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【完結】S級パーティーから追放された狩人、実は世界最強 ~射程9999の男、帝国の狙撃手として無双する~  作者: 茨木野
第3章

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157.反撃



 ガンマの妹フェリサは魔蟲族の護衛軍がひとり、肉弾のフンコロと戦闘中。

 敵は真球という、接地面ゼロの完全な球体になれる能力持ちであることが、兄ガンマの助言により判明。


 触れることのできない、完全なる球体を前に、果たしてフェリサはどうやって攻略するかというと……。


「…………」


 フェリサは、深く腰を落とす。

 両手を広げて、動かなくなった。


「なんじゃ貴様……わしを嘗めておるのか……?」

『あ、姐さん! 無茶や! フンコロのやつを、真正面から受け止めるなんて!!!!!』


 敵は真球となれる。

 こちらから触れることは決してできないし、触れようとするとその部分が無限の圧力で消し飛ぶ。


 圧力は力÷面積。

 接地面積が無限大にゼロに近いのなら、無限に力が発生する。

 

 そんな凄まじい力を前に……。

 フェリサは、まさかの正面から挑むようだ。


「ふぇふぇ……血迷ったか……」

『! 姐さん……そうか。そういうことか……』


 リコリスは心を読める。

 フェリサの作戦を読み、そして……。


『わかった、姐さん……わいは勝つってしんじとるで!!!!』


 リコリスは待避する。


「信じるってわりに、逃げるのか?」

『ちゃうわ、あほ。姐さんのすることに、巻き込まれんようにするだけや』


 フンコロはフェリサに疑念のまなざしをむける。

 はったりだろうとは思う。


 だが……。

 フェリサの顔に恐怖の色は浮かんでいない。


 堂々と、待ち構えてる。


「ブラフだ。動揺を誘うだけの」


 そう判断し、フンコロは球体となって、距離を取る。

 敵が逃げないのなら、最大の勢いを持って、一直線に潰す……!


 ……しかしフンコロは気づいてなかった。

 自分が、フェリサの取った行動に、対応していることに。


 それが狩人の張った罠だと知らずに。

 フェリサが用意した、勝負の土場にあがってしまった。


 それが……彼の敗因となると知らずに。

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