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第6話 闘技場でのひと時

ついに完成した闘技場。

セリカは、この所ティナとの対戦にあけくれてます。


モンスター退治に行かなくていいのか?

経験値は増えないぞ!

 ミルファさんの昇格だの、【ビギナー】の話だのから、一週間ほど経った。

 現在俺は、数日前に完成した闘技場にやって来ている。


 まんまコロシアムと言った感じで観客席まで完備した優れものだ。

 その上、ダメージ保護機能もあり訓練で事故死することも無い。

 一つ不安なのが、異空間に設置されて、次元の迷子にならないかって事だったのだが……。

 説明を隅から隅まで読んでみたが、トラブルが起きたら強制排出されるっぽかったから少し安心だ。

 あと、異次元というだけあって、超火力を使っても、回りに被害が及ばないってのは凄くいい。

 ついでにコロシアムを壊しても一晩すれば元通りなのもポイントは高かったりする。

 

 ちなみに、対戦相手を用意する機能は追加されてないので、技などの鍛錬か、メンバー同士の対戦しか出来なかったりするのだが……。





「セリカちゃんいくよ~~~」

「ティナさん! いつでもいいです! かかって来て下さい!」


 そんな闘技場で、連日セリカとティナが対戦していたりする。

 対戦が、この頃のティナのマイブームになってくれたおかげで、セリカに対戦をしつこくせがまれなくて助かっている。

 完成直後の1~2日は、俺やシーナが犠牲になっていたからな……。

 あと、一度対戦を受けたリーフさんは……凄く情け容赦なかった……。

 植物の力を借りて足止めした後、ハリネズミにするという恐ろしいコンボで完封していた。

 終わった後、もう一度対戦を求めるセリカに、「また、時間があるときに……」とにっこり笑った時のプレッシャー、周りで見物していた俺やシーナまでも動けなくなったからな……。

 あのティナが恐れている一端がここでも知る事が出来た気がする。


「皆~いっせいにいくよ~~~。ふるばーすと! なんだよ!」


 ティナが、闘技場でいつも使ってる妖精達の一斉攻撃だな。

 彼女のマイブームになった理由がこれだったりする。

 全力全開で思いっきり力を使っても問題ないからな、この闘技場。

 というか……あいつが今までちゃんと手加減をしてた事のほうが驚きだった。

 まあ、これは誤解で、後でリーフさんに聞いたら、妖精さん達が手加減したりティナを止めてたりしたらしい。

 それを聞いて、やっぱりティナだなと安心したりもした。



 ティナの攻撃が、セリカの方に向かっていく。

 今日のティナのふるばーすとは、妖精達による各属性の乱れ打ちだったようだ。

 そんな攻撃に対してセリカは、


「『ホーリーブレイカー』!」 


 【聖騎士】の最強スキルで切り伏せ道を作り、一気に突っ込む。


「ああ~~~きられた! 皆戻って!!!」


 ティナが慌てて妖精さん達に指示を出すが、時すでに遅い。


「ティナさん覚悟!」


 セリカの突撃の速度を乗せた一撃にティナが闘技場の壁までぶっ飛ばされる。

 そして、『Winner セリカ』の文字が闘技場の中央にデカデカと表示されると同時にティナが外へと転送されて行く。


 どうやら、セリカの勝ちみたいだな。

 彼女達が対戦を始めたころは、ティナが火力で押し切る一方的な勝負だったのだけど……。

 ここ1日くらいから一気にセリカの勝率が一気に上がってきた気がする。

 ティナの攻撃に対応し始めてる……。

 というか、火の竜巻を切り裂いたり、今みたいに属性攻撃の乱れ打ちを切り伏せて突っ込んだりと、恐ろしい対応力な気がするぞ。

 一応、WMOでも相殺システムはあった気がするが……レベル云々とかじゃなくて、単純に恐ろしいレベルのプレイヤースキルが必要だった気がする。

 


「もう一度だよ! セリカちゃん!」


 あ、戻ってきたのか。早いな。


「何度でも受けて立ちます!」


 なんて言いながら、二人共もう一度対戦を始める。



「よくやるわね~」


 あ、いつの間にかシーナが隣に座っている。

 気配消して近づいたな。

 何気に意識が他に向いている時にやられると、発見できない事がこの頃わかってきた。


「どうしたんだ?」

「暇だから見に来たのよ。見てる分にはいい見世物だからね」


 そんな事を言いながら、アイテムボックスから飲み物と串に刺さった肉を何本か取り出している。

 何気に、使いこなしてるな。

 

