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第4話 転職なのか?

『無職に転職です!』

とかって、ゲームではたまにあるけど……転職じゃないよな……。

 夕方頃、ティナ達が帰って来た。

 無事ミルファさんのレベリングが終わったようだ。

 彼女のレベルを確認してみる。


『ミルファ:シールドナイトLv24』


 結構上がっていた。

 まあ、ちびっ子達の様に一気に30を超えたりしなかったのは、あんな無茶苦茶な事をしなかったんだろうな。

 ちなみに他のメンバーもシーナLv41→46、セリカ58→60になっていた。

 さすがにティナはそろそろ上がりにくくなってきたんだろう、上がってない。

 ミルファさんもそろそろ実戦に参加できそうだと喜んでいた。

 ただ、結構稼げたはずのシーナが、何故かうんざりとした顔をしていたので尋ねてみたら……。


「あいつら無茶苦茶しすぎよ!」


 経験値効率とあいつらの無茶は関係なかったみたいだな。



 詳しく聞いてみると、狼型のモンスターと戦っている時、『遠吠え』のスキルで仲間を呼び寄せたそうだ。

 それを見ていたティナが一言。


「いい事思いついた!」


 うん、そのあたりで理解できた。

 モンスターホイホイと言った所だろうか?

 古典的なレベリング手法の一つではあるんだけどな……。




 夕食後、色々話したい事があると、ダイニングに皆を集める。

 ちびっ子達は、狐っ娘姉妹は相変わらずだし、ポチとタマは寝込んだままなので来ていない。

 リーフさんによると、一週間程度で体が適応するって話だったので、あと数日はあのままだろう。

 まあ、ギルドの関係の話なんかは、リーフさんからちびっ子達に、説明を頼んでいるので問題はないと思う。


「で、話って何よ?」


 集まったところで、シーナが切り出してくる。

 「なんか今日は疲れたから早く寝たいわ」とでも言わんばかりの様子だ。

 

「ああ、2つ程話したいことがあったからな」

「師匠、BOSS戦に再挑戦ですか!?」


 セリカが身を乗り出して聞いてくるが即座に否定する。


「いや違う。BOSS戦は当分止めておくつもりだ」


 ティナに頼んで、妖精さん達に偵察に行ってもらっているのだけど、どうやらオーガ達がオーガの渓谷を出る様子は無いらしいと言う報告を夕食前にもらった。

 実体化を頼んで直接聞いたから間違いないだろう。

 あと、オーガキングの様子については戦闘状態とかじゃないので強さを測ることが出来なかったらしい。

 妖精さん達には、ステータスを見たりするスキルは無いみたいで、実際に力を行使してる所を見て感じ取るって事らしかったからな。

 というわけで、オーガキング及びオーガの渓谷には当分手を出さない事にしたと説明をする。


「リベンジが……」


 暫くは、みんなの強化だな。


「それでは、人食いの森にも向かわないという事ですか?」


 マユさんは、やっぱり素材の事を気にしてるんだろうな。


「すまないな、当分素材の採取はきつそうだ。冒険者ギルドで他の場所を探そうとは思うが、今度はちゃんと情報をあつめてからになるだろうからな……」


 今回のBOSSみたいな事がないように情報をちゃんと集めて慎重に動きたいからな。

 特に、狙う場所は冒険者が中々踏み込まない場所になるだろうしな……。


「そうですか……わかりました、暫くは買取をメインにがんばります!」


 簡単に引き下がるって事は、少しは素材の買取に手ごたえを感じたのかもな。

 

「それで、それで? 何か面白い話があるんじゃなかったの?」


 ティナ……それはなんか違う。

 でもまあ、本題に入ろう。



「まずは、GPについてだ」


 ここでリーフさんにGPについてのルールなどを細かく説明してしまう。

 ティナも忘れてそうだから一緒に聞かせた。

 ちびっ子達への説明は、リーフさんに頼んだ。


「って事で、GPについては質問は何かあるか?」

「いえ、特に無いでです」


 説明はこんなものか?


