【登場医療用語辞典・参考文献一覧】
本作中に登場した、医療関係の用語を解説していきます!
参考文献・ページの一覧は後書き部分に掲載してみました。
このコーナーの執筆にあたってはなるべく信頼性の高いリソース(文献など)を使用し、極力正確な記述を心掛けました。分からないことがあった時、興味が出てきた時には、ぜひ参考になさってください! 全部で2万3千字ほどあるので、目的の単語を探しながら読むことをオススメします←
※ストーリー中の描写は医学的に正しくない場合があります。
※用語・参考文献・参考ページはすべて、あいうえお順に並んでいます。
:凡例:
■ICU [1-9・病]
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数字(前)……最初に登場する章
数字(後)……(用語集収録単語のうち)登場する順番
病 / 医 ……[病]は病院施設・部門・設備関連用語、[医]は医療関係用語
【あ】
■ICU [1-9・病]
……集中治療室(Intensive Care Unit)の略称。
【集中治療室】の項へ。
■悪液質 [4-75・医]
……腫瘍の成長に伴い身体が蝕まれ、体力が衰えたり慢性的な栄養不足に陥ったりしている状態のこと。『悪態症』とも呼ばれる。具体的な症状としては貧血や浮腫が挙げられ、腫瘍そのものが周囲の組織から栄養を奪ってしまうことや、腫瘍の組織が分泌するさまざまな毒性物質、感染症、出血などが原因だと考えられている。
■医局 [5-102・病]
……病院内に設置されている、医師の控室・執務室の機能を持った部屋。全医師が集まっての朝礼や会議などが開かれ、医師の書類仕事もこの場所で行われることが多い。
■意識障害 [4-83・医] ≪参考≫植物状態
……外部からの刺激に反応できなかったり、正しく認識することができなくなっている状態のこと。刺激や呼びかけに無反応になってしまっている状態を『意識混濁』、幻覚などが見えてしまっている状態を『意識変容』と呼ぶほか、完全に意識を失っているものは『昏睡』と呼ばれ、これが意識障害のうち最も重篤な状態に当たる。脳疾患や精神疾患などさまざまな原因が考えられ、対処方法も原因によって異なることが多い。
■遺伝子療法 [4-71・医]
……研究段階にあるがん治療法の一つ。DNAに突然変異が生じてしまった細胞ががん化するという、がん細胞発生のプロセスを逆手に取った方法である。人間の細胞内にはがんの発生を抑止する遺伝子が存在していて、これにはDNAの異常が一定レベルを超え修復不能になると細胞そのものを自殺(『アポトーシス』)させる働きがあり、この遺伝子の働きが何らかの原因で障害されることで細胞はがん化すると考えられている。遺伝子療法ではこのがん抑制遺伝子を外部から投与し、がん細胞の自殺を促進。それにより正常細胞には一切のダメージを与えることなくがんを死滅させることができると期待されており、特に脳腫瘍や前立腺がんへの治療法として研究が進められている。
■インスリン [2-47・医] ≪参考≫糖尿病
……すい臓から分泌されるホルモンの一種。ブドウ糖の合成の抑止や、肝臓・筋肉内へのブドウ糖の取り込みの伝達を担っており、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)を下げる役割がある。
■インフォームド・コンセント [2-29・医]
……治療や検査など、実施される予定の医療行為によってどのようなことが起きるのかについて、メリット・デメリットともに医師が患者に対して正確な情報を伝え、それによって患者が納得して同意すること。『納得診療』とも意訳され、医師と患者が患者にとって最善の治療法を共に選択することを重視した考え方である。
■AML [2-44・医]
……急性骨髄性白血病(Acute Myelogenous Leukemia)の略称。
【急性骨髄性白血病】の項へ。
■エネルギーセンター [1-13・病]
……病院内で使用するエネルギーその他の管理を行う施設。作中の「国立病院機構東都病院」の場合、院内の空調や給湯・給水を一括管理・運用する『ボイラー室』のほか、病棟で使用した寝具・衣類などを回収しクリーニング・保管する『リネン室』などが併設されている。
■FDG [2-22・医] ≪参考≫PET
……フルオロデオキシグルコース(Fluoro Deoxy Glucose)の略称。ブドウ糖と極めて類似した物質で、体内に入るとブドウ糖と同じように細胞に取り込まれ、そのまま細胞内で蓄積される。放射線の一種であるガンマ線を放出するという特徴があり、代謝の活発な悪性腫瘍は正常細胞と比べてFDGを吸収しやすいので、放出されたガンマ線を捉えることで腫瘍の位置・形状を確かめるPETにおいて造影剤として使われている。
■MRI [1-6・医] ≪参考≫MRA・CT
……核磁気共鳴画像診断(Magnetic Resonance Imaging)の略称。水素原子核の核磁気共鳴現象(大きな磁場内では水素原子核が特定の周波数で振動し、その周波数に対応した電磁波を吸収・放出するという現象)を応用し、磁力線を用いて体内の断面の様子を撮影・画像化する装置。撮影時には『ガントリー』と呼ばれる、電磁波(『MR信号』)を観測する装置の詰まったトンネルに押し込まれる。CTよりも自由度の高い撮影が可能であり、被曝で身体にダメージがかかる懼れもない。一方、30分以上にもわたる長い撮影時間や大きな騒音は負担に感じられやすく、磁力線を用いている原理上ペースメーカー等の金属機器を体内に持っている人は撮影できないといった欠点がある。
■MRA [1-17・医] ≪参考≫MRI・脳血管造影検査
……核磁気共鳴血管撮影(Magnetic Resonance Angiography)の略称。MRIで用いている核磁気共鳴の原理を用い、動いている水素原子核を調べることで体内の血流の状況を調べる装置。主に脳内の血流を調べることから『核磁気共鳴脳血管撮影』とも呼ばれる。そのシステム上、脳血管造影検査と違って造影剤を使う必要がないのが特徴である(ただし造影剤を注入して使用する『造影MRA』も存在する)。MRIと同じ装置を使って行われるので、MRI同様の長所と欠点を抱えてもいる。
■嚥下障害 [5-89・医]
……食べ物を口から食べることができなくなってしまう障害のこと。具体的には飲み込むという動作が困難になり、噎せや咳などの症状が現れる。飲み込む時に使う舌や咽頭の構造が腫瘍などのために障害されてしまっている場合や、動かすための神経が損傷してしまっている場合などが考えられる。
■温熱療法 [4-72・医]
……がん細胞が正常な細胞と比べて熱に弱いという性質を利用した、がんの治療法の一つ。『ハイパーサーミア』とも呼ばれ、古代ギリシャの時代から実施されてきた形跡が見られる歴史の長い治療法である。血液を体外に誘導して温めることで全身を加温する『全身温熱療法』と、マイクロ波や電磁波・温水によってがんやその近くを温める『局所温熱療法』があり、単独でも一定の効果を上げられることが証明されているものの、実際にはがん全体を温めることが難しいので、標準的な治療法とはみなされていない。
【か】
■外気療法 [2-41・医] ≪参考≫結核・傷痍軍人東京療養所・病院街
