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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第16章 狐っ娘姉妹のトラウマ解消大作戦?
126/199

第2話 潜入ミッション?

今回は……ご飯取得ミッションです!

天敵の目を盗んで無事ご飯を食べられるのか!?




※2014/03/03

最後に追記しました。

 狐っ娘姉妹がM&Mに引っ越してきてから数日。

 M&Mの2階の一室。それぞれ一部屋ずつ与えられた隣同士部屋の片方、生活してる部屋の方で今日も彼女達は作戦会議をしていた。

 ちなみにもう片方の部屋は使われずに物置になっている。置く物はないのだけど……。



(おなかがすいた~)

(すいたよ~~)


(でも~)

(そとにでると~~)

(あくまが~~~)

(いる~~~~~)


(でもでも~)

(そろそろ~~)

(げんかい~~~)

(おなかすいた~~)


 狐っ娘姉妹の食事は、台所まで行ってマユさんに頼むか、マユさんが彼女達用に作ったお弁当だった。

 リーフにそれ以外のご飯を探すなら残さず食べてからと言われている。


(たべにいく?)

(あくまがいるかも~)

(でも~)

(うん)

(げんかい~~~)

(げんかい~~~)



 狐っ娘姉妹は、意を決して、ご飯を食べに部屋の外に出ることを決める。

 まずは、部屋の扉に二人で耳をあてそのの様子を伺う。


(あしおとは、しない~~)

(しない~しない~)


 次に外の気配を探る。


(だれもいない?)

(うん、いない~~)


 そっと扉を開けて、廊下を……。


「あんたたち何やってるの?」


「!?!?」

「!!!?」


(ど!? どうしよう!?)

(み、みつかった!?)

(へやに、にげれば!)

(だいじょうぶ!)

(はやく~)

(とびらを~)

(しめなくちゃ!)

(うん、しめなくちゃ)


「安心しなさい、私はティナじゃないわ」


(???)

(???)


 狐っ娘姉妹が声をかけてきた相手を改めてみると……。


(かくれんぼのひと!)

(ひと~~~~)

(だからみつからなかった~)

(だからわからなかった~)

(びっくりした~)

(びっくり~~)


「ティナなら、闘技場でセリカと遊んでたわよ」


(!?)

(!!)

(ちゃんす?)

(ちゃんす!)


「……(ペコリ)」

「……(ペコリ)」


 狐っ娘姉妹はシーナに頭をペコリと頭を下げてると、急いで部屋の外に出る。


「がんばりなさいよ~」


「……(コクリ)」

「……(コクコク)」


(きちょうな)

(じょうほうは)

(むだにしない~)

(しない~~)


 

 廊下を足音を立てないように気をつけながら狐っ娘姉妹は先を急ぐ。

 そして、最初の難関が待ち受けている。


(かいだん!)

(かいだん!!)

(ちゅうい)

(きけん!)

(はさまれたら!)

(たら!!)

(にげばが!)

(ない!)


 彼女達は、慎重に近づき、耳を澄ます。


(のぼってくる)

(おとは~~)

(しない~)

(しない~~)

(いまが!)

(ちゃんす~)


 音を立てないように階段を慎重に急いで下りる。

 そこでまたもや不意打ちに……。


「天狐様に地狐様。どうしたのですか?」


「!?!?」

「!!!?」 


(み、みつかった!?)

(ど、どうしよう!?)


「あ、驚かせてしまいましたか? ティナ様ではないので安心してください」


 狐っ娘姉妹は、恐る恐る声の方を見る。


(あ! よくしらないひとたち!)

(しらないひとたち!)

(でも)

(あくまじゃない!)


「レナ、狐さん達を足止めしたら悪いですよ」

「あ、そうでしたね……」


(そうだ!)

(はやくしないと)

(あくまが~~~)

(くる~~)


「お引止めして申し訳ありませんでした」

「急いだ方がいい、ティナがそろそろ闘技場から出てきてもおかしくは無い時間のはず」


「!?!」

「!!?」


(いそがなくちゃ~)

(うん、いそがなくちゃ~)

(あくまが~~)

(くる~~)



「……(ペコリ)」

「……(ペコリ)」


 狐っ娘姉妹は、情報をくれた二人に頭を下げると、台所に向けて急いで駆け出した。




 そして……狐っ娘姉妹は、やっと台所の前にやってくる。


(ゆだんは!)

(しない!)


