112.闘気について
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俺はリヒター隊長の下を訪ねていた。
神聖皇国のリューウェンが使っていた、謎のエネルギーの正体について知りたかったから。
「それは……闘気ですねえ」
「! 知ってるんですか……?」
「ええ。大気中のエネルギーを取り込んで、爆発的な運動エネルギーに変える技術があります。そのエネルギー源のこと、もしくはその技術のことを闘気っていいますぅ」
……とても、詳しかった。
となると疑問が残る。
「なんで、リヒター隊長が闘気を知ってるんですか? 他国の騎士が使ってる技術を、どうして……?」
するとリヒター隊長が目を閉じて、息をついてから言う。
「単純です。それは、ボクの研究対象にもかかわってくることだからです」
隊長の研究対象。それってつまり……。
「……魔蟲族?」
「ご名答。そう、魔蟲族もその技術を使ってくるのです」
「! 闘気を……魔蟲族も?」
そんなこと、はじめて知った。
リヒター隊長は口の前に指を立てる。
「他言無用ですよ」
「わ、わかりました……」
しかし、納得する部分もある。
剛剣のヴィクター。やつは、あまりに強すぎた。その理由がわかった。
リューウェンも使っていた、あの闘気って技術を使っていたからだ。
……裏を返せば、あの技術を使えば、俺も強くなれるってことだろう。
「どうすれば、使えるようになるんですかね」
するとリヒター隊長はきょとんと眼を丸くして言う。
「ガンマ君は、もう闘気を使えますよ?」
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