121.昔のリス隊長
俺はマリク隊長たちと、地下のバーへとやってきた。そこで元胡桃隊の隊長と遭遇。
マリク隊長のことを知ってる様子だったので、俺は尋ねてみることにした。
「この人って昔からリスなんですか?」
「そうさね、昔からリスだった。二〇年前から」
「え!?」
……リスが二〇年生きてることに驚いたんじゃ、ない。
アカシア元隊長の年齢に……だ。
どう見てもアカシア隊長は、20とかそこらの、美人にしかみえない。
でも軍部に入って、しかも隊長とは二〇年来の付き合ってことは少なくとも30……いや、もしかして40……。
「おっと、女の年齢を聞くもんじゃあないよ」
「そ、そうですね……」
しかし改めて考えると、このリス隊長、いったいいくつなんだ。
リスだから年齢わからないし……。
「アカシア隊長はマリク隊長とどうやって出会ったんですか?」
「ん? あたしのパンツを盗もうとしてたエロリスを捕まえたら、なんかしゃべって手先が器用だから、手元に置いといた」
「あんた昔からそんな感じなのかよ……」
アカシア隊長を無視して酒を飲むマリク隊長。
ということは、胡桃隊を作る前から、このリスおっさんは軍部にいて、アカシア隊長を手伝ってたのか。
で、アカシア隊長が部隊を作るからって、メカニックとしておいて、その後彼女が出て行くタイミングでマリク隊長が就任……と。
「結局来る前ってよくわからないんですね」
「そうさね。軍部に来る前にこいつが何やってたのかは不明だ」
「おれぁ旅人だったのさ~」
「人じゃないだろエロリス」
ううん、話を聞いても結局、長生きなリスってことしかわからなかった。
まあ確実にリスじゃ無いんだろうけども。
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