198.くらい、進化
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
俺たちは魔蟲王の、王の間へとやってきた。
不思議な空間だ。
虫の巣のなかだというのに、王の城のような内装をしてる。
赤絨毯、シャンデリア、そして……。
玉座には、1人の魔蟲族が座っている。
アリのような見た目の、魔蟲族だ。
「あいつが……魔蟲王……ベルゼブブ……!」
魔蟲たちの王にして、元魔王四天王の一人。
ベルゼブブ。あいつを倒せば、魔蟲どもは統率を失う……。
が。
「…………」ぴくっ。
耳のいいフェリサが、誰よりも先に反応して見せた。
彼女は俺を見やる。そして、ふるふると首を振るった。
……それだけで、俺にはわかった。嘘だろ……。
「どうした、ガンマ?」
肩の上に乗っている、マリク隊長が俺に尋ねてくる。
俺は警戒しながら答える。
「ベルゼブブは……死んでおります」
「なっ!? 嘘だろ……魔蟲王が死んでる!?」
弓を構えながら周囲を見渡す。
敵の気配は……ない。
そして……玉座に座る魔蟲王は、すでに死んでいるってことが……わかった。
「ほんとうに死んでるようです」
「ううん……どうなってやがる……?」
俺たちは魔蟲王の死体へと近づく。
敵は完全に事切れている。
椅子に座っている魔蟲の腹には、切開したような跡があった。
「……これは、兄の仕業ですね」
そのときだった。
「よくわかったね、我が妹よ」
どがぁん!
天井が破壊され、そして……何かが降りてくる。
……光る翅をはやした、人間。
太陽の光を受けて、光り輝いてる。
一瞬天使、と見まがうほどの神々しさを放つそいつは……。
「ジョージ・ジョカリ!」
リヒター隊長の兄であり、人類の裏切り者、ジョージ・ジョカリ。
彼の背中からは、薄い翅が生えていた。
「どうなってるんだ……その姿……まるで……」
「そう。ガンマ君と一緒さ。僕は人を捨て、人と魔の融合体となったのさ」
俺とフェリサには、魔蟲の血が流れている。
普段から魔蟲を食らっていたことで、体が人間よりも、魔蟲に近い構造になっているらしい。
「君が、完成形だったんだよ、ガンマくん。人を超越するためには、人外を取り込み、人を捨てる必要があったのさ」
翅をはやし、空に浮かぶジョージ。
「魔蟲王はどうなったんだ?」
「殺したよ。彼女の大事に育ててた赤子がほしかったからね」
「赤子……? まさか……!」
にぃ……とジョージが笑う。
「そのとおり。僕は……魔蟲王の胎児を、食らったんだ。そして手に入れたんだ。魔蟲をすべる、王の力を!」
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