……サナトリウム(療養所)で行われる結核療法の一種。「大気療法」とも呼ばれる。大気浴・日光浴を行うことにより精神を爽快にし、食欲増進や解熱を促すことによって、症状を緩和させ病を治すことを目指した、古典的な結核治療法の一つである。患者は少人数または十人前後の単位で外気小舎・外気小屋に収容され、窓を開けた状態で外の空気を吸った。四六時中励行することが望ましいとされたことから昼夜を問わず窓は開け放たれ、特に冬期の寒さは患者にも医師・看護師にとっても過酷だったと伝わる。各地への傷痍軍人療養所の設立以後、肺結核治療の主流として全国に広まり、回復者が多数現れるなど一定程度の効果を上げたことから当時は外科療法や化学療法の基盤になるとさえ考えられていたものの、化学療法の著しく進展した現在では治療の主流から姿を消している。
■外頸静脈 [4-73・医] ≪参考≫内頸静脈
……頭部を流れる血液の通路である頸静脈のうち、後頭部や首の部分の皮膚・筋の血液を集めている静脈のこと。頭蓋骨の外側を主に担当しており、途中で内頸静脈と合流しつつ、正面から見て首の左側(本人にとっては右側)を下っていく。
■開頭手術 [4-85・医] ≪参考≫外科手術
……脳腫瘍の外科手術において一般的な手術方法。『開頭腫瘍摘出術』とも呼ばれ、古代エジプトの時代にはすでに実施されていたとみられる伝統的な手法である。患者の体を固定した後、頭蓋骨にドリルで複数の穴を開け、骨切りで骨弁を取り除き、さらに硬膜を切開して脳の表面を露出させ、腫瘍の摘出などの処置に取り掛かる。痙攣や感染症への罹患といった術後合併症の危険性があるので患者の管理は徹底されていて、患者の飲食が可能になるのは手術翌日の朝、シャワー等が可能になるのは三日後、退院は一週間経過以降であることが多い。
■化学療法 [4-69・医] ≪参考≫抗がん剤
……がん・悪性腫瘍における三大治療法の一つ。『がん薬物療法』とも呼ばれる、抗がん剤や抗ホルモン薬などを用いたがん治療法。このうち抗がん剤の使用が最も一般的であり、この場合は『抗がん剤治療』と呼ぶ。がんの種類によって治療の効果が大きく異なり、化学療法のみでは寛解(完治)を目指すのが難しいことから、多くの場合は外科手術・放射線治療との併用で実施される。方法としては一回・数回程度、点滴や内服の形で薬を服用したあと、三週間前後の休みを空け、そのサイクルを数回ほど繰り返す。薬はがん細胞のみならず正常細胞にも悪影響をもたらすので、副作用をいかにして抑えながら効果を上げるかが重要である。
■喀痰培養検査 [4-78・医]
……咳などによって出た痰を採取し、その成分を調べる検査。臓器から剥がれた細胞に異常がないかどうかを調べる『細胞診』の一種として、もしくは含まれている細菌を培養して正体を調べる『細菌培養検査』の一種として行われる。前者はがん治療、後者は感染症治療に役立てられる。
■寛解 [5-101・医]
……がんや慢性疾患、精神疾患などの完治が難しい病気において、症状が落ち着き安定している状態のこと。『治癒』と違い、再発の可能性が含まれているので、寛解状態の患者には検査や薬の服用を続けなければならない場合もある。通常、がん患者の場合は五年間にわたり再発が見られなければ治癒したと看做される。
■がん細胞 [3-53・医]
……腫瘍を構成している細胞。正常な細胞が分化によって増殖する際、紫外線や化学物質など何らかの原因で遺伝子の損傷が起こることがあり、これが蓄積されることでがん細胞になると考えられている。正常な細胞と違って無秩序・無限に増殖し、かつ寿命がないので、栄養の浪費や組織・器官の破壊によって人体に悪影響を及ぼし、これが腫瘍と呼ばれる病気になる。
■記憶喪失 [3-58・医] ≪参考≫ストレス・ショック療法
……『全生活史健忘(または全健忘)』と同義の言葉。記憶障害のうち、エピソード記憶など言葉で表すことのできるもの(宣伝的記憶)に関する症状を『健忘』と言い、このうち全健忘は健忘の期間内の記憶をまったく思い出すことができない状態を指している。これに対して、思い出せるものと思い出せないものが混在している状態は『部分健忘』と呼ばれるほか、それとは別に発症して以降の出来事を記憶することができなくなってしまう場合を『前向性健忘』、発症前の記憶が抜け落ちる場合を『逆向性健忘』と分類し、全生活史健忘はこれに該当する。脳に外傷を負った場合や、ストレスなどの心理的負担が増大した場合などに発症すると考えられており、一般的には一週間前後で自然と記憶が回復することが多く、またショック療法などの対処法が実施されることもある。
■機能代償 [5-93・医]
……脳内の一部が損傷を受けた時、被害のなかった別の領域がダメージを受けた領域の機能を引き継ぎ、脳の機能を維持・回復しようとする現象。脳腫瘍や脳梗塞を始めとして、脳に損傷の発生する病気で見られるもので、こうした機能そのもののことを『代償機能』とも呼ぶ。これは、脳の機能が必ず複数の領域で分担してコントロールされているという『重複性』、損傷を受けた部位と重複する機能を持っていた領域が機能を肩代わりすることができる『適応性』、まったく無関係の領域の機能へと機能変更が可能な領域が存在する『可塑性』という、脳の持つ三つの特徴によって実現していると考えられており、実際には最初に脳の神経の組み換えが起こり、その後に機能回復が行われるという順番のプロセスで発生する。一般に、年齢が上がれば上がるほど機能代償は起こりにくくなるとされ、また損傷部位が脳の左右のどちらか一方に限られていた場合のみに起こるとみられているが、代償を行う部位は症例によって全く定まっておらず、その詳細なメカニズムについては現在でも不明な点が多い。
■急性骨髄性白血病 [2-43・医]
……「血液のがん」である白血病の一種。血球の製造プラントである造血幹細胞などの細胞が何らかの原因でがん細胞化、それにより成熟しきっていない白血球(白血病細胞)が骨髄中で増殖する病気であり、罹患すると正常な血液細胞を生み出す能力が低下してしまうために、発熱や貧血などの初期症状が現れる。また、血液は全身を回っているので、急性白血病と診断された時点ですでに白血病細胞が全身に行き渡っていると推定することができ、危険度は非常に高い。そのため、過去には不治の病として恐れられてきた面があるが、近年は抗がん剤や骨髄移植等の治療技術の進歩に伴って、完全寛解率は70%、そのうち治癒率は30%に上っているなど、治療による効果はそれなりに高いことも特徴である。
■共感覚 [5-94・医]
……五感が分別されていない、全感覚的な感覚の総称。200年ほど前より医学界での研究が始まったとされ、脳活動の計測が可能になった現代では実在が科学的に証明されている。こうした感覚を持つ人間(『共感覚者』)の割合は非常に低く、現時点では男性よりも女性に共感覚者が多いと考えられている。文字や音などに対して、無意識のうちに無関係の色や形を連想する共感覚の存在が特に知られているものの、どういった共感覚が存在するのかという全容はいまだに明らかになっていない上、原理や仕組みについても研究の途上である。
■グリオーマ [2-26・医]
……神経膠腫(Glioma)の別称。グリア細胞(神経膠)に由来することからこの名前がある。
【神経膠腫】の項へ。
■グレード [2-30・医] ≪参考≫脳腫瘍
……『病理組織分類』とも呼ばれる、脳腫瘍の悪性度を示す段階の名称。1~4までが存在し、病気の進行度合いを示す『ステージ(病期)』とは別物である。グレード1が『全摘出で治癒することが可能』、グレード4が『全摘出できたとしても治癒は困難』、グレード2および3がおおむねその中間に当たるレベルである。世界保健機関(WHO)によって定められたもので、全世界共通の病期分類のない脳腫瘍においては評価の手段として普及している。
■痙攣 [4-68・医] ≪参考≫癲癇
