町に到着
俺ことユウトは今悩んでいます。何にかと言いますと……目の前の生首と首なしの対処にです。そのまま放置でも良いのかどうか? 誰か教えてくれませんか?
まぁ、教えてくれるわけないわな。
「マジでどうしょう?」
かれこれ30分は悩んでいるが答えがでない。
もう燃やそうかな。
「いや、またモンスター出るかも知れないし止めとこ」
早くしないと町に着く時間が遅くなるし……早々に決めないと……。
「う~ん……テュポンはどう思う?」
他の意見も聞いてみようとテュポンに質問する。
「キュイ?……キュイキュイ!」
「え? 俺が決めろって? そう言うのが一番困るんだけど…」
どうしよう……。はぁ、思考がループしてんな。
「はぁ、一旦考えるのやめよ。それよりレベルの確認とゴブリンを見るか」
つい30分前の機械的な声が言っていた内容を思い出し、確認しようとする。
「さて、どうなってることやら。【ステータス】」
ユウト・カノ 16才 Lv.2 追い出された勇者(笑)
HP/120 MP/60\120
魔法:無属性魔法Lv.1
モンスター召喚
固有スキル:配下能力拝借Lv.1
スキル:鑑定Lv.1
拝借スキル:引っ掻きLv.1○
配下:ベビードラゴンLv.1 ゴブリンLv.1
「レベルは1上がっただけか。まぁ、ゴブリン程度じゃあそんなもんか」
それより、HPとMPの上がりが良いな。さすが勇者って事だな。
「ステータスはこんなもんか。さて、お次はゴブリンのステータスを見ますか」
ゴブリン ★ Lv.1
HP/20 MP/0
魔法:なし
スキル:棒術Lv.1
召喚:MP5 ???:MP?? ???:MP??……
ユウトのモンスター
「うわぁ、ゴブリン弱いなぁ。 それにさっきのゴブリンはLv.3だったのにLv.1に戻ってるし」
しかもスキルが棒術だけって……。棒術ってパッシブスキルだよな? 固有スキルで拝借したらどうなるんだ?
「やってみますか! 【配下能力拝借】を発動」
『拝借する能力を選んでください』
固有魔法:竜魔法Lv.1×
スキル:飛行× 棒術Lv.1○
「はいはい、ほんじゃ棒術を選択っと!」
ピロンッ!
『【棒術Lv.1】を拝借しました。棒術はパッシブスキルなので、使用制限時間が設けられま す。今の固有スキルレベルでは制限時間が5分です』
「なるほどパッシブスキルは制限時間があるのね。試しに使ってみようか」
その辺に落ちていた木の枝を手に取りスキル名を呟く。
「【棒術】発動」
……ん? 何か変わりました? 特に変わってませんよね?
「ちょっと振ってみるか」
ブンッ!ブンッ!
「あぁ、なるほど。こりゃあ確かに何時もより使いやすくなってる感じがするわ」
つまりこのスキルは一時的に棒を使うのが上手くなるってことね。制限時間がちょっと短いけど、レベルを上げれば制限時間も延びるしいいか。
「さて、ラストは召喚しましょうか」
そう言いながら枝を投げ捨てた。
「んじゃちゃっちゃとしますか。 ゴブリン【召喚】!」
ベビードラゴンの時と同じように目の前に煙が出てくる。
そして、煙が晴れると……
「ギャギャ!」
ゴブリンですね。
「うん。普通のゴブリンだなって! さっきの死体なくなってね!?」
ゴブリンの死体に目を向けると、ゴブリンの死体がなくなり、何かが落ちているだけだった。
ユウトは死体のあった場所へ歩いていく。
「何だこれ?」
ゴブリンの耳と黒い小石が落ちていた。
「これは……素材か? そしてこれは魔石かなんかか?」
黒い小石をよくラノベとかでみる魔石と仮定して、何でこれだけ残ったんだ?
「もしかして召喚したからか? まぁ、死体の処理をしなくて住んだから良いけど」
「…キュイ…」
ん? テュポンの様子が変だな?
「どうしたテュポン?」
「キュイ…キュイ」
テュポンが鼻を押さえながらゴブリンを指差す。
「もしかしてゴブリンが臭いのか?」
「キュイ」
テュポンが頷く。
「はぁ、召喚してもダメか。ならゴブリンにはMPに戻ってもらうか」
ユウトがゴブリンに近付き……
「え~と、ゴブリン【戻れ】って、ホントに戻ったよ」
ゴブリンは青い光となりユウトに吸収された。
「はぁ、便利だねぇ。……テュポンもこれで大丈夫か?」
「キュイ!」
「それなら良かったよ」
ゴブリンには申し訳ないけどね。
「さて、今度こそ町に行くか」
「キュイ!」
よし、っとその前に素材を回収しとかないと。
耳と魔石をポケットに入れて森を進み始めた。
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ユウト達が町に着いたのはそれから3時間経ってからだった。
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