5 VS『侵食者』5
「よし、まず分身体から倒していこう。さっきアムが使ったのは『敵の動きを止める』スキル、って考えればいいのか?」
「その通りです」
俺の問いにうなずくアム。
「効果範囲が狭いので、分身体を全部一度に止めることはできません。それと同レベル以上の相手には効きづらいので、アウシル本体にも効果はないはずです」
「なるほど……」
じゃあ、やっぱり分身体から狙っていくのがベストだな。
「よし、一体ずつ順番に分身体の動きを止めてくれ。そいつを俺が魔剣で叩き斬る」
アムに告げる俺。
「まず一番右側から止めますよ」
「分かった」
アムの言葉にうなずき、俺は走った。
「【フリーズ】!」
アムがスキルを発動。
分身体の動きが完全に止まる。
そこに突進した俺が、魔剣を叩きつけた。
【フリーズ】のおかげで超振動装甲が機能していないから、簡単に斬り裂ける。
「二つ! 次!」
俺は次のターゲットを探す。
と、二体同時に正面から突っこんできた。
「アム、右だ! 俺は左を撃つ!」
「――分かりました!」
とっさの指示だったが、アムはすぐに意図を理解してくれたらしい。
俺はバインドガンを使って右の分身体を拘束する。
超振動装甲によって、光のローブはすぐに引きちぎられるが、かまわず連射した。
とにかく足止めさえすればいい。
「【フリーズ】!」
その間にアムが左のやつを静止させた。
すかさず魔剣でそいつを斬る。
「三つ! アム、今度は右だ!」
言いながら、方向転換する俺。
「【フリーズ】!」
ちょうどいいタイミングでアムがスキルを発動した。
動きが止まった四体目を、俺はなんなく両断する。
「四つ! あと一つ――」
「おのれっ……!」
アウシルが向かってきた。
「こうも手際よく我が分身体を破壊していくとは――」
もしかしたら、新たに分身体を生み出すかもしれない、と警戒したが、その様子はない。
分身体は五体で打ち止めなのか、あるいは連続で生み出せる数には限りがあるのか。
どちらにせよ、残るは最後の分身体と本体だけだ。
「アバターたち、あいつを足止めしてくれ!」
俺は指示を出しながら、さらに走った。
「その間に俺が五つ目の分身体を斬る!」
「【フリーズ】!」
アムがすかさずスキルを発動。
動きが止まった五体目を、俺は魔剣で打ち倒した。
「五つ! これで分身体は全部倒した――」
俺は『侵食者』に向き直る。
「残るはお前だけだ、本体――」
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