 今までの経験から、悪魔がこのなかで食べ物をあさってる事があるのを知っていたのだ。

 彼女達は、静かに台所の中を伺う。


(だれも)

(いない~~)

(マユおねえちゃんも~)

(いない~~~)

(でも!)

(うん!)


 二人の目は台所の机の上にあるかわいらしい2つのお弁当箱に釘付けになっている。


(おべんとう!)

(おべんとう!)

(ごはん!)

(だね~)


 そこで狐っ娘姉妹は致命的なミスを犯す。

 一番の危険地帯で警戒を解いてしまったのだ。

 二人でお弁当に駆け寄り、それを手にする。


(おいしそうな~)

(におい~~)

(たべたい~)

(うん、たべたい~)

(たべちゃう?)

(たべちゃう?)


「あ、狐ちゃん達だ~~~~」


「!!!!!!!!!!!!!!!」

「!!!!!!!!!!!!!!?」


(あくまがきた~~~)

(あくまがきた~~~)


(にげろ~~~~~)

(にげろ~~~~~)


(つかまったら~~~ころされる~) 

(つかまったら~~~ころされる~)


「追いかけっこ? やろうやろう!」



 そうして、命の恐怖に駆られて逃げる狐っ娘姉妹と、楽しそうに追いかけるティナの追いかけっこが始まる。


「まて~~~」


(おいかけてくる~~~)

(どうしよう~~~~~)




 狐っ娘姉妹はとにかくがむしゃらに逃げ回る。

 それをティナ笑顔で追いかける。


(どこかににげるばしょは?)

(にげるばしょは?)


「ふふふ~~~追い詰めたんだよ~~~~」


(ころされる~~~)

(ころされる~~~)


 そんな狐っ娘姉妹に、奇跡が舞い降りる。

 近くの扉がガチャリという音をさせながら開いたのだ。


(あそこに~)

(にげろ~~~)


 開いた扉に彼女達が逃げ込むと……。

 

「どうしたんだ? 狐っ娘?」


 必死の形相で逃げ込んできた彼女達を振り返り尋ねるクロ。


(よくわからないひとの)

(へや~~?)


「クロちゃんの部屋に逃げ込んでも無駄なんだよ! もう追い詰めたんだよ!」


 その声にクロが頭を押さえながら呟く。


「うん、何となく解った。いつも通りバカがバカをやったんだな……大丈夫だ安心しろ」


(たすけてくれる?)

(くれるの!?)


『クロ:リーフさん来てくれ~ティナがまたバカをやっている!』


 クロがギルドチャットでリーフさんに呼びかけると……。


「な!? クロちゃん、それは酷いよ! なんかリーちゃんに怒られる気がする!」

「うん、何でここで気がするなんてあやふやなのかが少し疑問だが。”確実”にだろうな」

「ええええ~~~~そんな~何も悪い事はしてないのに~~~」

「自覚無しか……はぁ……」


(たすかった?)

(みたい)



 その後、ティナはこっぴどくリーフに怒られ、それから一晩逆さ吊りの刑に処されるのだった。


 ちなみに、ティナがお仕置きされている時は安全と知っている狐っ娘姉妹は、その日、マユさんの温かい料理をゆっくり食べる事ができた。







 その夜、ちびっ子達とティナ以外のメンバーがM&Mのダイニングに集まっていた。


「これで本当に、トラウマが解消できるのか?」


 尋ねたのはクロだ。


「難しいんじゃない? というか、あのバカのおかげで悪化してない?」


 シーナは、投げやりに答える。


「でも、いい子達ですよ!」

「それ関係ないから。マユ」


 ずれた事を言うマユに突っ込みを入れる呆れ顔で突っ込みを入れるシーナ。

 他のセリカ、レナ、ミルファは、殆ど接点をもてておらず意見を言う事も無い。


「で、どうするんだ? このままだと……悪化するってのは半分賛成だな。あの何もわかってないバカが……悪化させる気がする」

「そうですね……もう少ししてからと思いましたが、少し計画を前倒ししましょう」


 リーフさんがにっこりと笑顔を浮かべる。

 しかし、その笑顔にその場に居た皆は一斉に引く。


 彼らの心はこの時一致した!



 リーフさん……なんか怖い!







「ところで、あんたさっき半分賛成って言ってたのは何?」

「ティナ以外とは結構まともになってきた気がするからな……」

「言われてみれば、確かにそうね」

「ティナに比較して怖くないって感じかもしれないが……」

「…………」

次回は……『戦慄のリーフ』さんで会いましょう。(タイトルはウソです)


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