……『痙攣発作』とも呼ばれる。頭に外傷を受けたり脳腫瘍や脳炎を患ったことで、損傷を負った脳が異常な指令を発し、それによって手足が大きくガタガタと震えたり、動作停止に陥ったりする症状のこと。痙攣を起こしている間は患者の意識はなくなるので、他者から指摘されなければ気付くことができない症状でもある。筋肉が引き攣っている状態である『大発作』と、動作停止が起こる『小発作』があり、全身に起こる場合も半身のみの場合もある。通常は数分前後で収まることが多いほか、抗痙攣薬などを服用しての治療も行われる。
■外科手術 [2-23・医] ≪参考≫開頭手術
……がん・悪性腫瘍における三大治療法の一つで、がん治療の中心となる治療方法。がん本体、またはがんの浸潤している(と予測される)部分の臓器や周辺リンパ節を、専用の道具で切除する。ダメージの及んでいる部分すべてを除去する手術を『拡大手術』、切除の範囲を最低限にとどめる手術を『縮小手術』と呼び、摘出する部分が多いほど身体の機能を多く失うことに繋がることから、一般的には後者の方が社会復帰の実現性は高い。特に脳腫瘍の場合、発生箇所が脳なので摘出は最小限である必要があるものの、超音波装置の発達や、高精度の顕微鏡を用いた顕微鏡下手術の技術の進展、それ以外の治療法との併用により、治療成績は飛躍的に向上しつつある。
■結核 [2-38・医] ≪参考≫ストレプトマイシン・国民病・外気療法
……結核菌と呼ばれる原因菌によって起こる感染症。古代エジプトの時代から流行が繰り返されてきたとみられ、1882年にドイツ人医学者ローベルト・コッホによって結核菌が発見され、感染症であることが初めて明らかになった。感染者の咳やくしゃみによって空気感染、およそ5分の1の確率で発病し、発病すると胸痛や血痰、咳、消化器症状などの症状が発現。その後もリンパ管などを介して身体中に結核菌が行き渡って病巣を作り、最終的には全身が衰弱して死に至る。様々な場所に病巣が形成されるものの、空気感染という性質上もっとも割合が高いのは肺結核であり、正岡子規や樋口一葉など著名人の命を奪ったことでも知られている。
かつては大気・栄養・安静療法が治療の中心であり、そのための隔離療養施設としてサナトリウムと呼ばれる建物が全国各地に設置されてきたが、治療薬研究が著しく進展した現在では『標準化学療法』と呼ばれる薬の服用による治療が中心になっている。日本では10万人当たり31人が罹患していると言われ、その罹患率は全世界レベルで見れば低い水準であるものの、先進国としては極めて高い罹患率を保っており、現在でも発展途上国などでは数百万人単位で死者の発生する危険な病である。
■原発性脳腫 [2-28・医]
……脳腫瘍の発生原因分類の一つ。腫瘍が脳内で発生したことを示す。
【脳腫瘍】の項へ。
■膠芽腫 [3-62・医] ≪参考≫脳腫瘍・神経膠腫
……『神経膠芽腫・グリオブラストーマ』とも呼ばれる。神経膠腫のうち、悪性度を示すグレードが4であるものを指し、あらゆる脳腫瘍の中でもっとも悪性であるとされているタイプの腫瘍である。高い浸潤性と急速な腫瘍の拡大が特徴で、患者の平均生存日数はおよそ18カ月、五年生存率(五年間生存した患者数の全体に占める割合)は10%にも満たない。
■抗がん剤 [3-63・医] ≪参考≫化学療法
……細胞の増殖を抑え、がん細胞(腫瘍)の発達を阻害する能力を持つ薬。がんの化学療法の中心を占める。第一次世界大戦中の毒ガス兵器の開発段階で、腫瘍に効果的に作用する薬物が発見されたことから研究が始まったとされ、現在ではより正常細胞への影響が少なく、より腫瘍への効果の高い抗がん剤の研究が進んでいるものの、抗がん剤がなぜ腫瘍に対して効果的なのかはあまり明らかになっていない。また、脱毛や嘔吐、下痢といった副作用があることでも知られている。特定のがんに対して有効な抗がん剤は複数種類存在するので、治療の際にはこれらを組み合わせて用いる(『多剤併用療法』)ことで、特定の部分に副作用が集中するのを抑えている。
■交感神経 [5-97・医] ≪参考≫自律神経・副交感神経
……身体を運動に適した状態(『緊張状態』)に調整する、自律神経の一種。心臓の拍動を高めたり、血管を収縮させたり、他の臓器の活動を低下させることで、筋肉に流れる血液を増加させる働きがある。副交感神経に対して交感神経が優位になると、その末端からはアドレナリンが分泌されて各細胞を調節、身体が緊張状態になる。身体を運動に最適化させるという役割上、活動時間帯である日中は交感神経が優位になっていることが多い。
■抗生物質 [4-77・医] ≪参考≫肺炎・敗血症
……微生物によって作られた化学物質。感染症の原因になる細菌の発育を妨げたり、死滅させたりする役割を持つ。抗生物質から作られた薬は「抗生剤」と呼ばれる。それぞれ特定の細菌に対してのみ効果を発揮することから、処方前にはまず対象の細菌が何かを調べる必要があるほか、細菌よりも微小な存在であるウイルスに対しては基本的に効き目がない。
■抗浮腫療法 [4-70・医] ≪参考≫頭蓋内圧亢進症状
……頭蓋内圧を下げることで症状の軟化を目指す治療法。脳組織内部の水分の量が増加した結果、脳の容積が増大している状態のことを『脳浮腫』といい、浸透圧利尿薬やステロイド剤などの抗浮腫薬を用いて脳浮腫を抑え込むことで、頭蓋内圧亢進症状を軽減することを抗浮腫療法と呼んでいる。上記の特性上、治癒を目指した治療法ではない。
■国民病 [2-40・医]
……国民の多数に蔓延し、社会に悪影響を及ぼすとして恐れられる病気。医学の進展の度合いは異なるので、国や時代によって具体的な病名は変わる。日本の場合、戦前は結核や赤痢といった感染症・伝染病、戦後はがんや脳血管疾患といった成人病(生活習慣病)が国民病であると言われている。
■国立病院機構 [1-3・病]
……それまで全国に154ヵ所あった国立療養所・国立病院が、平成16年に独立行政法人化されてできた組織。平成10年の中央省庁等改革基本法で「国の医療政策として行うこととされてきた医療について、真に国として担うべきものに特化」「高度専門医療センター等を除き独立行政法人に移行すべく検討」と規定されたために実施された。東京都目黒区に本部があり、143の病院と54000もの病床、およそ六万人の職員を抱えている。国立ハンセン病療養所など、一部には属していない国立療養所も存在する。
【さ】
■サイクロトロン [3-57・医] ≪参考≫線形加速器・陽子線治療・PET
……円形加速器(円形の軌道を描きながら粒子を加速する装置)の一種。磁場と高周波電場により、イオンを加速することができる装置で、陽子線治療やPETなどで使用される。より加速力の高い上位互換の装置として『シンクロトロン』があり、こちらは重粒子線の発生などに用いられる。
■作業療法 [2-42・医]
……生活のための技能を回復することを目的にさまざまな身体運動や手作業を行う、リハビリテーションの一種。身体機能や認知機能、発達機能など、多くの障害からの回復に対応していて、患者の状態や能力に応じて医師が内容を決定する。この場合の『作業』とは仕事ではなく、日常的な動作全般を指す言葉である。
■CT [1-5・医]
……コンピューター断層撮影(Computerized Tomography)の略称。『空気の多い場所と少ない場所で透過率が異なる』というX線の特徴を利用し、X線を照射することによって身体の断面の様子を撮影する装置。上記の特徴のため、出血性の病気等の診断に対して効果を発揮する。撮影時間はMRIの半分ほどで費用も安く、騒音や閉塞感が少ないので比較的受診しやすいと思われるが、X線による被曝の影響を無視することはできない。造影剤を使用する造影CT検査、および使用しない単純CT検査の二種類が存在する。
