性交渉前交渉
「おぉーでっかいおっぱいってこんな浮き方なんか」
大玉のメロンくらいはありそうなおっぱいが少しだけ水面に浮く。
もっと浮くと思っていたけど大半はお湯の中でゆらゆらと揺れている状態だ。
新しい発見だね。
あの後、血濡れの全裸のままでいるわけにもいかないため推定同郷の種付けおじさんが人払いをして大浴場に案内された。
護衛の騎士は「二人きりなど!まだこの女が巫女と決まったわけではないのですよ!」と抵抗していたが「でもほら、初体験はふたりきりがいいしさ」とか種付けおじさんが言いくるめてしぶしぶ浴場の前の廊下で待機している。
護衛の人たち、本気でこの種付けおじさんを心配してるっぽかったな。
やり取りを聞いているとこの種付けおじさんが勇者だから身の安全を心配しているというよりもこのおっさんそのものの身を案じているような口ぶりだった。
なんかかなり人望ありそうじゃんこのおっさん。
「うおっふ……あ、あのさ」
「うん?」
「き、君、マジで元男なの?」
おっさんは私から人一人分離れた位置で浴槽に座りながら切り出してくる。
めっちゃどもってる。
目を見ているつもりなのだろうが、視線は完全におっぱいに固定。
男のおっぱいへの視線ってこうやってわかるんだ。
なるほどなぁ。
腰のあたりにはちんこを露出させないためか手ぬぐいをかぶせている。
が、手ぬぐいはそそり立つちんこをかろうじて隠している状態で存在感は全く隠せていない。
「そうっす。そうですわ?そうよ……うーん、そうっすのがいいか。そうっすよ」
自分の言い回しを工夫しながらおっさんの質問に答える。
うん、なんか後輩風の言い回し方がしっくりくるな。
女言葉も男言葉もなんか違和感がある。
魂は男で脳が女だからかな。
首だけを浴槽の端にかけ、体をお湯に完全に預ける。
さっきまでは少しだけ水面に浮いていたおっぱいは、今度は乳首を頂点に半分ほどがうかびあがり、二つの島を形成。
おっさんの股間が怒髪天。
手ぬぐいで隠しきれずに陰毛まみれの玉袋がちらり。
おえっ!きったねえ!!!
思わずおっさんから背を背けてうつぶせになる。
水面に私自身の顔が映った。
「うっわー。やべぇ、マジで見たことねぇレベルの美少女になってる」
長い銀色の髪がしなやかな肩を伝いおっぱいにカーテンのようにかかっている。
大きな深い碧色の瞳はまるでサファイアのような輝きを持っており、長い睫毛その吸い込まれるような瞳を一層引き立てる。
白磁のような肌と淡い桜色の唇は、まるで春の花びらのように柔らかく瑞々しい。
お湯でほのかに桜色に染まった頬はサキュバスが誘惑しているかのような雰囲気を思わせる。
「こんなん全裸でいたら襲いますやん。おっさん結構紳士やね」
「異世界転生したとはいえ同郷をいきなり襲わない程度の理性はあるよ」
まあそれはそう。
これは現実であってエロ漫画じゃないからな。
「それはそれとして勃起はしてるみたいだけど?」
「その身体見て勃起しないのはもうEDでは?」
それはそう。
「まあこんな美少女目の前にすればそうだよね」
「うん、初めて見た瞬間ビビったもん」
じゃあまあ許してやろう。
自分が同じ立場だったら理性保ててた自信ないし。
なし崩し的に初体験に持ってったと思うし。
それに比べるとこのおっさんはかなり紳士寄りだ。
「ところで何で俺みたいなキモいおっさん選んでくれたの?」
「そりゃ最強だからっすよ」
「割り切り凄いね」
「だってさ、一番ましな男の娘でもちんちんついてるわけじゃないっすか。……男な時点で元男としちゃキツイ。私はホモじゃないんで」
「まあ、それは、そうだね」
「どっちにしても生理的にきついなら容姿のメリットはそんなにないし、強さとのバーターとしては弱いなって。しかもおっさん含めて中身は普通にいい人って女神さまからのお墨付きもあったから、中身はみんな普通に良い人なら性能だけで選ぶのが吉かなと」
