115.異次元の力
リヒター隊長の部屋にて。
俺は、闘気という新しい力を身に着けた。
「すげえ……力があふれる……!」
体から湧き出るこの黄金色の光。
これが、俺に力を与えてくれる。そう、これだ。
故郷である人外魔境で、毒蛾を討伐したあの時感じた、万能感。
その正体が、これだ。
「こんな色してたのか……」
「ガンマくん、何が見えるんですかぁ!?」
リヒター隊長が俺の肩を掴んで、ぐわんぐわんと揺らす。
鼻息を荒くしながら、俺に尋ねてくる。この人あれだ、知的好奇心が強いから、未知なるこの力に興味津々なんだろう。
「き、金に光るオーラです……見えないんですか?」
「ええ! ええ! ボクにはみえませんよぉ!」
どういうことだ?
いや、まて。そういえばリューエンも使っていたはず。
でもあのとき俺は、彼のまとっていただろう闘気を目視することができなかった。
漠然と、湯気みたいなものが出てるなと。
「未知! ああ、いい響きですねぇ! なんとそそる言葉でしょうかぁ!」
その目が怪しく輝いてる。や、やばい……。
なんだかやばいぞ。逃げようかな……。
「ガンマくん! 今夜は寝かせませんよ! 未知を二人で解明しようじゃあないですかぁ!」
……結局、その日俺はリヒター隊長のもとで、明け方近くまで実験に付き合わされたのだった。
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『俺だけ使える【隠しコマンド】で世界最強〜追放された落ちこぼれ貴族の俺、実は世界唯一の神眼の鑑定士だった。俺にだけ見える隠れた才能の原石を集めて最強の冒険者となる』
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