■シナスタジア [5-95・医]
……共感覚(Synesthesia)の別称。
【共感覚】の項へ。
■集中治療室 [1-10・病]
……内科系・外科系を問わず重篤状態に陥っている患者のために、通常の病棟とは独立して設置されている病棟のこと。『ICU』『集中治療部』とも称する。いつ、どのタイミングで患者の症状が悪化しても対応できるように、訓練を受けた医師や看護師が二十四時間体制で監視を行っているほか、人工呼吸器を始めとした生命維持装置が一通り配備されている。特定分野に特化した集中治療室として、心臓病専門のCCU、重症呼吸器病専門のRCU、新生児専門のNICU、脳卒中専門のSCUなどがある。
■手術室 [2-20・病]
……手術部に設置されている、手術を行うための空間。総合病院の場合は10~20前後が設置され、入口付近の手術部コントロール室で進行が管理されており、細菌やごみの侵入を防ぐための厳重な管理が徹底されている。各手術室には手術に必要な装置が一通り揃えられているほか、手術中には術者、麻酔医、助手二名、器械出し看護師など多数のスタッフが詰めることになる。通常は患者の手術に家族が立ち会うことはできず、病棟内の控室で手術の終了を待つ。
■傷痍軍人東京療養所 [2-37・病] ≪参考≫結核・病院街・国立病院機構
……昭和13年6月に旧清瀬村に設置された、軍人・準軍人を治療の対象とする大規模な結核医療施設。結核が国民病であった当時、結核の流行が軍に与える影響が深刻であったことを踏まえて設置され、関東地方および山梨県を入所区域とし、厚生省軍事保護院の管理のもとに数百人以上の患者の治療に当たった。また設置の際、勤労奉仕の一環で病院街一帯を貫通する道路がコンクリート舗装されて病院街のメインストリートとなり、これが現在の都道226号線となった。終戦後は戦時体制の解体に伴って厚生省医療局所管の国立療養所に転換され、およそ33ヘクタールの広大な敷地と千人規模の病床数を有する『国立療養所東京病院』として、一般患者を広く受け入れるようになった。その後、同じく結核療養所として誕生した旧東京府立清瀬病院を吸収合併、さらに平成に入ってから国立病院機構に移管され、現在に至っている。敷地内には今もなお、傷痍軍人療養所時代の旧正門跡地に立つケヤキの並木のほか、清瀬市指定有形文化財である外気舎記念館、傷痍軍人療養所当時の院内集会施設であった『寿康館』の跡、収容されていた軍人の言葉を刻んだ記念碑などが遺されている。
■植物状態 [5-92・医] ≪参考≫意識障害
……『遷延性意識障碍』とも呼ばれる。自力の移動や摂食、意思疎通や物の認識などができず、まったく意識を喪失した(すなわち『昏睡』の)状態で、三か月以上生存している患者のことを指す。大脳がダメージを負って停止してしまった場合でも、生命維持の機能を有している脳幹が生きている場合は、植物状態にある患者は栄養の補給を継続することで生きていくことができる。
■ショック療法 [5-103・医] ≪参考≫記憶喪失・ストレス
……記憶喪失の状態になってしまった患者に対し、その患者の人生の中で印象に残っているものや衝撃的だったものを再現させることで、記憶を回復させる治療法。実施の際は患者の親しかった人や周囲の人に話を聞き、どのようなエピソードがあったのかを情報収集する必要がある。記憶喪失の原因がストレスなどの心理的ダメージであれば、どんな出来事がその要因だったのかを突き止めることでショック療法を同様に行うことができる。
■自律神経 [5-96・医] ≪参考≫交感神経・副交感神経
……細胞の働きを調節し、無意識下で体内の環境を整える役割を持っている神経。『交感神経』・『副交感神経』の二種類があり、運動や感覚を司る神経とは別系統で全身に張り巡らされていて、脳の視床下部に指揮機能が存在する。ただし単独で調整をすべて引き受けているわけではなく、同様の役割を持つホルモン系と強く連携していることが明らかになっている。
■神経膠腫 [2-25・医] ≪参考≫星細胞腫・膠芽腫
……原発性の悪性脳腫瘍の症例のうち、3割近い割合を占めるもの。脳の神経組織を作っているグリア細胞(神経膠)に発生する腫瘍で、種類ごとに発症しやすい年齢、年代層、部位や危険度などが変わってくる。このうち、グリア細胞の一部である星状膠細胞(『アストロサイト』)から発生したものを『星細胞腫』、神経膠腫の中でも最も悪性が高いグレード4に該当するものを『膠芽腫』と呼ぶ。小児脳腫瘍の中心は神経膠腫である。
■神経痛 [4-67・医]
……末端神経に発生する鋭い痛みのこと。患部を針で刺したような鋭い痛みが不規則かつ短時間に生じるもので、坐骨神経痛や肋間神経痛など、発生する場所によってさまざまな種類の神経痛が存在する。原因の種類も多く、腫瘍や外傷・炎症などが中心ではあるものの、検査をしても原因が分からない場合もある。治療法の主流は薬物療法で、他に外科療法などで対処する場合もある。
■浸潤性 [2-31・医] ≪参考≫脳腫瘍
……特に悪性のがん(腫瘍)に見られる、周囲の組織にがん細胞が染み込むように広がる特徴のこと。またはがん細胞が上皮組織の下の膜を貫通し、その下にある組織や他の臓器に侵入して増殖することも指す。このような広がり方をしたがんのことは『浸潤がん』と呼ばれる。反対語として『圧排性』がある。
■腎臓がん [2-45・医]
……悪性腫瘍のうち、腎臓を構成する腎細胞、または尿を通す腎盂に発症したがんの総称。がん患者全体の1%程度を占め、放射線治療や抗がん剤が効きにくいという特徴があるものの、一般的には外科手術や免疫療法で解決しやすい部類のがんである。血尿や腹部のしこり、腹痛の『三大症状』と呼ばれる初期症状が著名で、早期に発見できた場合の五年生存率は90%に達するなど、がんの進行度によって生存率が大きく左右される。また、その他の多くのがんが5年間再発しなければ完治と見なされる一方、腎臓がんに関しては10~20年以上も再発の危険性が残るため、予後の経過観察が重要ながんであるとも言える。
■心電図 [4-80・医] ≪参考≫ベッドサイドモニター
……心臓が収縮・拡張を繰り返す際に発する微量の電気信号を観測し、その変化を波型に表示したもの。仰向けに寝た状態で、手足と胸の前面に電極を付けて測定を行う。心臓の動きに異常がある場合、正常時とは異なる様子の波が観測される。
■頭蓋内圧亢進症状 [3-59・医] ≪参考≫脳腫瘍・抗浮腫療法
……頭蓋骨によって容量の不変が保たれている脳内に脳腫瘍が生じたために、脳内の圧が高まってしまうために起こる症状全般のこと。頭痛や嘔吐、視力障害のような初期症状が起こるほか、さらに進行すると脳ヘルニア(脳全体が移動することで脳幹などに機能不全が起きる状態)に陥り、呼吸困難や意識低下を引き起こして死に至る可能性がある。
■スタッフステーション [1-1・病]
……『ナースステーション』とも呼ばれる。各病棟の管理を行う施設で、看護師や看護助手のようなスタッフが夜間当直も含め常駐していて、引き継ぎ時間帯のミーティングや医師・薬剤師なども合流しての病棟カンファランス(現状報告や看護計画の確認を行う会議)、面会人の受付、新たに入院することになった患者への各種オリエンテーションなども行われる。入院患者の情報をまとめた病床表示板では、どの病床でナースコールが押されたのかをいち早く確認することができるほか、隣接する形で医師のオーダーをもとに点滴の準備をする点滴調剤室や医師勤務室、看護師控室なども併設されている、文字通り病棟の中枢となる場所である。
