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カカオの実?

バレンタインデー企画のSSを3日連続で投稿することにしました。

よろしくお願いします。



シーナとマユさんのバレンタイン? なのか?



※2014/02/12

汚名挽回のあたりに加筆しました。

 ――これは、クロ達が冒険者の街で活動をはじめしばらく経った後のことである――





 カカオの実


 カカオの樹になる果実で、15~30cm程度の楕円形。

 ………………………………………………………………………………

 ………………………………………………………………………………

 ………………………………………………………………………………

 ………………………………………………………………………………

 チョコレート、ココアなどの材料になる。



 M&Mの書庫で本をあさっていたら面白い記述を見つけた。

 カカオの実と言う果実についての記述で、詳細な絵まで載っている。


「う~ん、どう見ても、この油の実よね」


 私は、冒険者の街で売られている、とある果実を手にその絵と見比べる。


 油の実とは、とある樹木型のモンスターのドロップアイテムで、使い道としては、種を潰して油をとるか、皮を繊維にして布にすると言った感じだ。

 ただ両方とも、質が悪く、モンスターのレベルと比べると遥かに安い値段にしかならない。

 だけど、あのモンスターは狩りやすいからね~。

 あたりに他のモンスターが少なくて、その上このモンスターが移動できないから……。

 遠距離攻撃が出来る職が、このモンスターの射程外から攻撃すれば、一方的に攻撃できるのよね。

 まあ、金銭効率はともかくとして、レベリングにはもってこいのモンスターで人気の狩場なのよね

 だからよね、殆ど金にならなくても、矢などの消耗品の出費を少しでも埋めるため、それなりの数が売ってるのは……。


「本当にこの実が、チョコレートやココアなんてものになるのかしら?」


 もし、使い道があるなら大もうけできるかもしれないわね。

 まずは、この油の実改めカカオの実をチョコレートやココアにする方法を探しましょう。



 う~ん、チョコレートの作り方を何とか見つける事ができたけど……。

 これは面倒そうね。

 というか……食べ物だったとは……。

 これは私一人では無理ね……マユに手伝ってもらいますか。



「と、言うわけで、この実から”チョコレート”ってのを作ろうと思うのよ!」

「チョコレートですか? 初めて聞きます美味しいのでしょうか?」

「どうなんでしょうね? まあ作ってみればわかるんじゃないの?」

「そうですね、作り方もあんまり難しくはなさそうですしやってみましょう」



 一冊の本を見ながら、二人でチョコレート作りを始める。

 

 ①発酵

 本来なら時間がかかるんだけど、マユの作業場の反応促進装置ですぐに終わる。


 ②乾燥

 同じく反応促進装置で……。


 ③焙煎

 マユに、台所でやってもらう。


 ④選別

 うまく出来たのを選ぶ……うまく出来たのってどれなの!?


 ⑤皮をむいて捨てる。

 チマチマチマチマチマチマ! 面倒!!


 ⑥細かく砕く

 すり鉢があったからそれでガシガシガシ。


 ⑦もっと細かく砕く

 も……もっと!?

 

 ⑧……

 マユ、後任せる!




 そんな感じでチョコレートが出来たんだけど……。

 

「これ食べれるの?」

「この本にはそう書いてありますが……」


 う~ん。


「マユちゃん、シーナちゃん何やってるの?」


 あ、いいところにティナが来たわね。


「これ食べてみない?」

「え!? 何これ!?」


 パク!

 う~ん、何で躊躇無く食べれるのかしら?


「あっま~い。おいし~い」


 うん、一応食べ物のようね。

 私も一つ食べてみようかしら。

 

「うん、結構いけるわね」

「うわ、本当です!」


 これなら売れそうね。

 材料も、ただ同然唯の油の実(カカオの実)だし、大もうけの予感よ!


 チョコレートの説明の所に面白い商売方法も載っていたしね。





『女性からプレゼントとして送ると、相手の好感度が1UPする魔法のお菓子』


 この一週間、こんな噂を流してみたわ。

 情報操作ならお手の物……なんだけど、なんなのあの食いつきは!?

 知らぬ間にとんでもない速度で広がっていたわよ!

 最後は逆に私の方が引いたわ……。

 まあ、それでも一応、冒険者の街の女性達の間では広がったわ。



 

「さて、噂が広がった所で! ついに販売よ! マユ準備は出来てる?」

「出来てますけど……本当にいいんでしょうか?」

「大丈夫、大丈夫。あの本にも思いを伝える為のお菓子って書いてあったでしょ!」

「う~ん、何か微妙に違う気がしますが……」

「そんなこと気にしないで、さっさと始めるわよ! あと、売り上げの半分は私の分だからね!」

「それはかまいませんが……本当に売れるのでしょうか?」


 そうして、M&Mでチョコレートの販売が始まったのである。

 

 売り上げは想像以上だった……。

 それで最初は、凄い大もうけだと喜んでいたんだけど……。



「シーナ、急いでください!」

「ちょ、マユ。少しは休ませて!」


 今朝からずっと、油の実の発酵、乾燥、焙煎、選別、皮むき、粉砕の作業を続けてるじゃない!


「まだまだ全然足りないんです! 休んでる暇なんて無いですよ!」

「ちょ、何でそんなに乗り気なのよ!」


 なんか、最初は乗り気じゃなかったのに、なんでこうなったのよ!


「チョコレートなら材料不足に困る事がないのです! 休業が多い店と言う汚名を今度こそ挽回です!」


 汚名は返上。なんか今日のマユって……。


「これだけできれば十分でしょ!?」

「これじゃあ、一日分の商品にもなりません!」


 これは逃げるしか……。


「シーナ! 逃げようなんて思わないでください!」


 う、何て鋭いの!?

 それよりも、今のマユなんか怖いわよ!


「がんばって明日の分を作ってしまいますよ、シーナ!」

「ううう……何か私の想像していたのと違うわ。もっと楽に儲かるはずだったのに……」

「大丈夫です、シーナにも売り上げの半分が入っています!」




「ところで、マユ」

「何です、シーナ?」

「これもう、お菓子屋になってない?」

「ぁ…………だ、大丈夫です! 装備品も売っているから何でも屋で!」

魔法マジック&マジックアイテムって話はどこに行ったのよ?」

「はぅぅぅぅぅ」

明日は、レナさんとミルファさんの予定……。

どうなる?




※M&Mの書庫

ティナが買いあさっていたアイテムが部屋からあふれ出し、

何気に有用な書物も混じっていた事から書庫が作られる事に。

簡単に言えば、ティナの部屋で埋もれていては皆で有効活用ができなかった為とも……。




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