「そういえば、マユさんは、まだ?」

「まだ迷ってるわよ。ギルドコアの所で……」


 そうか、まだやってたのか……。

 マユさんは、ここ数日GPを使って畑を作るか、生産設備を作るか迷い続けていた。


 畑の方は、追加機能で色々あるからな。

 成長促進させて1週間ほどで育ったりする機能とか。

 異次元の畑で、害虫の心配をしなくて良かったり、温度や日光の管理を出来るようになったりとか。

 凄いのに成ると、時間制御で一晩で完成しますなんてのもあるしな。

 ちなみに、今のマユさんだと、成長促進機能をつけた畑と種でGPを使い果たすと言っていた。 


 生産設備の方は、色々種類が多くてわからない。

 次は何を強化するつもりなんだろう?

 まあ、それ自体も迷ってそうだけどな。


 俺としては、畑を作って、売り上げでGP稼いでもいいような気がするんだがな……。


「さっさと決めて施設作ってそれで稼げばいいのに……」


 俺もそう思う。


「で、レナさんと、ミルファさんは?」

「え? 闘技場で訓練するとかいってたわよ。変ね居ないわね」


 あ、思い出した、ティナとセリカの最初の戦いあたりで巻き込まれてたな……。

 う~ん、何処に行ったんだろう?

 

「ちびっ子達やリーフさんは砦の方か?」

「あ、ちびっ子達で思い出したけど、近いうちにこっちに部屋を移すって言ってたわよ」


 ポチとタマはすっかり元気になったみたいだしな。

 狐っ娘姉妹は大分落ち着いてきたって話だったな。

 ついに狐っ娘姉妹のトラウマ克服に入るのか……。

 

「リーフさんはどうやって、狐っ娘姉妹を治療する気だろう?」

「あの子何気に過激な所があるから……」

「う~ん、確かに……」


 狐っ娘姉妹の無事を祈ろう。

 そういえば、狐っ娘姉妹はリーフさんに様子を確認してもらいながら、二人ともレベルを少しずつあげてLv15になっている。

 ポチとタマの尊い犠牲は役に立っている。あいつらに知られたら結構文句を喰らいそうな気がするが……。

 まあ、その時は、うまい物を何か食べさせれば言いか。

 ずいぶん前に怒らせた謝罪の分を食べさせたら凄く喜んでいたからな。

 何気に、『料理(M)』のスキルの効果が良かったのかもしれない。

 WMOで料理は、薬系の回復アイテムより大分性能が悪かったから、ネタスキルでしかなかったんだよな。

 味に関しては、それこそプレイヤースキルが必要だったし。

 こっちでは、本格的に料理を勉強……ないな……流石に面倒だ。


「そういえば、シーナ宝箱のほうはどうだ?」

「ゴミばっかりね」

「そりゃ、一番ランク低いからな~」


 ただ、あの宝箱のランクを上げていったら……。

 恐ろしい物がポンポン出てくるように成りそうなんだよな。

 オリハルコンとか素材系が大量に出てくるようになれば結構うれしいのだけどな。


「とは言ってもランク上げるのに相当GPが必要なのよね……暫くはまたGPを溜める事になるわね」


 ああ、次のランクへの費用がたしか、設置費用の2~3倍だったよな……。

 相当遠い……いい狩場さえあれば乱獲で直ぐって気もしないでもないけどな。


「まあ、がんばれ」

「のんびり行くわ」


 う~ん、俺もそろそろ大浴場を作りたいんだけど……。

 この頃セリカやティナが狩場に出ようとしないからGPが溜まらないんだよな~。

 一人で行ってくるか……それとも誰か誘うか……。

 まあ、急ぎじゃないから自分から行動起そうって気が起きないんだよな。



「うわ~~~~またまけた~~もう一度だ~~セリカちゃん!」

「何度でもいいですよ!」


 うん、ティナそろそろ戦法を考えろよ。

 完璧に対応されているぞ、ふるばーすと。

次は……たぶん狐っ娘達の苦手克服作戦になると思います。

その前に、お風呂を作るかもしれませんが……。

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