■ステロイド [2-35・医] ≪参考≫副腎皮質ホルモン
……副腎皮質から分泌されるホルモンを、化学的に合成して作ったもの。塗り薬や飲み薬、注射、吸入剤などの形で利用される。効き目が強力である反面、様々な副作用が存在するため、使用の際には十分な注意が必要になる。
■ストレス [5-99・医]
……外部からの何らかの刺激によって生じた、悩み・緊張・不安を感じる心理状態のこと。ストレスにより引き起こされる心身の症状を『ストレス反応』と言い、ストレス反応の強い人は適応障害やうつ病に陥りやすいとされる。ストレスの強い状態が続くと、これに対抗するために身体が長時間にわたって運動状態(交感神経の優位な状態)に保たれ、免疫力の低下につながると指摘されている。
■ストレッチャー [2-19・医]
……怪我人や病人を横になった状態のまま移送することのできる、4つの車輪を装備した担架。自立歩行が困難な場合に用いられ、救急車からの患者の搬出や手術室などへの移動の時に活躍する。
■ストレプトマイシン [2-39・医] ≪参考≫結核
……1944年、アメリカの生化学者セルマン・ワックスマンによって発見された、当時としては画期的に高い有効性を持っていた抗結核薬。『SM』と略される。日本では1949年以降に導入され、それまで大気療法や人工気胸療法でしか対抗することのできなかった日本の結核医療を大幅に進展させた。しかしながら、長期の治療を続けていると結核菌の側にもストレプトマイシンに対する耐性ができてしまうことが当時から指摘されており、その後の飛躍的な死亡率の減少には、『BCG』と呼ばれるワクチンの登場や治療薬開発の進歩を待たなければならなかった。
■星細胞腫 [2-27・医]
……星状膠細胞(神経細胞に栄養を与える役割を果たす物質。アストロサイトとも)に生じた神経膠腫のこと。脳腫瘍のグレードは2程度であることが多い。15歳未満の小児期に生じる脳腫瘍の中では、最も多い18%を占める。
■生存期間中央値 [3-66・医]
……過去に同様の症状に陥った患者がどのくらい生存したのかをデータ化し、その中央値(ちょうど全データの真ん中に当たる数値)を取ったもの。特に症例の少ない病気において、患者がどの程度生存可能なのかを医師が判断する上でしばしば利用されており、半ば『余命』の代名詞と化している。中央値の性質上、これによって提示される数値はあくまで目安に過ぎないが、生存期間中央値という考え方そのものの知名度が低いことも相まって、実際には『平均生存期間(全患者のデータの平均値)』との混同が多いほか、「余命=自分の寿命」と捉えている人が多い。
■線形加速器 [4-81・医] ≪参考≫サイクロトロン・放射線治療
……X線を中心としたさまざまな電離放射線を、がんの部位に向かって照射する装置。リニアックとも呼ばれる。コンピューターによって作成された治療計画に基づいて、あらかじめ設定されている形状、照射角度、線量、範囲に従ったビームを体内に照射する。近年は技術の進展によって、より正確にがんの部位だけを狙って放射線を撃つ『定位放射線治療(ピンポイント照射)』や、放射線の濃度を調整することで周辺の臓器へのダメージを軽減する『強度変調放射線治療』が発達しているほか、前後左右上下どの方向からの照射も可能な『サイバーナイフ』と呼ばれる新型の装置も登場している。
■全身麻酔 [2-32・医] ≪参考≫外科手術
……外科手術を行っている間、麻酔を施すことで患者を一時的に眠らせ、痛みを感じなくさせる方法。腕に刺した点滴から麻酔薬を投与して行われる。麻酔の効果で呼吸が弱ってしまうので、口から気管にチューブを挿入して呼吸を補助することが多い。全身麻酔の継続中は基本的にはガス状の麻酔薬の供給が続けられ、効果が途切れたところで患者は目を覚ます。
■前頭葉 [3-51・医]
……大脳の領域のうち、前部に位置するもののこと。人類は他の動物と比較して前頭葉が特に発達しており、大脳全体の30%を占めるほどになっている。他の中枢から送られてくる情報を統合し、判断・実行する総合中枢である『前頭連合野』、運動神経の中枢に当たる『運動連合野』、話す・聞くといったアウトプット系の言語中枢である『ブローカ野(運動性言語中枢)』などの機能を有する、最も重要な領域とも言える場所である。
■側頭葉 [5-88・医]
……大脳の領域のうち、側面である外側溝の下に位置しているもののこと。主に記憶や言語、聴覚に関わる機能が集積していて、聞く・読むといったインプット系の言語中枢である『ウェルニッケ野』も側頭葉に存在する。
【た】
■談話室 [2-21・病]
……患者同士や家族・医師などが自由に会話を楽しんだりレクリエーションを行うことのできる共用スペース。机や椅子などのほか、病院によっては大型テレビや各種遊具が置かれている場合もあり、通話が談話室でのみ許されている病院もある。医療法第22条において、療養病床のある病院には浴室や食堂とともに設置が義務付けられている。
■チェックポイント [4-86・医] ≪参考≫免疫治療
……がん細胞が免疫細胞の働きを弱める仕組みのこと。がん細胞にはPD-L1と呼ばれるアンテナ状の物質があり、これが免疫細胞中のPD-1という受容体に結合することで、免疫細胞の働きが弱められることが明らかになっている。この結合を妨害する能力を持つ『免疫チェックポイント阻害剤』を投与すれば、免疫細胞の攻撃力が回復してがん細胞を撃退できる可能性が高まることから、免疫療法の一種として近年導入が始まっている。
■畜尿 [2-36・医]
……24時間にわたって尿を溜め込み、排出した尿の状態などを調べる検査。主にタンパク質などの量を調べ、腎臓の状態を明らかにする用途に用いられやすい。脳腫瘍の場合は排尿量の異常などが生じる『畜尿障害』が起こる場合があるため、これらの検査を目的として行われることがある。
■中央材料室 [1-11・病]
……手術や治療の過程で必要となる医療機器や物品、衣類などを大量に備え、それらの保管・洗浄・滅菌を行っている施設。専用の洗浄装置や乾燥装置が配備されている。
■転移 [2-24・医] ≪参考≫脳腫瘍
……『再発(寛解後、再び悪性腫瘍が体内に発生すること)』の一種。がん細胞が血液やリンパ液の中に入り込み、発生した場所から離れたところに集まってふたたび分裂・増殖すること。このような原因で発生した脳腫瘍のことを『転移性脳腫瘍』と呼ぶほか、他の場所への移動手段の違いから『血行性転移』『リンパ行性転移』と分類することもある。
■癲癇 [3-60・医] ≪参考≫痙攣
……大脳が異常興奮を引き起こした状態である『発作』を頻繁に繰り返す脳疾患。脳梗塞や脳内出血などが原因で引き起こされやすい病気で、全人口の1%程度が発症するとみられており、痙攣などの症状が特に有名である。
■点滴 [1-8・医] ≪参考≫全身麻酔・ホルモン負荷検査
……『点滴による静脈注射』の略称。薬剤や栄養を口から補給することが難しく、注射で補給するには量が多い場合に、薬を投与するなどの使途で用いられる手段である。使用時間や対象によって複数の針を使い分け、装置を使って一分間あたりの滴数を調節することもできる。一定の注入速度で薬剤を投与することが可能なので、幅広い治療用途に使用されている。
■頭頂葉 [3-52・医]
……大脳の領域のうち、文字通り頭の頂上に位置するもののこと。知覚や認知、判断に関わる連合野が存在するほか、痛みなどの皮膚感覚や筋肉・腱などから生じる深部感覚などの中枢の機能を持つ。
