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異世界に飛ばされた俺は奴隷調教師になっていた  作者: 七瀬 優
第14章 初めてのBOSS戦!
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第2話 BOSS戦の準備

準備を開始したクロ達。

クロは、鍛冶作業に逆戻りだったり……。

自作しか選択肢がないのは地味にきついですよね。

 トンテンカン、トンテンカン、トンテンカン……。


 トンテンカン、トンテンカン、トンテンカン……。


 トンテンカン、トンテンカン、トンテンカン……。


「ふぅ……。鋼の剣はこんな感じかな?」


 俺は、またもや鍛冶作業をやっていた。

 ただし、素材は少しランクアップして、鋼を使っている。

 まあ、元の素材は鉄に変わりないんだけど……。

 鉄を加工して鋼の塊やインゴットを作るからな。


 う~ん、素材不足をこっちの方面でも感じるな。

 回復アイテムの素材がある程度確保できるようになったら、そっちも探したいところだ。


 今回作ってる、鋼製の装備は、売却用ではなく、次のBOSS戦用だ。

 本来なら、冒険者の街で大幅な装備の更新をしたかったところなんだけど……。

 自作した物より、いい品はめったに出ない高級品だったから……。

 結局は自作する事になったのだ。


「あとは……誰のを作ればいいんだっけ?」


 俺は、冒険者ギルドから戻ってきてから相談した内容を思い返す。





 朝、冒険者ギルドに行って、オーガキングの情報を手に入れた後。

 俺たちは早速M&Mに戻ってBOSS戦への準備を始める事にした。



 ちびっ子達以外が、M&Mのダイニングに集まる。

 まずは色々話し合ってして決めてしまおう。



 最初は日程だ。


 準備は今日中に完了させて……凄い急な日程なのはわかっている。

 だけど、「今すぐ行こう~~」「直ぐに行きましょう!」なんて言うティナとセリカに押し切られた感じだ。

 ここまで延ばすのでも苦労したのだ。

 今日中に装備品の準備とかもするとか、何気に俺が地獄なんだが……。


 まあいいや、続けよう。

 明日になったら、渓谷に向かい、オーガと一日戦ってみる。

 この日は、BOSSには挑戦せず入り口あたりでオーガの強さを確かめるのが目的だ。


 で、オーガとの戦いで問題なさそうだったら、明後日にBOSS戦だ!


 その後は、状況次第だな。

 突破できたら、森で一泊する事もあるかもしれない。


 もう少し日程に余裕が欲しいかもしれないが、まあ実際やってみてきつそうなら延期とかすればいいしな。



 次はメンバーだ。


「BOSS戦です!」

「BOSS戦だよ~~~」


 うん、目をキラキラさせてる二人をはずす事は出来ない。

 って事で、ティナとセリカは参戦が決まる。

 まあ、俺も参戦というか、何かあったらフォローしないとだめだから参加だろう。


「私も行きます!」


 マユさんも参加の意思を示す。こっちは、BOSSよりも先の森での採取が目的だろうな。


「わたくしも!」

「レナが行くんだったら私も」


 レナさん、ミルファさんも参加を希望する。

 まあ、BOSS戦でレナさんの能力は地味に効果的だからな。


 そんな中、シーナは、「私は、パスよ」と不参加を表明する。


「また、面倒だからとかそういう理由か?」


 サボりたいだけかと思って聞いてみると、


「そういうのもあるけど、店は閉めておくにしても、ここの留守番無しにはできないでしょ? 砦の方もそうだけど」


 なんて答えが返ってくる。

 ああ、確かに、留守番は必要か……。


「私も、あの子達と待っています。ただ、明日のオーガ戦には、ポチちゃん、タマちゃんを出来たら連れて行って欲しいのです。少しは外に出してあげないと……」


 リーフさん達は当然の如く不参加。

 タマとポチについては、まあ見学だけさせて経験値を与えておくのも良いかもしれないな。

 レベル1桁のままってのも色々不安が残るしな。このメンバーの中では……。

 機会があったら狐っ娘姉妹の方もパワーレベリングでいくらか上げてはおきたいところだ。


 

