第1章登場人物紹介(一部ネタバレ有り)
第1章完結に伴いこれまで出てきた名前のある人物をまとめました。
・主要人物
如月 灯真
調査機関に所属する魔法使いで入社3年目の男性。それまでは一般企業に勤めていたが訳あって魔法使いの世界に足を踏み入れる。ただでさえ忙しいのに文句も言わず黙々とこなすその姿をみて、「社畜人形」というあだ名で呼ばれている。
寝不足で常に目の下にクマを作っているが、体調が悪い様子はなくむしろその痩せ型の体型に似合わない量の食事を取るなど謎が多い。仕事以外の話は滅多にせず、彼のプライベートを知るのは彼をスカウトした調査機関の長であるルイス・ブランドだけである。
職場からの帰宅中に瀕死の状態の【エルフ】を発見。何故か肌身離さず持ち歩いている【契約の魔法】を記憶した魔道具を用いて命を救った。彼女に【ディーナ】と名付け保護するが、それによって魔法使いの世界に渦巻き始めている大きな波に巻き込まれることになる。
協会での登録魔法名【ドレイス・ゼーファ(盾羽の意味)】。
ディーナ
如月 灯真が保護した自称エルフの女性。見た目は20代だが、精神的には10代前半程度と思われる。小麦色の肌と金色の髪、男ならば誰もが息を飲むほどの魅力的な肉体を持つ。名前を持たず灯真によって【ディーナ】と名付けられた。
「エルフの母体として作られた」、「生まれて5年しか経っていない」といった発言や灯真が発見したとき【魔力枯渇】と思われる状態であったたことなど、未だ謎は多いが自分を助けてくれた灯真に信頼を寄せている。
微量ながら魔力が肉体から常に溢れ出ている状態であり、魔力を用いた技術の一つである【活性】を無意識に使用していると考えられている。また勉強をしたことがないにも関わらず、協会に登録されている魔法使いの顔、氏名、そして登録された魔法名を知っている。
・調査機関関係者
あきら・ノーブル・君島
優れた魔法の才を持ち、15歳で調査機関の日本支部長に抜擢された女性。魔法使いの中でも世界でも10人程度しかいない、他人の魔力を完全に感知できる才能を有する【フィジット(才ある者)】であり、彼女の場合は魔力を視覚情報として認識することができる。
同じ魔法使いである母と暮らしているが、父親は一般人で訳あって別居している。日本支部が主な活動拠点ではあるが、5ヶ国語を操り調査のため世界中を飛び回ることもある。
日本の少女漫画を好んで読み、「こんな恋がしたい!」と日々思っているが、仕事に追われてそれではないという悩みを抱えている。
ルイス・ブランド
調査機関の長であり、職員たちの中でで唯一如月灯真のことを詳しく知る人物。青い瞳とブロンドの髪の男性。家族や親しい友人からは【ルー】と呼ばれている。魔法使いたちの中でも、最も高みに近いといわれる3人の一人で、登録魔法名は【レドルムトン・ラガルフ(不殺の両刃剣)】。15年前に起きたある事件の真相を追っている。
洋菓子店【KAY】の日本支店長も務めており、本人もパティシエとして季節の変わり目には新作のケーキを製作を行なったりしている。
土屋 博
調査機関日本支部主任の男性。調査報告書の内容に文句をつけたがる面倒な上司と思われているが、人材育成や統率能力を買われ長であるルイス・ブランドからも一目置かれている。しかし部下からは理解を得られず、ストレスからくる抜け毛を気にしている。
本来は考古学が専門で、調査機関で働く前は遺跡調査などを生業としていた。
岩端 飛鳥
調査機関で灯真とペアを組む事務員の男性。灯真が入社するまでは別の調査員とペアを組んでいたが、灯真の独り立ちと共に彼と組むことになった。
「危険なことはしない」を心がけており、事務員として働いているのも危険な業務を避けるため。相手の顔色を伺って生きてきたことで他人の内面を見極める能力が普通の人より長けており、神奈川支部の中では数少ない如月のことを正当に評価する人物の一人。
幼い頃は法執行機関で働くことを夢見ていたが、自身の習得した魔法が「平凡な能力」であったため諦めて無難に生きる人生を選択した。しかし如月との関わりによってその考えに変化が現れていく。子供の頃から特撮ヒーローが好きで、何も予定がない休日は自宅での動画鑑賞を楽しみにしている。
登録魔法名「カルブ ディルトスティフス(黒き剛拳)」
紅野 幸路
調査機関で働く灯真の先輩調査員の男性。届いた依頼の情報だけでも魔法が使われた可能性の有無を見分けることができるほど頭の切れる優秀な調査員だが、事務作業が苦手で報告書提出が遅れることを上司から咎められることが多い。灯真に「社畜人形」というあだ名をつけた張本人だが、それが職場に浸透したことを少し気にしている。
幼い頃から魔法使いである祖母に面倒を見てもらっていたことで魔法の存在を知った。そのせいで一般人として生きることを選択した両親からは白い目で見られており仲はあまり良くない。
・協会関係者
アーサー・ナイトレイ
現協会長。ルイス・ブランドとは幼い頃からの友人。赤毛の髪とグレーの瞳をもつ男性で、ルイスと同じく最も高みに近い魔法使いといわれる3人の一人。登録魔法名【ボルゥ・カルデンスダン(奪う闇手)】。普段は【ネフロラ】という貿易会社を営んでおり、魔法の存在を隠して生きる仲間たちを積極的に雇い入れている。