■糖尿病 [2-46・医]
……血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が異常に高くなっている状態の病気。血糖値を下げる働きをするインスリンの機能不全・数の減少が原因で、放置していると血管の詰まりや損傷に繋がり、さまざまな合併症を引き起こす可能性がある。十代前半までの子供に発症しやすい一型(インスリン依存型)と、遺伝的体質や生活集団の乱れが原因となる二型がある。
■動脈血酸素飽和度 [4-87・医] ≪参考≫ベッドサイドモニター
……酸素が適切に体内に行き届いているかを調べる検査。パルスオキシメーターと呼ばれる装置を指先に装着し、動脈内のヘモグロビン(赤血球に含まれている酸素運搬の役割を持った物質)のうち、どの程度が酸素と結合しているかを検査する。酸素は身体を運用する上で必要不可欠なものなので、この値が低いと正常に酸素が供給されていないと看做すことができ、酸素吸入の実施の判断などに役立つ。96%程度が標準値とされている。『経皮的動脈血酸素飽和度』という別称があるが、経皮的というのは「皮膚を通して調べた」という意味で、パルスオキシメーターを使って検査する場合はすべて経皮的である。
■同名半盲 [5-91・医] ≪参考≫半側空間無視
……『同名性半盲』とも呼ばれ、視野が欠損して見えなくなる症状。脳卒中や脳腫瘍、外傷などで大脳が損傷を受けた結果、目の受信した映像を正しく認識することができなくなり、右か左どちらか同じ側の視野が半分ほど欠損してしまう。右側が欠損した場合は『右同名半盲』、左側の場合は『左同名半盲』という。目そのものには何も異常がないので、基本的には治療のすべはなく、原因となった病気に対処することしか叶わないのが実情である。
【な】
■内頸静脈 [4-74・医] ≪参考≫外頸静脈
……頭部を流れる血液の通路である頸静脈のうち、脳など頭蓋骨内の器官に供給された血液を集めている静脈のこと。頸動脈によって流れ込む血液の大半の回収を担っており、正面から見て左側(本人にとっては右側)、外頸静脈より少し内側の首を流れていく。
■ナチュラルキラー細胞 [4-84・医]
……免疫機能を司る物質である白血球のうち、ウイルスや花粉などの外部物質を撃退する『リンパ球』と呼ばれるものの一種。1975年に日本など複数の国で同時に発見された。『NK細胞』と略されることが多く、もっとも著名な白血球の一つである。体内の細胞のうち、がん細胞やウイルス感染細胞のみに接着して殺害する働きを持ち、一般的には加齢とともに増加していく。交感神経優位の状態(緊張状態)では数や比率が低下し、副交感神経優位の状態(リラックス状態)で最大限の力を発揮することが明らかになっている。
■脳幹出血 [5-100・医]
……脳内出血の一種で、出血した場所が脳幹だった場合のことを指す。脳幹は脳と脊髄を繋ぐジョイント状の部位で、血圧調整や呼吸リズムの形成など生命維持に必要な自律機能の調節を担う重要な機関であり、そのため脳幹出血は他の場所からの出血と比べて大幅に危険度が高い。脳内出血全体の一割ほどを占め、発作を起こすと呼吸障害や四肢の麻痺といった症状が発生し、数分前後で意識を喪失、最悪の場合は数時間で死に至る。血圧を下げることによって脳の浮腫を抑える治療が一般的になっている。
■脳外科 [1-16・病]
……正式名称は『脳神経外科』。神経痛のような脳神経の機能障害、脳卒中を始めとした脳内血管の異常に関する病気、および脳腫瘍を担当する診療科。病院によっては放射線治療の一部(脳腫瘍のみを対象とする『ガンマナイフ』等)を脳神経外科で実施しているところもあり、手術のほかに後遺症の経過観察やリハビリの手配も行っている。
■脳血管造影検査 [1-7・医] ≪参考≫MRA
……造影剤を体内に流し込み、X線で撮影することによって脳内の血流の様子を調べる検査方法。『頭部血管造影』『アンギオグラフィー』とも呼ばれる。造影剤を観察するという直接的な方法のため、血管がどのように張り巡らされているかを細かく観察することができるという特徴がある。造影剤を体内に入れる方法には、内頚動脈に針を刺して造影剤を注入する『直接穿刺法』と、細いプラスチックの管(『カテーテル』)を太ももの付け根から内頚動脈まで挿入して注入する『セルジンガー・カテーテル法』があり、いずれも危険な作業であるので複数の脳外科医が立ち会って行われる。挿入時には局所麻酔が施されるほか、検査前後の食事制限、検査後数時間以上にわたる絶対安静などが求められる。類似の検査方法としてMRAがある。
■脳腫瘍 [1-2・医] ≪参考≫神経膠腫・頭蓋内圧亢進症状
……頭蓋内に発生する腫瘍(新生物)の総称。10万人当たりの患者数は10人前後と言われ、このうち悪性のものが一般には『がん(悪性腫瘍)』という病気の一種として認知されていて、その割合は脳腫瘍全体の25%に上る。発生部位によって様々な種類があり、現在では7郡132種類の脳腫瘍の存在が認められている。このうち最も多いとされているのが、『神経膠腫(『グリオーマ』)』である。
症状は大きく二つに分類される。一つ目は腫瘍の拡張によって脳内が圧迫されることで起こる、頭痛や嘔吐などの症状(頭蓋内圧亢進症状)。二つ目は腫瘍の発生部位がダメージを受けることで起こる、麻痺や機能障害のような局所症状となる。脳腫瘍の悪性の度合いは4段階の『グレード』に分けられており、その判定によって治療法が取捨選択される。
脳が発生源である場合を『原発性脳腫瘍』、別の場所からの転移が原因である場合を『転移性脳腫瘍』と言い、脳腫瘍の場合は他の場所に転移がしにくいと言われている。特に悪性の場合、がん細胞が周囲の脳の組織に染み込むように広がる『浸潤性』という特徴を持っており、治療の難易度が極めて高い。一方で治療の手段は幅広く、外科手術、放射線治療、抗がん剤による化学治療など、多数の方法が試みられている。
【は】
■肺炎 [4-76・医]
……肺の内部に微生物が入り込むことで発生する感染症の総称。細菌、ウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなど、たくさんの原因微生物が考えられ、治療などのために身体が弱っている入院中の患者が院内感染することも珍しくない。発症すると発熱や痰などの症状が見られ、原因菌に見合った抗菌薬(抗生物質)を服用する治療で対応することが多い。
■敗血症 [2-48・医]
……『全身性炎症反応症候群・SIRS』とも呼ばれる、重症の感染症のこと。体内に侵入した細菌やウイルスの作る毒素が血液中を通って全身に運ばれ、身体の抵抗力が弱ることで、発熱や悪寒、頭痛、吐き気などの症状が発生する病気。ダメージを受けた臓器に特有の症状が見られ、放置するなどして悪化すると、多臓器不全や呼吸困難、意識障害といったさらに危険な状態に陥る可能性もある。治療には抗生物質が使われることが多い。
■半側空間無視 [5-90・医] ≪参考≫同名半盲
……感覚障害や運動障害がないにも関わらず、特定の側からの刺激にうまく反応することができなくなってしまう障害のこと。発現の原因は詳しく分かっていない。そこにある物体の存在を認知できなくなってしまうため、患者にとっては怪我をする危険度が高くなり、入院の長期化の原因にもなる。
■PET [2-18・医] ≪参考≫FDG