「で? また何か買うの?」


 ティナはキラキラとした目を向けてくる。


「半分正解だな」

「半分?」


 不思議そうに首をかしげる。


「ギルドとして優先して建築する物も今の所無いし、結構みんなもGPが溜まってると思うから前みたいに自由に使うのを解禁する」


 ギルドとして色々急ぎで建築とかして、個人で使う方を制限してたからな。

 まあ、ティナとかは細かな物を頼みに来る事があって、購入とかは一部認めてはいたんだがな……。


「不思議な宝箱ってもう作れたっけ?」

「闘技場を作れます!」

「色々設備を増やせそうですね……」

「レナ何かほしい物ないの?」

「ミルファはどうなのですか?」

「何でだろう? GPあんまり残ってないよ!」

「ティナは使いすぎでしょ! 私の分のGPもあるみたいですし、後で見させてもらいましょう」


 うん、俺もあと少しで大浴場がつくれるしな。

 結構どたばたしてたけど、そろそろ夢のスローライフに舵をきれそうだな。

 あっとそうだ、言い忘れてた。


「あと、GP使う時建築時間が長時間になるものについては、皆に相談な。そういうのが2件以上重なった時は、順番とか決めないといけないし」

「宝箱はそれっぽいわね」

「闘技場もです!」

「生産設備によってはそんな感じですね」


 皆頷きながら自分の作りたい設備の建築時間を思い出しているようだった。


「ちなみに、今から長い時間が必要なのを作りたい人いるか?」


 みんなに尋ねると、セリカが勢いよく手を上げる。


「師匠! 後で確認してGPが足りていたら闘技場を作りたいです!」


 ああ、オーガあたりで稼いだ分とか結構あったからな。最低限の物なら十分だろうな。


「他には?」

「あと少し足りなさそうね……私もオーガと戦いに行っておけば良かったかもしれないわね」


 シーナはオーガとの戦いに参加しなかった分が大きいんだろうな。

 まあ、数日中には達成しそうな感じはするが……。


「少し考えて見ます」

「後で見て考えるよ~」

「私も……」


 他のメンバーはカタログを見て考えるって感じだった。


「じゃあ、今日寝る前にセリカが闘技場を作り始めるって事で、細かな物はそれまでに注文すると言う事で……」


 「うん」「了解」などの返事を決定する。

 うん、GPの使い道についてはこんなものか。



「あ、まった。まだ話は残ってる」


 ギルドコアの方に向かおうとするティナ達を止める。


「そういえば2つあるんだったわね。もう一つは何よ?」


 中々戻らないティナを、席に戻らせてから、今日の本題に入る。


「スキルに新しい効果が追加されたからちょっと試してみたいんだよ」


 そのまま、『調教』の”隷属したキャラクターの職業変更”と言う機能について説明を始める。

 とは言っても、良くわからないから試してみたいのであって、詳しい情報は説明しようがないのだが……。




「私の職業を変えられるのでしょうか?」


 マユさんは何か今の職業に不満でもあるのか?

 もしかしたら、完全な生産特化の職業になりたいのかもしれないけど……。


「師匠、ロードナイトに成れるのですか!?」

 

 たぶん現状は無理だろうな。

 それが出来たとすると、”転職”の機能以上の能力になってしまうからな。


「隷属してるメンバーの職業を変えるね……で? どんな職業になれるの?」

「だから、試してみたいんじゃないか!」

「…………って! めちゃくちゃリスクが高いじゃない!」


 そうなんだよな……。

 この世界でネタ職とかに固定されたらある意味地獄だしな……。


「それでしたら、わたくしが!」

「レナさんは隷属させてないからな、ダメだな」

「では――」

「ミルファさんは昇格したばっかりだしやめておこう」


 流石に、昇格したばかりのミルファさんはな……。

 やるなら、シーナ、セリカ、マユさん、リーフさんだな。

 狐っ娘姉妹は現状コミュニケーションが無理っぽいしな。


 この4人だと……。

 マユさんは生産職だから熟練度の方が下がったりするのが問題だな。

 生産職の場合はマスターさせておきたい。

 

 セリカは……さすがにロードナイトから遠ざかる事になったらって考えるとやめておくのが無難だよな。


 リーフさんは、戦闘能力が皆無になったりするとちびっ子達の護衛とか頼めなくなるからこれもまずい。


 となると……シーナか……。

 索敵のほうはティナの妖精索敵があるから、最悪の場合でも何とかなるだろう。


 うん、消去法だけど、これしかなさそうだ!


「シーナ、頼めないか?」

「ちょ、リスクが高すぎるわよ! 嫌よ!」


 強制する事も出来なくはないが……流石にこれだけの危険な事を強制するのは気が進まない。

 

「それじゃあ、ギルドのGPから報酬を払うって感じでどうだ? 皆もいいよな?」


 と見回すとシーナ以外が頷いている。

 レナさんと、ミルファさんは自分がやってもと言う顔をしていたが……。


「報酬ってどのくらいよ?」

「そうだな、今のシーナのGPとあわせて不思議の宝箱が買えるくらいでどうだ?」

「……う………………」


 うん、結構迷っているようだな。

 ここはもう一押しか……。


「セリカ、闘技場の建築だけど、次に回して今日はシーナの宝箱つくらせてもいいか?」

「師匠!?」

「それとも、挑戦してみるか? 実験に……」


 少し脅しが入ってしまったな……。


「解りました! 師匠!」


 さすがに、セリカは職業関連でリスクは犯したくないらしい。

 

「ということだが、シーナどうする?」

「……わかったわよ! やってやるわ! その代わりちゃんと作らせなさいよ!」

「了解」




 と言う事でシーナにスキルを使ってみる事になった。

 シーナの職業を”隷属したキャラクターの職業変更”の機能を使って変更する。

 う……機能を使った時点で職業の選択肢が出てくると思ったんだが……何も無い。


『シーナ:ブラッディシーフLv46(職業変更中 0/100)』


 彼女の職業に、必要経験値の表示が追加されただけだった。

 う……この経験値を溜めた時点で職業は何に変わるんだ?

 キャンセルは……どうやら出来無そうだ。

 

 うじうじ考えても仕方が無い。経験値の割り振りを最大値の10%にする。

 


 その後、経験値を溜める為に皆で少し外に出かける。

 一応念の為にシーナと、ミルファさんと、レナさんは馬車の中だ。

 馬車を引くのは当然ティナとセリカ。

 夜だからかもしれないが、それなりにエンカウント率が高く直ぐに経験値は溜まった。




 そして……。


「何よこれ~~~」


 と言う声と共に、シーナが肌色に……直ぐに馬車の窓を閉められたので良くは見えなかったが……。

 それよりもだ。

 問題は……。


『シーナ:ビギナーLv1』


 うん、凄く残念な機能だった……。

 【ビギナー】になるとは……。


 これは、懲罰的な機能だったんだろうな……最弱の職業にされるって感じの……。


 期待はずれだったな……はぁ……。






 

 その時、俺はそう思っていたのだが……。

 

 何気にチートなスキルだと直ぐに理解させられる事になる。




 あ、もうマスターだ。


『シーナ:ビギナー★MASTER★』


 ビギナーはLv10でマスターだったからな……。

次回……職業変更機能の真価があかされる……。


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