 そんな感じで、日程とメンバーが決まったら、今日の準備の分担分けだ。


 俺は、みんなの装備品作成。

 マユさんは、俺達用の取って置きの回復アイテムを倉庫から出して準備。

 ミルファさんは、念のため食糧の準備。レナさんはその手伝い。

 シーナは色々情報収集に冒険者の街を回る。

 リーフさんは、ちびっ子達に軽い戦闘訓練。

 ただ、ティナがそれを聞いて青い顔をしていたので本当に軽いのかは解らない。

 ちなみに、今回は狐っ娘姉妹も参加なので、ティナは外れた。それが決まった時凄くほっとした顔をしてたのがますます不安を掻き立てる。


 で、肝心のティナとセリカだが……。

 特に役目はなく、自分の準備をさせた。

 ティナは、言うまでもなく、不安で準備を任せられなかった。

 セリカの方は、あんまり準備をせずにその場その場で力技で突破するような旅が多かったらしく、準備という面ではあてになりそうに無かった。

 いや、正直に言おう。


「特に準備しなくても、今すぐいけますよ師匠!」


 なんて事を言うやつに、準備を任せたくは無い。ティナとは違った意味で不安だ!



 話し合いが終わった後は、各自作業に移って行った。


「お菓子~おやつ~デザートにお弁当~~準備はちゃんと~だよ~~」


 ティナ、お前は何の準備をする気なんだ?

 



 

「あとは、ティナとちびっ子達の分か……」

 

 俺は、一番行きたいティナとセリカが準備の割り当てが無いってのを、改めて不公平に感じながら、作業に戻る。



 それからは集中して、どんどん作っていった。

 

「こんなもんかな?」


 大量に作って吟味して最高の品質を……とは行かないが、まあある程度悪くは無い品質にはなっただろう。

 前に作った鉄製の装備品よりは能力的には大分良くなっている。

 品質は最高品質でないのも結構あるが、品質に左右されるような特殊効果付与は、今回する気が無いからな。

 そこまでこだわる必要も時間もないだろう。


「あとは……」


 ティナの妖精さん達に頼んで集めてもらった……ティナに頼んだとは言いたくない。今回働いてるのは妖精さん達だからな……属性を宿した幾つかの素材を取り出す。

 基本、鉱石が多いが、液状のものなどもある。


「これで属性付与して」

 

 必要がありそうな武器なんかに属性を付与していく。

 そして、一通りその作業が終わった所で、『所有者の刻印(M)』で所有者を設定して完了だ。




「ふう……つかれた」


 作業場をでて窓の外を見てみると、もう日が落ちている。

 結局昼食以外はずっと作業し続けていたな。


「装備品は完成したの?」


 シーナが声をかけてくる。

 待っていたとかではなく、用があってやって来た感じか?


「ああ、一応はな……」

「どんな感じよ? ちょっとみせてみなさいよ」


 なんて言っておきながら、俺が許可をするまでもなく、作業場に入って今回作った装備品を見に行く。

 まあ、一応シーナの分も作ったし、ここのメンバーなら見られても問題ないよな。



「へ~結構よさそうじゃないの?」


 シーナ用に作ったナイフを見ながら彼女が答えてくる。


「風の属性が付与してあって多少速度や回避能力を上昇させるぞ」

「…………」


 うん? なんかシーナが固まってないか?


「どうした? シーナ?」

「今何って言った? あんた?」


 どうしたんだ?


「だから、風の属性が付与してあって――」

「それってもう魔剣のたぐいじゃないの!?」

「いや、魔剣まではいかないだろう? 軽く属性を付与しただけだぞ?」


 何をそんなに興奮してるんだ?

