助けて~~~~~~」



 ティナ……狐っ娘姉妹からすらも同情されていたな。

 明日まで生き残れるのだろうか?



 まあ、リーフさんの特訓からも解放されたし、お風呂が完成する夕方まで何をして過ごすかな?

 狐っ娘姉妹に約束していた、【一尾の狐】への職業変更とついでに、多少のパワーレベリングでもしてくるか。

 そこまでガッツリレベリングする気も無いから暇そうなメンバーでいいな。



 結局、店番のマユさん、特訓中のリーフさんとティナ以外は全員で外に狩に出かけた。

 馬も元気を取り戻していたので問題なく馬車でいけたので多すぎて困る事は無かったのだが……。


 リーフさん達の特訓に巻き込まれないように皆で逃げ出した気がするのは……気のせいと言っていいのだろうか?

次回はやっと出来たお風呂です!

はたして、ティナは生き残っているのでしょうか?

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