……陽電子放出断層撮影(Positron Emission Tomography)の略称。放射線の一種である陽電子線を出す薬剤を静脈に注射、それにより体内から放出された陽電子線をカメラで撮影・画像化する装置。使用される薬剤は糖の性質に近く、これらは糖代謝が活発な(=活発に増殖するために多量の糖分を必要としている)がん細胞に集まりやすい特徴を持つので、この薬剤の集まり具合を画像化することでがんや腫瘍の位置・大きさ・形状などを正確に知ることができる。治療方針の決定前の段階で受けることが多い。全身を撮影できることから、転移や再発の発見にも貢献している。一方、糖代謝を調べるという性質上、受診の前には食事や運動を制限して血糖値を調節しなければならないほか、もともと糖の代謝が活発な場所である脳に生じた脳腫瘍に関しては、PETはあまり向いているとは言えない。
■病院街 [3-64・病] ≪参考≫傷痍軍人東京療養所
……東京都清瀬市の西部一帯を占める、病院が集中的に立地している地域のこと。大正時代、周辺に民家が少なく、広大なアカマツ林の残っていたこの地に目を付けた当時の東京府が、結核医療の拠点として府立清瀬病院を開設したことを皮切りに、結核研究や治療に関連する施設が公立・民間を問わず続々と建設されたことで形成された。戦前の段階でその総数は(結核療養所だけで)13に上っている。現在では病院の統廃合が進み、結核の取り扱いを止める病院も出てきているが、依然として医療施設の際立って多い地域であると言える。西側は東村山市に接しており、市境の東村山市側にはハンセン病患者の療養施設である国立療養所多磨全生園が清瀬の病院街の形成よりも前に建設され、現在でも立地している。
■副交感神経 [5-98・医] ≪参考≫自律神経。交感神経
……身体をリラックスさせる働きを持つ、自律神経の一種。心臓の拍動の低下、血管の拡張などによって血圧を下げ、筋肉に流れる血液を減少させて休息をもたらす。交感神経に対して副交感神経が優位になると、その末端からはアセチルコリンが分泌されて各細胞を調節、身体が休息状態になる。身体を休息に最適化させるという役割上、休息時間帯である夜間は交感神経が優位になっていることが多いほか、食事をしている間も副交感神経が優位になっている。
■副腎皮質ホルモン [2-34・医] ≪参考≫ステロイド
……副腎皮質から分泌されるホルモン全般を指す言葉だが、中でも糖質コルチコイドのことを特に示している場合が多い。糖質コルチコイドは各種ホルモンを調節し、血圧やブドウ糖の量など生体維持に必要な身体の調整を行う機能を持っていて、治療時にはこれらの効果が炎症・免疫を抑える役割で応用されることが多い。
■プライマリーナース [1-4・病]
……特定の患者の入院から退院までの看護を担当する『プライマリーナーシング』を実施する看護師のこと。プライマリーナーシングとは、患者との信頼関係構築やきめ細かな看護の実施などを目的とする看護方式で、看護能力の向上を期待して1970年代にアメリカで実施され始めた。一方では看護師の必要人数が増加すること、看護師間の連絡が疎になる惧れがあることなどのデメリットがある。これに対して、一つの病棟内を複数のチームで分担し、チームリーダーのもとに一定数の患者を受け持つ看護方式を『チームナーシング』と呼び、特に医療従事者不足の深刻な日本ではチームナーシングとプライマリーナーシングを併用することで、双方のデメリットを補っている場合が多い。
■ベッドサイドモニター [4-79・医] ≪参考≫心電図・動脈血酸素飽和度
……患者のベッドのそばに配置され、患者の状態を示す数値(『バイタルサイン』)を常に計測・記録できる装置。計測項目には心電図のほか、血圧、呼吸の状態、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)などがあり、それぞれの計測のために電極やパルスオキシメーターなどが接続・用意されている。心電図計測用の電極が剥がれているなどの異常があれば、アラームが鳴って知らせる仕組みになっている。
■放射線科 [1-15・病]
……がんに対する放射線治療のほか、CT、MRIといった検査装置の運用も行っている診療科。専門の放射線科医や放射線技師がおり、検査・治療の実施のほか、出力された検査画像の評価(『読影』)、読影に基づく所見のレポート作成などを行っている。
■放射線治療 [3-50・医] ≪参考≫リニアック・陽子線治療・サイクロトロン
……がん・悪性腫瘍における三大治療法の一つ。電離放射線をがん細胞に照射することでがん細胞内のDNAを破壊し、増殖できなくすることによってがんを撃退する治療法。電子線、陽子線、ガンマ線、重粒子線など六種類の放射線が使い分けられ、リニアックと呼ばれる照射装置から体内のがん部位を目掛けて照射する治療を平均約一か月前後にわたって行う。特に原発性脳腫瘍の治療の場合、外科手術で取り去り切ることのできなかった腫瘍の撃破に用いられるケースが多い。外見上の変化や治療の痛みを伴わずに手術と同レベルの効果を上げられること、適応部位が多く他の治療法とも兼用できること(通院治療も可能)、年齢や体力を問わず治療が可能であること、手術や抗がん剤よりも安価であることなど多数のメリットが存在する反面、放射線は正常細胞も破壊してしまうため、局所的な副作用が起こり得るというデメリットがあり、日本国内での放射線治療の普及率は三割未満という低水準になっている。
■ホルモン負荷検査 [2-33・医] ≪参考≫副腎皮質ホルモン
……各種ホルモンが適切に分泌されているかどうかを調べる検査。『内分泌負荷試験』とも呼ばれる。点滴を使用して薬を投与しつつ、15分または30分おきに点滴から採血を行い、さまざまなホルモンの分泌の状況について確認する。子どもの成長ホルモンのバランスを調べる時などに用いられやすい。
【ま】
■末期 [3-61・医]
……病状が極めて進行してしまっている状態。がんの場合は全身への転移が徐々に進み、呼吸困難や倦怠感、痛み、栄養不良を始めとする多数の症状が発生する段階であり、さらに進行すると『終末期』と呼ばれる段階に突入する。疼痛のコントロールを目的として緩和ケアが実施されるようになることが多い。ただし、末期という言葉そのものは、何か具体的な症状や両方のことを指す言葉ではない。
■免疫治療 [3-55・医] ≪参考≫チェックポイント
……人体に備わっている免疫機能を外部から強化することで、がん細胞を攻撃する治療法。『免疫療法』とも呼ばれる。免疫を担当する細胞(免疫細胞)の機能を活性化させる『免疫賦活療法』、免疫細胞の生み出す生理活性物質を人工的に作り投与する『サイトカイン療法』、体外に持ち出して増殖させた免疫細胞を再び体内に戻す『免疫細胞療法』など多数の治療法が提案・検証されているものの、他の治療法と比べて確実性に乏しいことから、現時点では科学的な根拠に基づく標準治療とはみなされておらず、臨床試験による成果の積み重ねの段階にある。
【や】
■薬剤科 [1-12・病]
……『薬剤部』とも言う。患者に処方したり治療で使用する薬を調剤したり、保存・管理を行う部門。薬品倉庫や多種多様の調剤室、薬品情報室などを備え、いつ、どのような薬の需要が発生しても問題ないように、薬剤師が24時間態勢で運営を行っている。
■陽子線治療 [3-56・医] ≪参考≫放射線治療・リニアック・サイクロトロン