 マジックアイテムの時も結構付与してたと思うのだが……。

 アクセサリなんか作った時でも……。


「はぁ……もういいわ……あんたに何を言っても無駄な気がしてきたから……」

「少し酷くないか?」

「……はぁ……だけど、一つだけいわせて!」

「な? なんだ?」

「絶対に市場に流すんじゃないわよ! この辺の装備!」

「今回は俺達用に作ったから流す気なんて元から無いぞ?」

「今回はじゃなくて、今後もよ!」


 やけに真剣な表情のシーナに押されつつも。


「ある程度市場に配慮すれば……」

「流す事自体が大混乱を生むわよ! 前の騒ぎ以上になるわよ」


 なんかやめておいた方が良さそうだな……。


「わかった。やめておくよ」

「はぁ、なんか色々馬鹿らしくなってきた……」

「で、シーナは何しに来たんだ?」

「ああ、夕食だから呼びに来たのよ」

「ありがとう、じゃあ行くか」


 




 今回作った装備品は……。



 セリカ用に、炎の鋼の剣、風の鋼の剣、氷の鋼の剣、土の鋼の剣の4つの属性の鋼の剣。

 それに、軽鎧の鋼の鎧一式だ。


 ティナ用には、風の鋼の短剣だけだ。

 防具を作らなかったのは、鋼装備では重すぎるのと、彼女が元々装備している皮だか草だかの鎧がなんか、妖精達の加護とか色々されていて結構強いからだ。


 マユさん用には、魔法発動補助用に火・水・風・土の4つの属性を付与した魔法の指輪だ。

 防具は、鉄の鎧でも重くてペナルティを喰らっていたので、今回は諦めて、俺のWMOからの持ち込み品のアクセサリを何か渡す予定だ。

 防御UPと魔法防御UPだけを見るなら種類は結構あるはずだ。

 アクセサリ系は防御力なんかより特殊能力だからな……。

 WMOでは、おまけ程度にしか考えていなかったが、まあいくつかあるはずだ。


 シーナには、風の鋼のナイフだ。

 防具を作らなかったのも含めて、速度と回避能力のためだったりする。


 レナさん用には、水の鋼の短剣と鋼のチェインメイル。

 普通の鎧では、ペナルティが重すぎで全然動けなくなっていたので、チェインメイルにしてみた。

 結構鈍重ではあるが、彼女の場合戦闘よりも、スキルなんかの為に戦場に立っていてもらう方が重要だったりするので、チェインメイルにした。

 水の鋼の短剣は、微妙にHP自動回復効果がついていたりする。

 彼女にも、WMOからの持ち込みのアクセサリを貸し出す予定なので、下手なタンカーより硬くなるかもしれない。


 ミルファさんには、属性付与してない鋼装備一式、鋼の槍、鋼の剣、鋼の盾、鋼のフルプレートアーマーだ。

 あと鋼の大盾も作ったんだが、ペナルティが重くて俺のアイテムボックスに入れて置いた。

 まあ、必要があったら不動の盾になってもらえるしあって問題は無いだろう。

 属性付与されてない理由は、積極的に前線に出てもらうつもりが無く、レナさんやマユさんの護衛を頼むつもりなのと、材料不足だからだ。


 ちびっ子達には、おそろいの鋼の兜&鋼の胸当てを作った。 最低限の防御力は確保出来てはいるが、結構軽量化させてあるので耐久力にやや不安があったりする。

 直ぐに戦闘に参加させるつもりもないし、流石にレベルが低すぎて装備での底上げは色々無理っぽかったしな。

 狐っ娘姉妹にも作ったのは仲間外れにするのが、かわいそうだったからだ。

 鋼の方は材料には困ってないしな。


 最後に、リーフさんと俺はだが、今回は作らなかった。

 リーフさんの場合は、元の装備が草木で出来た物で、結構高能力だったのと、鉄や鋼といったものをあんまり好んでいない感じだったからだ。


 俺は、WMOからの持ち込み品があったのでそっちを使うのだ。



 ちなみに今回の装備品作成で一番苦労したのは、レナさんのチェインメイルだったりする。

 チマ、チマ、チマ、チマ、チマ、チマ、チマ……と1つずつ鎖を作るのには懲りた。


 今後は絶対にチェインメイルだけは作らない! 

次回は、オーガとの戦闘です!

どうなる事やら……。

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