魔法の力を命を救うために使うことには肯定的な意見を持ち、協会の審査を受け承認を得ることにより本来禁止されている一般人への魔法使用を許可する法改正を行うなど、制度改革に奮闘している。また、ルイスと共にある事件の真相を追っている。
かつては小説家を夢見ていた時期もあり、ルイス曰く「売れるくらいすごいものを書く」とのこと。アイルランド出身で、ミルクティー好き。
ドナルド・ブランド
ドニーの愛称で呼ばれているルイス・ブランドのいとこで、ネフロラジャパン品質管理部で働いている。協会の職員でもあり転送装置の管理を行なっている。
鍛えられた肉体を持つルイスとは異なり、ベルトが悲鳴を上げるようなお腹をしている。
・法執行機関関係者
松平 恭司
法執行機関日本支部主任。資産家である松平家の長男。艶のあるさらさらな黒髪を肩まで伸ばしている。上昇志向が非常に強く、どんなことをしても上に行こうとするため黒い噂が絶えない。またエリート意識も非常に高く、自分より低いランクの魔法使いを蔑視している。しかし、本人の努力もあって魔法使いとしての実力は確かなもの。
灯真や君島とは調査機関への研修の際に出会っているが、調査用の魔道具を上手く扱えないなど調査員たちからは散々な評価を受けている一方で、上司には「非効率的」「時間さえあれば誰でもできる」などと自身の失敗を認めないような報告書を提出している。
【セリーレ】と名乗る組織に属しエルフ創造に加担している疑いがあり、実験体であるディーナを奪取するために灯真の協会法令違反を捏造し逮捕しようとする。
登録魔法名【メフラ イーヴァウ(炎の波)】
広瀬 佳久
法執行機関所属で松平の部下。ディーナを奪うために灯真の前に立ちはだかる。しかし、本来の上司は法執行機関長の日之宮一大であり、彼の命令である目的のために山本と動いている。
金色に染めた髪や態度から粗暴に見られがちだが、争い事はあまり好きではなく一緒に動いている山本を静止する役に回ることの方が多い。
山本 悠理
法執行機関所属で松平の部下。広瀬と共にディーナ奪取のため灯真の前に立ちはだかる。しかし、広瀬と同様に法執行機関の長である日之宮一大の指示を受け別の任務で動いている。
人としての強さを追求することを喜びとし、魔法も体術も日々鍛錬を積み重ねている。強い相手を見つけると戦ってみたいという強い欲が出てしまい、共に行動する広瀬に止められている。
藤森 知紀
法執行機関日本支部長で松平の上司。日頃から高級なスーツを身に纏い現場に出ることはほぼないが、その強さは法執行機関全体の中でも5本の指に入り着ている服を汚すことなく敵を制圧できると言われている。
松平と同じく【セリーレ】を名乗る組織に属し禁忌であるエルフ創造に加担している疑いがある。
日之宮 一大
日本の魔法使いの中でも最も権威ある一族といわれる日之宮家当主で、法執行機関の長。何らかの理由で息子の誠一が入院する病室へ灯真を呼び寄せる。
・警察関係者
三科 尚頼
神奈川県警の警部(男)で、一般人でありながら事件の調査で一緒になった灯真の人柄を気に入り、何かあるとすぐに調査の依頼をしてくる厄介者。部下達からも非常に慕われているが、名前を間違えて覚えられることが多く、「なおさん」という愛称で呼ばれている。
須藤 礼央
三科警部の部下。刑事として彼のことを尊敬しているが、如月を頼る彼の行動には疑問を抱いている。
・ドルアークロ関係者
来栖 和也
如月灯真が担当した事件で初めて逮捕した少年。現在16歳。如月の出した報告書により情状酌量が認められ保護観察処分となり現在に至る。
如月のことを「アニキ」と呼び、表情を崩さず仕事をこなすクールな姿に憧れを抱いている。
森永 かなえ
協会の職員であり、罪を犯した魔法使いの中でも力のコントロールができていない魔法使いの子供たちを収容している施設「ドルアークロ」の施設長。規則に厳しく、鬼教官というあだ名を施設の子供達に付けられれているが、根は優しいことをみんなわかっており嫌われてはいない。
法執行機関の捜査員だった過去を持ち、彼女の持つ捜査員の最年少記録は未だ破られていない。藤森知紀が危険視するほど対魔法使い戦闘の高い技術を持つ。
機械いじりが趣味で、施設の機材は業者を呼ばなくとも部品と工具さえ揃えば自分で全て直せるという。
登録魔法名【ラウト・アウスギード(水の鋸刃)】
国生 蛍司
ドルアークロの職員である糸目が特徴的な男性。いつも笑みをたやさない。如月灯真の数少ない友人の一人であり、彼の過去に何があったのかを知っている。
一緒に住んでいた祖父の影響で様々な武道を習っていたらしく、普段は温厚だが怒らせると怖いらしい。親しい友人に変なあだ名をつける癖がある。
・???
アーネス・リューリン
故人。関係性は不明だが、彼女の死によって灯真は心に深い傷を負っているらしく、亡くなった彼女の姿が灯真の夢に現れる。
日之宮 誠一
法執行機関長 日之宮一大の次男。広瀬や山本とは幼馴染で年下の二人は誠一のことを兄のように慕っていた。現在、原因不明の植物状態となり陽英病院にて入院中。
稲葉 光秀
紅野幸路が調査している事件の情報提供者として調査機関の事務所にやってきた小太りの男性。両目に大きな傷をもつ視覚障害者。全盲ではないが、白杖を常に持っている。如月灯真とは面識がある様子。
第2章開始はしばしお待ちくださいませ……




