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役立たずの冒険者、スキル覚醒で得た魔剣と魔道具で世界最強に至る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第4章 雷鳴都市のダンジョン、攻略

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38/90

4 さらなる下層へ、攻略は続く

「ふうっ、もふもふタイム終了だ」


 しばらくの間、アリシアの狐耳と尻尾を愛でた俺は、名残惜しい気持ちを振り切って両手を放した。


「ありがとう、アリシア」

「いえ、少しでも気分転換になれば何よりです」

「最高の気分転換だったよ」


 俺はにっこりとして言った。


「まだ余力があるから、もっと下の階層まで攻略しようと思うんだ。どうかな?」

「異議なしです」


 俺の提案にうなずくアリシア。


「じゃあ、行こう」


 次は第十六階層だ。

 三十階層まで一気に行くのは無理だろうけど、できれば二十階層くらいまで行ってみたい。




 十六階層はオークの集団がいた。


「先にあたしが魔法を撃ちますね」


 と、アリシア。


「じゃあ、その後で俺が剣で薙ぎ払う」


 おおざっぱに攻撃順を決め、バトルスタート。


 手はず通りアリシアが魔法を放つと、オークたちの何体かを撃破し、残りもたじろいだように動きを止める。

 そこに俺が突進した。


 魔剣を、振るう。


 今の俺の身体能力なら、オークくらいは一対多数でも圧倒できるようだ。

 まとめて斬り伏せ、さらにアリシアから追加で魔法攻撃の援護をもらい――ほどなくして、全滅させることができた。


「ふうっ、思ったより簡単に倒せたな」


 俺の周囲には三十ほどの魔石が転がっている。

 いずれも撃破したオークから出てきたものだ。


 中にはRの魔石が混じっていた。

 オークの中に数体、上位種の『パワードオーク』が混じっていたのだ。


 今後のアイテム交換のために、Rの魔石は貴重である。

 もっと強いモンスターを倒せば、SRの魔石を得られることもあるようだが――。

 俺は今までの冒険者生活でSR以上の魔石を手に入れたことはなかった。


 まあ、それはともかく、今はこのダンジョンの攻略だ。


 十七階層まで降りていく。

 罠が多いフロアだったがモンスターとは遭遇せず、どうにか十八階層へ。

 

 十八層では逆に罠がほとんどない代わりに、何度もモンスターの群れに出くわした。


 ただ、俺たちの敵じゃなかった。

 身体能力などのステータスが常時向上しているのに加え、魔剣や魔法弾、爆裂魔法の罠……と攻撃オプションが豊富にある。

 アリシアの魔法の援護もある。


 俺たちコンビは以前よりも戦闘力を数段増していた。


 そして――とんとん拍子に二十二階層までやって来た。


「そろそろ中ボスが出てきてもおかしくないな」


 俺はアリシアに言った。


「警戒していこう」

「了解です」


 アリシアが俺の腕にギュッとしがみついた。


「アリシア……?」

「あ、す、すみません、つい――」


 照れたように離れるアリシア。


「無意識にゼノさんにくっついちゃいました……」


 なんか妙に顔が赤いな、アリシア?

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