……陽子(水素の原子核)を使用する、放射線治療の一種。陽子線の特徴として、体内に入るとある一定の深さ(『ブラッグピーク』)で完全に停止し、その際に最大のエネルギーを放出するというものがある。このブラッグピークをがんの部位に合わせて照射することで、他の放射線と比べてより強力なダメージをがん細胞に与えることができるのが、陽子線治療の大きな特徴である。一部を除いたほとんどのがん・悪性腫瘍に有効である一方、陽子は電子などと比べて質量が大きいので、リニアックによる加速の後、サイクロトロンによってさらに光速に近い速度まで加速される必要があり、必然的に設備が大型化する。そのため、陽子線治療を受けることのできる病院はまだ全国でも数が少ない。
■余命 [3-65・医]
……『生存期間中央値』の通称。
【生存期間中央値】の項へ。
【ら】
■リニアック [4-82・医]
……線形加速器(Linear Accelerator)の略称。
【線形加速器】の項へ。
■リハビリテーションセンター [1-14・病]
……リハビリテーション部の管轄下にあり、患者のリハビリテーションを行う施設。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など専門のスタッフがおり、歩行訓練、装具の使用法のアドバイス、飲み込みの訓練といったリハビリがここで実施されているほか、リハビリの内容や最終目標を記した報告書の作成なども行われる。
■リンパ管 [3-54・医]
……体液を循環させる管。毛細血管とともに全身に張り巡らされている。このうち各所には『リンパ節』と呼ばれる部位があり、白血球の一種であるリンパ球が大量に用意され、リンパ管中にウイルス等の外敵が侵入した場合にこれをリンパ球によって集中攻撃する機能を有している(攻撃が行われている間、リンパ管は『腫れた』状態になる)。
■霊安室 [2-49・病]
……医師による死亡確認の済んだ遺体が、一時的に保管される場所。焼香が行われ、家族は医師の作成した死亡診断書を受け取りつつ、この場所で葬儀業者の到着を待つこととなる。到着後は業者の車に遺体の棺を移動し、看護師と医師に見送られて病院を発つ。
◆参考文献◆
【専門書】
■『一番よくわかる! 脳のしくみ』
加藤俊徳(監修) 厚徳社・2014
■『美しい脳図鑑』
篠浦伸禎(監修) 笠倉出版社・2015
■『音に色が見える世界 「共感覚」とは何か』
岩崎純一 PHP研究所・2009
■『がんが再発・転移したときにまず読む本』
石谷邦彦(編集) 主婦の友社・2009
■『看護のための最新医学講座 第10巻 微生物と感染症』
岩本愛吉(編集) 中山書店・2001
■『看護のための最新医学講座 第27巻 リハビリテーション・運動療法』
岡島康友(編集) 中山書店・2002
■『完全図解病院のしくみ』
石沢武彰(編著) 講談社・2011
■『がんの放射線治療がよくわかる本』
唐澤克之 主婦と生活社・2009
■『血液型が変わっちゃった! 白血病、下半身不随、骨髄移植……死の淵からの生還』
石原靖之 マキノ出版・2004
■『結核の街・東京都清瀬の成立とその変貌』(雑誌「都市公団」第66号より)
田中正大 東京都公園協会・1979
■『結核の歴史』
青木正和 講談社・2003
■『血管イメージング 頭部・頸部』
土屋一洋(編集) 羊土社・2008
■『国立療養所史(結核編)』
国立療養所史研究会(編集) 厚生省医療局国立療養所課・1976
■『国立療養所史(総括編)』
国立療養所史研究会(編集) 厚生省医療局国立療養所課・1976
■『心の宇宙6 脳の情報表現を見る』
櫻井芳雄 京都大学学術出版会・2008
■『最新「がん」の医学百科』
向山雄人(監修) 主婦と生活社・2010
■『術式別決定版 脳神経外科 手術とケア パーフェクトガイド』
小泉博靖・鈴木倫保(監修) メディカ出版・2015
■『新版 病院で聞くことば辞典』
浜六郎 岩波書店・2010
■『新・病気とからだの読本3 循環器 心臓・脳』
暮らしの手帖社・2000
■『図解雑学 安保徹の病気にならない免疫のしくみ』
安保徹 ナツメ社・2008
■『ストレス百科事典』
ストレス百科事典翻訳刊行委員会(編集) 丸善出版・2013
■『続 悪化するがんの治療百科』
幕内雅敏(監修) 三省堂・1999
■『ちくま少年図書館87 科学の本 ケンの脳外科手術』
小野博通 筑摩書房・1985
■『Newton別冊 慢性疲労から最新がん治療まで 体のしくみと病気』
ニュートンプレス・2012
■『脳腫瘍 機能温存のための治療と手術』
篠浦伸禎 主婦の友社・2015
■『病院で使う言葉がわかる本』
和田ちひろ 実業之日本社・2010
■『病気の検査がよくわかる医学百科』
関根今生(監修) 主婦と生活社・2010
【百科事典その他】
■『日本大百科全書』小学館・1994
【インターネットページ】
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http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382AB/05212_12.php
■『株式会社Nanoテックス 健康情報コーナー:脳の機能障害』
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■『記憶喪失の種類と治療法』
http://kiokusoushitsu-shurui-chiryouhou.biz/
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http://www.masa.go.jp/contents/shinryouka/res/resqa/oxygensatu.html
■『国立病院機構村山医療センター:医局秘書が見たドクターの日常』
http://www.murayama-hosp.jp/staff/secretary/sec015.html
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http://www.teamlabbody.com/3dnote-jp/dictionary/blood_vessels/external_jugular_vein/
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http://www.kashiwaba-nougeka.or.jp/byoki_5.html
■『脳損傷による遷延性意識障がい者と家族の会「わかば」:遷延性意識障がいとは?』
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■『病院検索ホスピタ:同名性半盲』
https://www.hospita.jp/disease/3816/
■『病気別 分かる東洋医学診断:buck number』
http://www.dokutoruyo.com/toyoigakusindan134.html
■『文化放送ナースナビ:ベッドサイドモニタの実際』
https://nurse.bunnabi.jp/t_sp_bedside.php
■『MINDsガイドラインセンター:病態と疾患』
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php
■『Yahoo!ヘルスケア:神経痛』
https://medical.yahoo.co.jp/katei/080931000/?disid=080931000
■『Wikipedia:ストレッチャー』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC




