M&Mのバレンタイン
バレンタインSS最終回の3話目です。
今回は、ティナと風の妖精3人が主役(?)の話です。
といいつつ、クロにひそかにチョコを渡してる人が……。
――そして、バレンタイン(?)当日――
「今日はチョコレートがいっぱいもらえる日だよ!」
(知り合いの子に恋人に渡す日だって~)
(言ってた~言ってた~)
(うん、言ってた~)
「シーちゃん、フーちゃん、ルーちゃん。それはホンメーチョコって言うんだよ! 他にもギリチョコってのがあるんだよ!」
(ギリ?)
(ギリギリ?)
(キリギリ?)
「そんなことより問題は、どうしたらいっぱい、いっぱい、もらえるかだよ!」
う~ん。
いっぱい、お菓子がもらえるところはどこだろう?
「あ! そうだ! お店の前できゃくよせ~ってやるといっぱいもらえるよ!」
(どうする?)
(ひまだし~)
(いっしょにあそぶ~)
と言う訳でやってきたよ~M&Mのお店の入り口!
今日はそろそろかいてん時間なんだよ~始まるんだよ~。
あ、お客さんだ~。
「いらっしゃいませ~だよ~」
元気よく挨拶するよ~。
「あ、ティナちゃんだ~このごろ見なかったけどどうしてたの?」
「色々なところに行って忙しかったんだよ~」
「楽しかった?」
「うん、楽しかったよ~」
「そうなんだ~。あ、そうだティナちゃんこれ味見して~」
あ! 早速チョコレートだ!
「うん、モグモグモグ」
「ど? どう?」
(どくみ?)
(どくどく?)
(どくみみ~~~)
「甘くて凄く美味しいよ~~」
「そう、良かった。これならあの人に渡しても良さそうね。ありがとう~ね~ティナちゃん~またね~」
「まったね~」
(きゃくよせは?)
(かえっちゃったね~)
(だね~)
まずは一つ目だ~。
いっぱいもらうぞ~~~。
「ティナちゃん、たべて、てべて~」
「パクパク~あまいよ~」
「こっちも、こっちも」
「モグモ……にっが~~~~~~い」
「え!?? 何か間違えた!?」
「私のも食べて~~」
「ハムハム。美味しいよ~~~」
「私の気持ち受け取って~~~」
「パク! 美味しかったよ~」
「これ食べてみて~」
「モグ? モググ? モグ!?!!?!? これはチョコレートじゃないよ!」
「そ、そんな~~~~~」
「これあげるから、うちの子にならない?」
「わたしは~子供じゃないよ~~~」
(どくみ?)
(ギリギリ? ほんめい? チョコッコ)
(ゆうかい!? ゆかい? ゆかい!)
「パクパク~」
今日はいっぱいチョコレートが食べれるよ~。
さくせんだいせいこうだよ!
チョコレートいっぱい、いっぱい、いっぱい、いっぱい~~。
「ティナちゃんこれ!」
「うけとって~」
「食べてみて~」
「どう?」
「こっちも~たべて~」
「私のも~~」
「…………これ」
「私が先よ~」
「私の方が先よ~」
な、なんだかお口の中が……あまくなってきたよ~~~。
(たべすぎ?)
(たべすぎ~)
(たべたべ~~)
「ルーちゃん、シーちゃん、フーちゃん。食べる?」
(いらない~~)
(うん、いらない~)
(ちょっと……たべてみたいかも)
「フーちゃん、ハイ!」
(そんなに~~~いらない~~~~~~)
チョ、チョコレートが押し寄せてくるよ~~~。
こ、怖いよ~~~~。
「ティナちゃん!」
「これ!」
「こっちも!」
「どう?」
「これもこれも!」
「美味しい?」
「お持ち帰りしたい!」
「うわ~たべてる~」
「今度はどう?」
「変なものがまざってるよ!」
「そんな~~~」
口が甘いよ~~。
チョコレートは、もういらないよ~。
食べきれないよ~~。
(いえのなかにはいればいい~)
(もらわなければいい~)
(たべすぎ~~~)
「ううう、今日は酷い目にあったよ~もうチョコレート食べたくないよ~」
(たべすぎ~)
(すぎすぎ~~)
(すぎぎ~~~)
「ティナさん~」
「あ、マユちゃんだ~ここだよ~~~」
「夕食出来ましたよ~」
「ごはんだ~~~~いまいくよ~~~」
「今日は、デザートを作ってみたので楽しみにしててくださいね」
マユちゃんのデザート! 楽しみ~~。
チョ、チョコレート!?
ここでも襲ってきたよ!
怖いよ~~~逃げられないよ!!
「チョコレートケーキを作ってみました」
「お、結構いけるなこれ!」
「ほ、本当ですか!? クロさん!」
「うん」
「これってチョコレート……はっ!? マユ様もクロ様のこと……」
「これは……勝負になっていません……レナ」
「いけるわね~」
「モグモグ」
「パクパクパクパク」
「モグモグモグモグモグ」
「二人とも、そんなにがっつかないで! とびっちってます!」
「(おいしい)」
「(うん、おいしい)」
「パク、パク、パク、パク……」
ど、どうしよう!?
チョコレートが襲ってくるよ!
ケーキになって襲ってくるよ!
怖いよ! 怖いよ!
「ティナさんどうしました?」
「チョコレート怖いよ~~~~」
「M&Mの前で沢山もらってたから食べ過ぎたんだろう」
(たべすぎ~)
(たべすぎ~~)
(たべたべすぎすぎ~~~)
チョコレートなんて、嫌いだ~~~みたくないよ~~~~。
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数日後……。
「おい、ティナチョコレートは嫌いなんじゃなかったのか?」
「え? こんなに美味しいのに嫌いになるはずないよ~」
「数日前に食べすぎで嫌いになったんじゃ?」
こっちであるのか知らないが、バレンタインの日?
数日前の、2つ目の月の14日目の日に……いっぱい食べ過ぎて……。
「え? 食べ過ぎたりなんかした事ないよ? いっぱいいっぱい食べたいよ?」
「…………」
覚えてないのか?
「今月の14の日って何やってた?」
「え? 14の日……あれ? 私なにやってたんだろう? その日のきおくがないよ!? ど、どうしよう!? きおくそうしつなんだよ!」
封印されたのかあの出来事は……。
「ど、どうしよう! どこかに頭ぶつけたのかも!」
「『フル・ヒール』『リカバリー』『セイント・ヒーリング』これで問題ない」
まあ、気休めにはなるだろう。
「ありがとう~クロちゃん!」
それにしても、こいつが懲りない理由がわかった気がする。
はぁ……。
明日からは、また通常の更新に戻る予定です。
ティナはチョコレートから逃げ出した!
しかし、回り込まれてしまった!
「そ、そんなぁ~~~~」




