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TS転生するときのパートナー選択で種付けおじさんを選んだら割と幸せ  作者: 九束


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12/24

バフ効果検証ブートキャンプ:DAY2午後

ゲートをくぐり、数百メートルの通路を抜けると第二階層が広がっていた。

第一階層のSFチックな未来地下都市風廃墟とは打って変わって、巨大な洞窟にコンクリートを吹き付けたような空間。

まあ第一階層の広さが普通に大都市くらいの規模があるのがおかしいので、第二階層も十分広い。


多分両脇の壁までは数キロありそうだし、天井だって数百メートルはある。

ただ、雰囲気が現実世界の洞窟に掘られたシェルターのような感じが第一階層と大きく違う部分だった。

建物も少なく、代わりにコンテナなどが積み上げられている。


通路も第一階層のように都市区画のようになっているのではなく、でかい通路が一本道。

奥の壁も見えるので多分複数隔壁のあるシェルターのような構造になっているのだろう。



数百メートル先にはこちらを察知したのか、オークリッチとゴーストエルフの群れが等間隔に並んでこちらに迫ってくる。

「敵およそ3000!オークリッチとゴーストエルフが中心!オークゾンビなどはいません!」

私を守る騎士さんが双眼鏡を覗いて敵の構成を報告してくる。


「午前と同じく千客万来だなぁおい」

「第二階層は舐めプしたらセックスバフ付きのHPでも削り取られるから真面目にいくよヴィーさん」

「いや私はこのダンジョンに入ってからふざけたことはないんだが?」

モッさんが一方的にふざけてるだけだが?


「イカセハセンゾ……」「マモル……ゼッタイ……」「キチクドモメ……」

なんか第一階層と違って台詞がシリアス風。

どことなく統率も第一階層に比べて取れてるように思えるし。


「じゃあ行くよヴィーさん!」


いや、今は考察よりも攻略が優先だ。

考察は後でできる。


「オーケーじゃあほらバフ!がんばれ❤がんばれ❤」

とっととモッさんにバフを掛けよう。

「あーやる気がみなぎるんじゃぁ~~~~ステハゲビーム100%!!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」



「ミンナヲマモルンダ!!!」

「種付けプレス100%!!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」



「空間ファックバリア!!!!」

メキメキメキメキ!!!!

「イイイイイイ❤」



「タエキレ!!!」「カゾクヲマモレ……!」

「ステハゲビーム100%!!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」



「空間ファックバリア!!!!」

メキメキメキメキ!!!!

「ヒギィィィィ❤」



「ゼッタイトオスナ!!!」「フタツウシロハミンカンクカクダゾ!!!」

「種付けプレス100%!!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


「ミコヲネラエ……!」「ナントシテモトメロ!」

「ひっ」

「オラァ!俺ら騎士だってレベルアップしてるんだぞ!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」

「騎士さんかっけぇ……」




「空間ファックバリア!!!!」

ボォォオオオ!!!!

「ンオォォォォォオオオ❤」








………………。






…………。






……。








ピピピピピピ。




「種付けプレス100%!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」

「OKボスエルフゴースト退治完了!そっちは?」

「テルマエ制圧完了です勇者様!」


一日目は私を守ることに徹していた騎士も1日目のモッさんの恩恵でレベルアップをしたのか戦闘に加わり、あっさりと第二階層最深部のセーフエリアに到達する。

なんかローマの温泉浴場風の設備だ。なんでこんなシェルターみたいなエリアに?


疑問と言えばもう二つある。


ゲートを突き破るたびに聞こえる若い女性の声。

なぜかモッさんと騎士さんたちには聞こえないらしい。

第三階層に行けば何かわかるだろうか。


あともう一つは第二階層って、第一階層と違ってなんか……こう。

こっちが悪役感がすごい。


「なんかさ、第二階層の敵って、こう……この先を守ってる感凄くない?」

第一階層も第二階層もオークやエルフの成れの果てっぽい姿の敵なのだが、第一階層が性欲まみれだったのに対して、第二階層はこの場を死守して絶対に先の階層に行かせまいとする執念と、私たち人類への深い憤怒の感情が感じ取れた。


「……多分このダンジョンができる原因になったときの記憶を持ってるんだと思う」

数百年前の民族浄化か。

つまり、このダンジョンは人類が亜人の都市を滅ぼした時にできたモノ、と。


「正直かなり罪悪感来る。ヴィーさんは?」

「ん-……私はそこまでではないなぁ……」


なんか居心地が悪いというかばつが悪いっちゃー悪いがそれだけだ。

そもそもこの世界の人類と転生してきた私たちは違うわけで。


「そもそも私たちはこの世界の人類出身じゃないので気まずいなぁ程度」

「ヴィーさん結構割り切りすごいよね」


うん、まあそれはそう。前世の私も割り切りは良い方だったが、こっちに来てからより割り切りがよくなってる気がする。

前世の男の魂と女の肉体で脳がバグった副作用なのかもしれない。

「とにかく、バフ切れたなら補給だろ」


「……うん」

ちょっとテンション低いモッさん。

うーん、ちょっと元気づけにサービスするか。


「ごはんにする?お風呂にする?それとも私?」

「ヴィーさんにご飯作ってもらいながらヤってそのあとに一緒にお風呂は?」

いやお前も結構割り切り強くない?


「はいはい、わかったわかった。包丁使ってる時と火を使ってる時は動かすなよ?」

「ひゃっほい!」

だんだん遠慮なくなってきてるなお前。


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