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7 大ダメージ



俺はその瞬間、走り出した。


佳世の家に行くつもりだったが、もうそんな事どうでも良くなった。


ショックだった。


くそっ!!


あんなシーン見たくなかった!!


なんだよ!!


なんでだよ!!


玉砕覚悟の告白すら許されねえのかよ!!


情けねえ!!


なんで涙なんか……!!


失恋して泣くなんて!!


自分がこんなに情けないとは思わなかった!!


くそっ!!


家まで泣きながら帰った。


自分の部屋のベッドに横になる。


さっきの光景が頭から離れない。


忘れろ!!


あんな事忘れちまえ!!


気が付くといつの間にか眠っていた。









prrrrrrrrrrrr


ん……?スマホの着信?


……今何時だ?


19時か……。


相手は……相原?


メッセージも来てるな。


『今何してる?暇だったら話さない?』


どうするか……。



prrrrrrrrrrrrr


また着信?


そんな気分じゃないけど……シカトすんのもな……。



「もしもし?」


「あっ!新谷君?今電話大丈夫?」


「……、ああ、大丈夫だけど……」


「あれ?寝てた?っていうか、鼻声?」


「ああ、ちょっと寝てた」


「……え?もしかして……なにかあった?」


「ああ、いや……ちょっとな……」


「あ、あの……私で良かったら、話くらい聞くよ?」


「いや、大したことじゃないよ……」


「……ねえ、ご飯食べた?」


「いや、まだだけど」


「今から会えない?なんか心配だよ……」


「大丈夫だって。ありがとな、心配してくれて」


「ううん、あ、あの、話さなくてもいいから、会えない?」


「え?いや、時間も時間だしな……」


「お願い!私、今会いたいの!」


「いや、けど……」


「ね?新谷君の顔見て安心したいの!」


「どうしてそこまで?」


「なんか、新谷君の声とか雰囲気とか、普通じゃない気がするの。だから……」



俺の表情は見えてないのに、そこまで……?


そんなに声に出てるのか……?



「どうしてもダメって言うなら、諦めるけど……」


「……わかったよ、ファミレスでいいか?」


「うん!!嬉しい!」



そうして、相原と会う事になった。



一時間後、ファミレスにて。



「新谷君!!お待たせ!」


「ああ、悪いな、こんな時間に」


「私が会いたいって言ったんだよ?謝らないでよ」


「そっか……で?相原もメシ食ってないのか?」


「あ、私は食べたから……飲み物だけでいいよ」


「え?食べたのか?」


「うん、とにかく新谷君に会いたいって思っただけだから」



うっ……ストレートなんだな。



「新谷君、何食べる?」


「ああ、あんまり食欲ないから、軽いものがいいかな」


「そう?じゃあ私は……」



二人とも注文が終わり、俺は食事を始めた。



「ねえ?新谷君、言おうか迷ったんだけど、目が腫れてる……」


「あ、そ、そうか?」


「……泣いてた?」


「……」


「ご、ごめん!言いづらいよね、でも私……」


「いや、心配してくれてありがとな」


「ううん!でも、何があったの?話したくなかったら話さなくてもいいけど……」



どうする?


俺の事を好きだって言ってくれてる相原に、佳世の事を話すのは……。



「坂本さんの事?」


「うっ」


「やっぱり……」



そうだよな、わかっちゃうよな。



「聞いてくれるか?」


「うん」



そうして、今日会った事を相原に話した。



「そう……本当に兵藤先輩と付き合ってるんだ……」


「どういう事だ?」


「……私ね?何となく坂本さんって、新谷君の事好きなんじゃないかって思ってたの」


「え?」


「何となくだよ?でも、そっか……。私、頑張ってもいいんだ……」


「え……、頑張る?」


「うん、正直坂本さんには敵わないって思ってたから……。ねえ、新谷君?」


「ん?」


「改めて、私、新谷君が好きです!今は考えられないかもしれないけど、少しずつでいいから、私の事も考えて欲しい」


「あ、いや、でも」


「まだ坂本さんの事、好き?」


「……わからない、けど、諦めなきゃな、とは思ってる」


「そう。それじゃあ、私との時間を作ってくれない?」


「え?」


「私、新谷君と仲良くなりたい!だから……」



こんなに俺の事、想ってくれてるんだ……。


どっちにしろ、佳世の事は吹っ切らないといけないしな……。



「わかった、俺で良ければ」


「ホント?!良かった!」


「すぐに相原の気持ちに応える事は出来るかわからないけど」


「うん!それは良いの!新谷君と一緒に居られるなら!」


「……ありがとう。こちらこそよろしく」


「うん!!よろしくね!!」




こうして、相原と過ごす時間が増えて行った。















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