「それでも俺みたいなクソデブを選ぶとかきつくない?」
なんかやたら自虐してくるなおっさん。
「もしかしてその容姿前世そのままっすか?」
「転生したのにそのままだよ。目が覚めたら身体が変わってなくて夢かって思ったもん」
あー、それはご愁傷様。
「まあ同性なら別に容姿とかにならないけど、ホモじゃないんでおっさんの容姿どうこう以前に男といちゃつくのはきついっすわ」
「この容姿気にならないんだ……?」
「ゆーておっさん結構騎士の人から慕われてるっぽいじゃないっすか」
「転生覚醒する前はマイナス評価だったみたいだけど、半年必死に頑張ったからね。ようやく領内も安定してきて、信頼獲得できてきたところだよ」
「おぉー内政チートしてるじゃないっすか。醍醐味だなぁ」
「でも屋敷のメイドには相変わらず汚物を見るようね目で見られてる」
「覚醒前によっぽどやらかしたんすかね。それに容姿もあるから半年だと汚名返上はできていない、と」
対男に対しては仕事で信頼回復できたけど、対女性に対してはまだ自信がない状態、と。
私に対して勃起しながらもどこか探るような視線をしてるのはそれが原因かぁ。
「…………うん」
めっちゃ涙目になるおっさん。
女の脳は「うわキモ」と言っているが男の魂がおっさんに同情する。
なんか励ます方法は。
あるじゃん。
「大丈夫?おっぱいもむ?」
そう言って私はおっさんの前に座って自らの双丘を鷲掴みにしておっさんに見せつけてみる。
固まるおっさん。
同時に私の中には強烈な違和感。
「うっわ。おっぱい柔らか。ふわっふわやん。でもこんな美少女の乳揉んでるのに全然興奮しねぇ……」
もみ心地は最高。
でもなーんも気持ちよくないし、心のちんぽも反応しない。
「まじかー……」
「ね、ねえ」
一方的に私がショックを受けているとおっさんがおずおずと手を上げる。
「あ、なんすか?」
「も、もももも、もんでいいの?マジで?」
「いいっすよ。ほら。ガバっと」
胸を張る姿勢でおっさんの目の前に立つ。
おっさんはおずおずと手を震わせながら私の胸を両手でつかむ。
「あっ」
「だ、大丈夫!?」
なんかおっさんに触られた瞬間に両胸から下腹部のラインに衝撃。
どういうこと?
いや、今はそれよりも……。
「どうっすか?」
「最高……美少女のおっぱいわらかくて超興奮する。生きててよかった……」
しみじみと言うおっさん。
そんなに?
まあそんなにか。
私だって前世でグラビアアイドルのおっぱいをもむチャンスがあったら同じ反応をするだろうし。
おっさんは私のおっぱいを至福の表情でもんでいる。
私はなんか妙なくすぐったさが続くが、このままいても話が進まないのでおっさんにおっぱいをもませたまま話を進める。
「じゃあとりあえず」
「?」
「細かいことはヤることヤったあとに話しましょうか」
「え、いいの!?」
おっさんが驚いて思いっきり俺の胸をもんでくる。
「ひゃぁ!!急に強く揉まんでくれます!?」
すげえ電撃みたいな衝撃が全身走ったんだけど!?
「あ、ご、ごめん」
パッと手を放すおっさん。
目線はおっぱいに固定。
「正直もうすぐにでも勇者として覚醒しないとヤバかったから今日このままドチャクソセックスできるとマジで助かるんだけど……その、大丈夫?」
「転生した瞬間そんな気はしてたんで覚悟はできてるっす」
初手死体まみれ血まみれはどう考えてもやべぇ状態だもん。
そこまでしないといけないシチュなんでしょ。
「じゃあ……」
「あ、でもやっぱ男とイチャつくのキツイんでフェラとかキスは慣れるまで当面無しで体位はバックオンリーでオナシャス」
「全然オッケー!むしろ俺バック好きだし!」
いらん情報ありがとう。
「じゃあ話もまとまったことだし」
「う、うん」
「バッチコーイ」




